川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

「発音の下手な日本人」から「発音の上手な日本人」へ

私がパソコンが使えるようになったのは2001年に市で行われた市民のためのパソコン講座を受けてからでした。

それから、インターネットなどで、英語に関する記事をよく読むようになりました。  そうすると「日本人の発音は良くない」という記事がよく目に止まりました。  私は、中学の時に聞いたあのきれいな発音でしゃべりたいという気持ちで、いつも一人で発音練習していましたので、あまり他の人の発音を気にしたことはありませんでした。

確かに20年前、「日本人の発音はもしかしたら通じていないのではないか」  という経験をしましたが(http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110531こちらの一番上から2番め(1)日本の外に出たら、日本人の英語は通じないことについて、2012年3月20日のブログに書いてあります。)子供達もまだ小さかったので、自分の発音練習の時間を確保することに必死で、他の人の発音まで気にしたことはありませんでした。  前に書いた通訳のセミナーで、先生から、「帰国子女でないあなたがどうしてそういう発音をしているのか不思議に思っていました。」といわれるまで自分の発音が他の日本人と違うと思ったこともありませんでした。   

でも、それから何年たっても、「日本人の発音は下手だ」という記述をいろいろな所で目にしました。

それを読みながら私が思ったのは、「発音の下手な日本人から抜け出したかったら、今まで日本人が好んで行なってきた練習から抜け出せばいいだけなのです。」でした。

日本人が好んで行なってきた練習、それは、

1.単語だけの発音練習
2.演説の練習
3.シャドウイング

この3つは日本人にとって、とっても楽な練習です。  やりにくい練習をしないで、たくさん練習した気分になれるので、この3つの練習が好きな人はたくさんいます。

この3つは、「母国語の癖を直す」という大変な努力をしなくても済むのでとても、楽な練習なのです。  

日本人にとって、最もやりにくいのは、

(A) 英語のリズムで、文の最初から最後までなめらかに話すこと
(B) 普通の会話のスピードで話した時に、子音が長さや強さを保って言えること
(C) 母音や単語ごとにブツブツ切れないこと

です。

日本人が好んで行なってきた上の1.2.3.は苦手な(A)(B)(C)をしなくて済むので、非常に楽な練習です。

単語だけの練習は、単語一つを言えば終わりですから子音を落とす事もなく、単語をつなげる努力もいりません。

演説の練習は一つ一つの単語をはっきり言えばいいので、文の最初から最後までなめらかに言わなくていい練習です。 文の途中で、大威張りで切っても、違和感を生じません。 言葉を一つ一つ切ってしゃべる日本語の癖をそのまま持ってしゃべることができます。

シャドウイングは、言いっぱなしでいい練習で、誰も、読んだあと発音のチェックをしません。  ですから発音が違っても、子音が聞こえなくても、ぶつぶつ切れても、読みにくいところは遅くなって、読みやすところで所で急いでカバーしても、おかしいところは自分にはわかりません。  モデルと一緒に言い終われば、モデルと同じに言えたと思い込みます。

こういう練習は日本人が最も苦手とすることは直さなくていいので、楽に大量の練習ができますから、簡単に満足感が得られます。  ですから今まで、よく行われてきた練習なのでしょう。

「発音の下手な日本人」この範疇から抜け出したかったら、上の3つの練習から抜け出せばいいのです。  やりにくくても、通じるために、必要なことを身につける練習に変えればいいのです。

必要なことを身につける練習とは、

(1a) 発音練習は単語の練習だけでなく文章の練習を並行して行いましょう。
単語だけの練習ではスピーキングは変わりません。  スピーキングを変えるのは単語をつなげる技術です。(2013年3月24日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130324に詳しく解説してあります。)  文章の発音練習で、この技術を取り込みます。

(2b) 演説を練習するのは、典型的な英語のしゃべり方を習得したあとに、行なってください。  発音の基礎を身につける時(初級中級)は、文の最初から最後まで、英語のリズムでなめらかに言われる会話文で発音練習をしてください。(これは考えるより、日本人にはずっと難しいです。 ですから短い会話文から入ります。) 

演説は、日常生活で使うしゃべり方ではありません。  ですから基本を身につける時、つまり典型的な英語のしゃべりかたを練習する時には、使えません。  典型的なスピーキングの形は、英語のリズムに乗ってなめらかに言葉がつながります。  一つ一つ単語を強調して、文の途中で、大きく切れる言い方での発音練習は避けましょう。(2013年4月25日のブロhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130425)に詳しく解説してあります。)

(3c) シャドウイングのように言いっぱなしの発音練習でなく、自分の発音を録音して、チェックします。

以上のように発音練習を変えれば、「発音の下手な日本人」の範疇から抜けだして、「発音の上手な日本人」になります。

川合メソッドは、皆さんがやりにくい練習をします。  
単語と文章の発音練習を並行してやっていきます。  
会話文で練習しますから、最初から最後までなめらかに発音します。(途中で切って休めません。)
自分の英語を録音してお手本と比べます。  自分の発音をチェックします。

ですから、日本人の英語を聞いたことのない人にもネイティブ並みの発音で通じる必要がある人、あるいはそういう英語を身につけたいという強い希望がある人に実践していただきたい方法です。  旅行や友だちと楽しく話したい人には、練習が、続けられないと思いますので、向かない方法です。  最前線で、英語を話さなければならない方、あるいは初級であっても、そういう発音を身につけたいという強い希望のある方に、実践していただきたいメソッドです。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。