川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

川合先生はいつ日本人の子音が短いと気づかれたのですか?

8月1日のブログを読んだ方から「川合先生はいつ日本人の子音が短いと気づかれたのですか?」と聞かれました。

それで、記憶を辿って行きました。  シカゴの赴任から帰ったときはまだ、そのことに気づいていませんでした。  確かに「日本人の子音は弱い」と学生時代から言われていたので、そういう認識はありましたが、その原因が母国語の短い子音の言い方に由来しているという認識はこの時はまだありませんでした。    

2回めのニュージャージー赴任の時、毎日大量に英語を聞いていました。  子どもたちの宿題の手伝いが、落ち着いた5ヶ月目くらいからは、毎日5,6時間は聞いていたように思います(集中読書を行った2年目の夏休みは除きます)。  それは、4年後に帰国するまで、続けました。  そうやってたくさん聞いているうちに、速い速度で音読した時に、自分の単語の最初の子音が、少し短いと感じて、長めに発音するように気をつけていました。  ですから、最初に気がついたのはニュージャージーに赴任した頃ですね。

日本に帰国してすぐは、家で、よくナショナルジオグラフィックチャネルやディスカバリーチャネルを見ていました。  その時、日本人の研究者が英語で説明している場面を見ました。  そうしたら英語で話しているのに、英語字幕が出ていました。  

その研究者は大変流暢に喋っていらっしゃいましたので、海外での研究の経験がおありだと思いましたが、しゃべっている子音が非常に短い英語でした。  私は日本人ですから一生懸命聞いていると何を言っているかわかりましたけれども、本当に子音が短かったです。  これではネイティブにはわからないだろうなあと思いました。  だから、英語字幕が出たんですね。  その時、日本人の子音の問題はこれだな、と思いました。

私もニュージャージーに赴任する前は子音が日本語の言い方にすり替わるとわからなかったのですから(あんなに発音に興味があって練習していましたが、日本人の子音は弱い、と言う程度の認識しかなかったのですね。)おそらく、日本で発音を教えていらっしゃる方でも、子音の長さの違いに気づいていない方はたくさんいらっしゃると思います。

私もニュージャージーで、毎日大量に英語を聞いて、わかるようになったことですので、日本にいて、そこまで大量に英語を聞く機会がなかったら、わかるようにはならなかったかもしれないですね。  実際、Sの長さに気づかずに、「Sは強く、Sは強く」と発音指導している方は何人か知っていますので、発音の先生でも、日本人の子音の短さに気づいていない方はたくさんいらっしゃると思います。

けれども、生徒さんは発音のヒントでやっているように説明すると、みんな聞けるようになります。  ですから皆さんも解説を聞けば、アメリカに行って大量に英語を聞かなくても、日本人の子音がネイティブと比べて短い事は十分聞いて理解できると思います。  発音のヒントをお聞きになった方は、メリル・ストリープの長いSと日本人の短いSの違いはすでに聞けるようになられたと思います。  違いが聞けたら、自分でも長いSで発音できますね。

先生に聞いてもらうとか教えてもらうと言っても、英語を聞く量というのは日本にいる限り、どなたもあまり変わりませんので、発音の先生も6000時間とか7000時間とか音を聞いていらっしゃるわけではないと思います。ですから、

音を聞く力は発音の先生も皆さんもあまり変わらないと思います。  

解説さえ聞けば、皆さんもちゃんと、音を聞けるのですから、自分で音を聞くのだと言う自覚を持って、発音のヒントを参考にしながら自分の耳で音を聞けるように訓練してください。  日本人の子音が短いことを自分で聞けるようになってください。  子音の問題はこの長さの違いが聞けると、ほとんどの問題を解決出来ます。  

ただ、その後、発音だけに注意を集中していなくても、母国語の子音の言い方にすり替わらないように、練習をある期間続けて英語の子音の言い方を定着させて行かなければなりませんね。  「無意識に発音しても、日本語の子音の言い方にすり替わらない」ここまで定着させるにはやはり2年くらいは必要ですね。

(私が以前ホームページで行っていた「発音のヒント」の内容は、私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)にまとめられています。 現在(2019年6月)はホームページに「発音のヒント」のページはありません。 代わりに「通じない日本人の発音」のページに日本語化しない子音で話す練習方法が載っています。)




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)







高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。