8月から私は日本人の英語がなぜ通じないかを子音の面から解説しています。(その一例として8月4日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130804 を読まれると大体の内容がわかります) この解説を書き出したとたん、ある書店さんで、私の本がよく売れ出した、と出版社の方から聞きました。 それを聞いて私は、「やっぱり」と思いました。 感覚の鋭い学習者には、「日本語式にすり替わった子音の言い方が通じない英語の原因であること」が必ずわかると思っていました。
この日本語の子音へのすり替わりは発音を教えている人でも、気付かない人がいるくらい微細な違いです。 けれども、ホームページに載せた「通じない日本人の発音」 http://creato-k.com/advice-summary-010.html のように音声で丁寧に説明をすれば、熱心な学習者には、この子音のすり替わりが、日本人の英語を通じなくしている原因だと必ずわかると思っていました。
微細だから、「通じる」「通じない」に影響を与えない、と言うわけではありません。
皆さんも想像してみてください。 会話しているときの子音L,R,W,S,Z,N、M,F,V,THなどが全部日本語式の子音で言われたら、どんな英語に聞こえるか。 たとえて言うなら、それらの子音が単語の最初に来たときだけマイクのスイッチが遅れて入るような聞こえ方になるのです。
文章の発音の違いを聞くことは初級のゆっくりした文章から、お手本と自分の発音の違いを比べて直す練習をしてこないと聞けるようにはなりません。 ですから、ナチュラルスピードでこの子音の違いが聞き取れる人がいないのかもしれませんが、いつも2者を聞いて比べて直す練習をしてきた人間がナチュラルスピードの発音を聞くと、本当に日本人の発音は単語の最初の子音だけマイクのスイッチが遅れて入るような聞きにくい子音になるのです。
Wにいたっては、ほとんどW本来の音は聞こえません。 皆さんはそんなことはない、自分はちゃんと発音していると思うかも知れませんが、萩原先生が、日本人が「My Way」を歌うと、WayのWはほとんど聞こえないとおっしゃったことがありました。
多くの日本人は、発音練習で習ったWの口の形はするのですが、そこで息を送って、音を出さないのです。 Wの音から次の音に移るためにすぼめた唇が開き始める時に息を送って音を出すのです。 なぜなら、それが子音と母音がいつもセットで言われる日本語の子音の言い方だからです。 日本語の子音の言い方しか知らない人は英語本来の子音の言い方が会話になると出来ないのです。 そうすると、ネイティブにはいつも聞いているWの音には聞こえなくなるのです。
WはWの唇の形を保持している時に音を出すのです。
言っている「つもり」では、音は出ていないのですね。 本人も知らないうちに日本語の子音の言い方にすり替わっているのです。
この子音のすり替わりは単語だけで練習していると現れません。 単語を一つ一つはっきりしゃべる演説でも、それほど現れません。 日本人がナチュラルスピードで会話をすると出てきます。 ナチュラルスピードで言われた文章の発音をいきなりお手本と比べようとしても聞けないので今まで気付く人がいなかったのだと思います。
文章の発音を聞くのは、初級のゆっくりした文章から聞く練習をしないと聞けませんね。 ゆっくりした文章から、聞いて、比べて、直すと言う練習をして来ると、この子音のすり替わりがナチュラルスピードで起こっても聞いて直すことが出来ます。
こういう理由で、単語で基本の発音だけを教える先生が、必ずしも、文章の発音を聞いて直せるわけではありません。 文章の発音をお手本と比べて直すと言う練習を初歩からしてきた人が2者の違いを聞いて直すことが出来るようになります。
子音が短くなると、日本人の英語を聞いたことがない人には何を言っているのかわからなくなります。 たとえ集中して聞けば、聞き取れるとしても、毎回毎回単語の最初の子音L,R,W,S,Z,N、M,F,V,THで、マイクのスイッチがワンテンポ遅れて入るような英語を聞くのは骨が折れて途中で投げ出したくなるでしょう。
何年も発音練習をしてきても、最終段階の、ナチュラルスピードで会話をするようになったところで、日本語式の子音の言い方にすり替わってしまったら、まったく英語を話せない人と同じことになってしまいます。
自分が何といっているのか相手がわかってくれなかったら、何年もやってきた発音練習はなんだったのか、と言うことになってしまいますね。 多くの日本人は、発音練習を一生懸命やっているのに、ナチュラルスピードで会話したとたん、こういう結果になってしまうのです。
日本にくるネイティブは一生懸命日本人の英語を理解しようとして聞いてくれますし、日本人の英語に慣れてくることもあって、こういう英語でも理解してくれますが、日本人の英語を聞いたことがない人達には何と言っているのかわかりません。
ホームページの「通じない日本人の発音」http://creato-k.com/advice-summary-010.html には、初級の人にもわかりやすいようにこの子音の摩り替わりが解説してあります。
英語を聞く量がまだ少ない私の生徒さんもこうして説明されると、この子音のすり替わりが自分で聞いてわかります。 皆さんもどうぞ、日本人の英語をわかりにくくしているこの子音のすり替わりを自分の耳で聞いてください。
英語には日本語とは違う「長さを持つ子音の言い方」があります。 日本語だけ話していると、考えもしなかった「口の形を固定して長さをキープする子音の言い方」があるのです。 子音と母音をいつもセットで話している私たちとは違う子音の言い方をする言語があることを、自分の耳で聞いて知ってください。 それが、今まで知らなかった外国語の発音を学ぶと言うことです。
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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。
現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。
文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。 導入されれば教育現場は大変迷惑します。 中止する必要があります。 なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。
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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。 私はとても困っています。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。