川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

無意識にしていることに気づくためには。

日本人は会話のスピードで英語を話すと、単語の最初の子音が、本人も気づかないうちに日本語の子音の言い方にすり替わってしまうので通じなくなります。  具体的にどうすり替わるかは8月4日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130804、10日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130810、11日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130811のブログをお読みください。

このように無意識にやってしまうことを直すにはどうすればいいか?  それは、同じように無意識にやってしまうことを考えて見ればわかります。

例えば、会議で発言するときにいつも咳払いをしてから話す人がいたとします。  聞いている人が、「毎回咳払いをされると聞きにくから、やめてください」と言っても、本人は自分は咳払いなどしていない、と言ってとりあってくれません。

その人は無意識に咳払いをしているので、自分が咳払いをしているとは思っていないのです。  そういう場合は、会議が始まって、その人が発言しようとして、咳払いをした時に、「そうやって、発言のたびに咳払いをするのは、聞きにくいからやめてください」と言うと、自分も、「今、自分は咳払いをした」と気づいて、しないように気をつけることが出来るわけです。  無意識にやっていることについて、本人はしている自覚はないのです。  だから実際に、咳払いをしたときに、言わないと、気が付かないのです。

英語で会話している時に、日本語の子音の言い方にすり替わっても、本人はそれに気づいていません。  無意識に母国語の言い方にすり替わっているのですから、本人は発音の教本で習ったとおりに発音していると思っています。  だから、なぜ自分の英語が通じないのかわかりません。  

これに気づくには、「日本語の子音の言い方にすり替わった自分の発音」を実際に聞くことです。  お手本の子音と日本語式にすり替わった自分の子音の違いを聞くことです。  そうすると自分の発音が、英語の子音の言い方をしているつもりでも、実際には日本語の子音の言い方にすり替わっていると気づきます。

先生に聞いてもらって、指示されたとおりに発音しているだけでは、何年練習しても、この子音のすり替わりには気づきません。

初級の段階では、英文はゆっくりですから、子音はそれほど、聞こえにくくはならないのですが、ゆっくりの段階から聞いて行かないと、発音を比べることは難しいですね。  それに初級でも、文の数が、5個、6個と続いてくると、日本語の言い方にすり替わる子音が出てきます。  そういう時に聞いて、少しずつ気づいていくことで構わないのです。  最初からよく聞ける人はいませんね。

けれども初級のゆっくりな英文で、たとえ、子音がそれほど聞きにくくならない段階でも、英語の子音の言い方を日本語の子音の言い方にすり替えないで発音することを「意識して」(これが一番大事です。  自分で「自覚して」やってください)練習していきます。  そうすると、だんだん英語の子音の言い方が身について、会話の時でも英語の子音の言い方でしゃべれるようになります。

この子音のすり替え現象は単語だけで発音練習をしている時には現れません。  一語一語はっきり言う演説のしゃべり方でも、あまり現れません。  強弱のリズムに載せてしゃべる会話の時に現れますので、練習は会話文で行なってください。  その時、自分は英語の子音の言い方で言おうと意識していても、やはり長年慣れ親しんだ母国語の子音の言い方が出てきてしまいますので、練習では、いつも自分の発音を録音して、お手本と比べてください。

これを面倒くさい、と言って、「自分は正しい発音で言っている“つもり”」で練習していると、いつの間にか、母国語の言い方でしゃべっていることになります。

「無意識にしていることを直す」には、ある「一定の期間」練習を続けることが必要です。  毎回発音だけに100%注意して、しゃべるのならば、短期間の練習でもいいでしょうが、それではしゃべる内容に頭が回りませんね。  ですから、「しゃべる内容を考えていても、発音はまったく乱れない」、この状態に持っていくには、ある「一定の期間」練習することが必要になります。  

これは、2、3ヶ月では出来ないです。  少なくとも、2年くらいは期間がかかります。  生まれた時からやっていることを直すには、その位の期間が必要です。

ただ、旅行とか、友だちと楽しく話す、という程度のことが英語で出来ればいいのでしたら、ここまでの練習はしなくていいと思います。    

私が、自分の本の読者として、想定しているのは仕事や学業で、日本人の英語を聞いたことのない人にも、ネイティブと同じように通じる発音で話す必要性のある方、もしくは将来そういう英語を話したいと強く希望する初級の方です。  私の本はDVD付きですので、2500円と高いですから、買ってしまったあとで、こんな面倒な練習はやっていられない、と不満が出てもいけませんので、事前に、お伝えしたいと思います。  

川合メソッドのやり方は、自分の発音を録音する手間がかかり、英語の発音と日本語式発音の違いを自分で聞く集中力が必要になります。  完成度の高い発音を身に付けるためなら、そういう努力も厭わない、という方に購入していただきたいと思っています。

一冊目の本には「発声から変える川合メソッド」と書いてありますから、ちょっとやって、ネイティブっぽく聞こえる方法と、誤解される場合がありますが、私は、発音の基礎を身につけること、すなわち、母音の区別ができて、基本の発音が正しく発音できることはとても大事だと思っています。  これが出来ないと、英語は通じません。  川合メソッドは基礎から発声まで、しっかり学んでいく方法です。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。