川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

私が音について解説したことを取り入れることだけが、川合メソッドではありません。(2)

お手本と自分の発音、この「2つの発音を比べる作業」をしようとしまいと結果としてわかったことだけ取り入れれば、同じことだ、と思うのは、「自分の知らない言語習得の世界がある」ということをまだ知らないからだと思います。  本当に人間には「耳で聞いた通りの音で口がしゃべろうとする能力」があるのです。
  
今はまだ、そのことが信じられないかもしれませんが、それは、3年前、まだ「母国語とは違う英語の音の世界がある」ことを知らなかった時と同じです。 全部他人に教えて貰う方法とは違う「聞いた音と同じに発音する能力を訓練して発音を習得する方法」が、あるのです。  川合メソッドを行う方はそのことをぜひ理解して頂きたいと思います。  

川合メソッドは基本の発音を学習した後、教師のアドバイス(皆さんは私の2冊目の本ですべて読むことができます)をヒントにして、自分で発音習得の能力を育てて行きます。  「聞いた通りに口で言葉を再生する」体の仕組み全体を育てていくのが川合メソッドです。  

1.2.3.4.5の過程(8月20日のブログを参照してください)で、自分の発音を録音して聞くことにより、自分の口や舌やその他の発声器官をどう使うとどういう音が出るか、体は、それを細部まで把握している最中なのです。  また、お手本の発音についても口などの発声器官をどうやっているからそういう音が出ているのかを聞き、考え、比べ、試して、把握している最中なのです。 

「自分の発声器官をどう動かしたらどういう音が出るかを自分で把握する」
「お手本の音は発声器官をどう動かしたから出てきた音なのか自分の体を使って音を出してみて把握する。」1.2.3.4.5を繰り返しながら体はこの2つのことを把握しているのです。  この2つの情報が蓄積されて、合体したところで、聞いたお手本の音と同じ音でしゃべるという能力を作り上げます。

もちろんこの過程で、自分の発音が無意識に日本語の言い方にすり替わらないように、常に意識して発音していきます。  母国語の言い方は油断するとすぐに出てきますから知らないうちにすり替わってしまっても、自分の発音を録音してお手本と比べて聞けば、すぐに気づいて直すことができます。  

もし私のメソッドが、教師が教えるだけのメソッドであったら、世の中に数ある他のメソッドと何も変わりません。  もしそうだったら、私は発音の本など出版はしませんでした。  

「自分の持っている能力をメソッドを実践しながら鍛えていくと、聞いたとおりにしゃべれるようになる」、「その能力を自分で育てることが出来る」ということを伝えたかったから私は本を書きました。 

3年前「自分で聞いて発音を直すなど、出来るわけない。  それでは間違った発音が身につく。  直すのは先生だ」と誰もが思っていたときに、母国語とは違う音を持つ言語があることを学習者自身が聞いて知る重要性を私は訴えてきました。  

そして、たしかに母国語とは違う発音の仕方があることを理解していただけたと思います。  聞けない時には「存在しない」と思っていたものが、自分が聞けるようになれば、「存在している」ことがわかるのです。  皆さんは、今はそこまで音が聞けるようになったのです。  何十年も日本人が気付かずにきた、子音のすり替わりさえ、聞いてわかるようになったのです。  これは、聞くことは先生にしかできないとは思わずに、自分で聞こうとしたから聞けるようになったのだと思います。 

それと同じで、皆さんがまだ知らなくても、他人に教えてもらうだけでは決して育たない「聞いた音と同じに発音する能力」が人にはあるのです。  私はそのことを皆さんに知っていただきたかったから本を書きました。  

発音についての私のアドバイスはこの能力を育てるために使ってください。  1、2、3、4、5の繰り返しをしているまさに、その時に、この能力は育ちます。  学習者本人以外の誰も、この能力を学習者の中に作ってあげることは出来ません。  自分で育ててください。  

川合メソッドは発音を録音して比べるという少し手間のかかる作業のところで、この能力を作り上げますので、発音習得のためにそこまでの練習をする気はない、という方には向いていません。

そのひと手間を惜しまずに完成度の高い発音を身に付ける必要がある、あるいは身につけたいと強く思う方には続けられる練習だと思います。  川合メソッドはそういう方に実践していただきたいメソッドです。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。