川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

教育新聞のインタビューの内容

私が受けた教育新聞のインタビュー記事は12月8日発行の教育新聞に掲載されました。教育新聞は教育関係の方々が読む新聞ですので、一般の人が読む機会がないと思います。  それで、私がインタビューで話したことをブログで、皆さんにもお知らせしたいと思います。

記者からの質問は「小学校3年生から英語の授業が行われることになりますが、どうやったら有効な授業ができますか」ということでした。  
インタビューは時間が限られていましたから、お話しできなかった問題もありますので、ブログでは、そういうことも含めて、全部お話ししたいと思います。  「これからの英語教育について」私がどのように考えているかを詳しくご説明したいと思います。

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3年くらい前、私は小学校で、英語の授業をしている先生方の研究会に参加しました。  5人の先生方が、モデル授業を行い、研究授業を見学に集まった先生方は生徒役として参加しました。

モデル授業ではどの先生も「国際理解」「異文化理解」を随所に取り入れられていて、小さいころからこういう授業を受けるのは、大変良いことだと思いました。  一つ例を挙げますと、世界各地から輸入される果物を当てるクイズからスタートした授業がありました。  先生が使った世界地図は私たちが社会科の授業で見る地図と同じでしたが、授業後のディスカッションで、「アメリカでは日本が、一番右端に来る世界地図を使っている、子供たちに、両方の地図を見せたらどうだろうか」というような意見も出て、同じことを違う視点から見ている国々の人がいることを教えようという、先生方の熱意がいろいろなところで感じられました。

小学生の時からこういう授業を受けるのは視野が広がり、意義のあることだと思いました。

では「英語教育という面から見るとどうか」というと、これはまた別の問題です。  私は、英語の早期教育が有効だと思っている人たちは2つの点で、大きな誤解をしていると説明しました。  そして、11月13日から4回にわたってブログで述べたことと同じことを説明しました。  

早期教育が有効だと錯覚する誤解の一つは臨界期仮説に対する誤解、もう一つはヨーロッパの英語教育に対する誤解だと説明しました。

そして、発音習得に関しては中学1年生に「自分の耳で聞いた通りに発音する」という方法で、英語発音を習得してもらうのが、最もネイティブに近い発音になることを説明しました。  

発音は小学生で習っても、小学生自身が自分の耳で聞いた通りに発音するのでなければ、ネイティブ並みの発音にはなりません。  単語の発音を習おうと、単語と単語のリンキングの発音を習おうと、「先生に言われた通り発音する」というのでは、「発音習得の原理」から言うと、カタカナ発音を習っていることと同じです。  それよりは少し英語っぽく聞こえるカタカナ発音を習っているということと同じです。

なぜなら、そこには、学習者自身が英語の音そのものから学ぶ、という点が抜けているからです。  先生が聞いてこうだと言った口の形をしているだけで、本人は英語の音がどんな音か、自分ではわからないで、言われた通り発音しているだけです。  それは、「発音習得の原理」から言うと、他人が英語に付けたカタカナの振り仮名通りに発音しているのと同じです。  それよりは少し英語っぽく聞こえるカタカナ発音を言われた通り言っているというだけです。  英語の音そのものを学習者は学んでいません。    

単語の発音の仕方を教わっても、リンキングの発音の仕方を教わっても、最後は「自分の耳でどう聞こえるのか」それを一生懸命聞いて、聞こえた通りに発音する、という力を育てて、発音を身に付けていかないと、英語の発音は習得できないのです。  他人が言った通り発音する練習では、英語の音そのものを聞く力を育てられないから、文章になるとお手本と同じ発音では言えなくなるのです。

ここまでは、すでに皆さんにお話しした通りです。 

ここから先は、初めて皆さんにお話しする内容になります。

私はインタビューで「国際社会でやっていける人材を育てるには英語教育だけではできない」とお話ししました。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/houkoku/1352460.htm

こちらは文部科学省のホームページです。

表題の下の3つ目の橙色の印をクリックすると

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2014/10/10/1352461_01.pdf

こちらの資料が見られます。
(資料)小・中・高を通じた目標及び内容の主なイメージ (PDF:110KB)

この表の左側、一番上には「教科等の目標」という欄があり、その下に「英語等の目標」という欄があります。  それを高校生のところまでたどって行くと、「選択科目」のところではありますが、「プレゼンテーション」「ディベート」などの言葉が書いてあります。

あまり英語教育に詳しくない方でも、アメリカ人がプレゼンテーションやディベートが上手だということはご存じだと思います。  

しかし、なぜ、アメリカ人がプレゼンテ−ションやディベートが上手なのか、その理由を皆さんは考えたことがありますでしょうか。

彼らがプレゼンテーションやディベートが上手なのは、幼稚園の時から、そのための訓練を受けているからです。

私が夫の最初の赴任で住んでいたイリノイ州ではキンダーガーテン(日本で言えば、幼稚園の一番最後の学年)から義務教育が始まりました。

幼稚園ではまず、プレゼンテーションの最初の形、「show-and-tell」という形式で、クラスのみんなの前で話す練習が始まります。

先生が、「明日、自分の気に入っているものを持ってきて、みんなにそれを見せながら、説明してください」というと、子供たちは自分のお気に入りの人形やボールなどを持って学校に行きます。

それをクラスメートの前に立って、見せながら、「これはお誕生日にもらったものです」とか「色がきれいなので、僕は気に入っています」とかその品物について、クラスのみんなに話します。  息子もやりました。

夫の2度目の赴任でニュージャ−ジー州に住んでいた時、日本人学校の校長先生が、「アメリカの教育」という題で、講演されたことがありました。  たくさんの保護者が聞きに来ていましたが、それによると、アメリカでは「show-and-tell」を小学校低学年で毎年数回行い、子供一人一人がクラス全員の前で話すことを経験するそうです。

なぜ「show-and-tell」が人前で話す最初の練習として良いかと言えば、話す方にすれば実物を見ながら話すので、話しやすいですし、実物を見せることによって、聞く人の注意をひきつけることも出来ます。  聞く方にしてみれば、話す人があがって、うまく説明できなくても、実物を見ているので、よくわかります。  

この「show-and-tell」は幼稚園に入学した時から行われ、子供たちはまず、大勢の人の前で、話すことを学んでいきます。  このプレゼンテーションの練習は、年齢が上がるにつれて、各教科の授業で行われるようになって行きます。したがって、プレゼンテーションの内容は年齢とともに、高度になっていきます。  プレゼンテーションの練習は、その後、小学校、中学、高校、大学、と授業で一貫して続けられます。

次回は、小学校で、「どういうプレゼンテーションが良いプレゼンテーションなのか」それを子供たちが学んでいく実際のやり方をお話しします。  

もし準備が整えば、来週は皆さんにお知らせしたいことがありますので、その場合は、このブログの続きは再来週に掲載いたします。

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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。