川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英語を語順の通り理解する練習

先日、知っている方から次のように言われました。  「今日、書店に行ったら、川合先生の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」が、高校の学習参考書のところにおいてありましたよ。」

私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」は、1冊目の本についているDVDで、発音を学ぶ人の解説書という面が強いので、中身は、発音についての記述が多いです。

ですから、普通は書店の「語学」の分類の「発音」のところにおいてあります。

けれどもこの本の9章から14章までは、英語の勉強法について書いてあります。  中でも、9章の「英文の読み方」が、高校生のみなさんの参考になるのだろうと思いました。

私は8月2日のブログで、高校生の勉強の仕方には、パート1とパート2があると述べました。

パート1は従来の訳読式授業と同じで、日本語で、文の構造や意味を納得いくまで理解します。  なぜなら、日本語と英語はまったく異質な言語ですので(語順や発音などにとどまらず、価値観や文化も違う)細部まできちんと構造を理解し、意味を理解することが大事だからです。  

「英語は、日本語とは何が違うのか」この部分に関しては英語では教えられません。  生徒がきちんと理解できる日本語で教えます。

これを生徒が理解できる母国語で、納得できるまで教えないと、その後、生徒がどれほど苦労するかは2013年5月19日のブログ「高校生の皆さんへ」をお読みになればわかります。

それが終わって、英文が完全に理解出来たら、パート2の練習に入ります。  パート2は音読練習です。  学習の終わった英文を今度は前から語順の通りに音読しながら内容を理解する訓練に入ります。

その英文を書いたネイティブと同じ言葉の順番で文を読んで、理解できるようにするわけです。

続・英語発音、日本人でもここまでできます。」の93ページには例文を上げて、前から単語を読んで理解して行くときのやり方が具体的に解説してあります。  前から単語を読みながら、読んだ単語から文の構造の何を掴み取るかが解説してあります。

例えば、名詞の次にthatを読んだ時と、形容詞の次にthatを読んだ場合では、読みながら、文の構造の把握がどう違ってくるのか、そういう観点から解説してあります。 そして、学習をきちんと終えた英文で、音読しながら語順の通り理解する訓練をしていくと、これ以外にも、たくさん、読みながら構造を把握するポイントがわかってきます。

おそらくこれが、高校生の皆さんの役に立つのでしょう。  なぜなら、語順の通り読んで、内容が理解できるようになると、英文処理のスピードが飛躍的に速くなるからです。  

大学入試の時に英語の長文読解があった場合、前から語順の通り読んで、意味が分かれば、内容を把握するスピードが、後ろから戻って理解している場合より、圧倒的に速くなりますので、時間が限られた試験では非常に有利になります。  たぶんそれで、高校生の皆さんが、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」を活用してくださっているのでしょう。  (ついでに言えば、聞こえてきた単語の順番に意味が分かるので、リスニングでも、有利さを発揮します。)

語順の通り、英文を理解する技術は、英文処理の速度を飛躍的にはやめますので、大学入試にとどまらず、英語を使うさまざまな人の役に立ちます。  ぜひ皆さんも、活用なさってください。

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なお、「続・英語発音、日本人でもここまで出来ます。」付属CDトラック6、にありますWhere’s my bag?  の生徒さんと私の発音の聞き分けが難しい方は2015年2月1日のブログの音声を参考にしてください。

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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校時代に、複雑な英文を語順の通り読んで理解する訓練をすることは、「英語で授業」などするより、ずっと彼らの英語の基礎力を強固にし、その後の英語力のレベルアップに貢献します。  なぜなら日本人が英語ですらすらしゃべれないのは、「語順」の問題が、最も大きな障害になっているからです。  英語学習開始4年目(高校一年生)の早い時期に、この問題を解決する訓練を開始することは、その後の学習の成果を飛躍的に高めます。  

この訓練を十分にするからこそ、大学生で大量のインプットの訓練が始まったとき、理解の過程から「日本語」が消えて、英語のまま理解できるようになるのです。  「英語を語順の通り理解する」この能力を鍛えることなしに高度な英語力など、身に付けることは不可能です。  高校の授業を英語でやっても、この訓練にはなりません。  

英語教育は、高校時代だけ見て、しゃべらせることばかり考えてもダメなのです。  英語力の完成像を、まず、しっかり把握し、それを達成するためには、「中学時代に何を習得する」「高校時代に何を習得する」と学習目標を決めて達成していきます。  

中学、高校の英語の授業を英語でなどやっていたら、高い英語力を持つために必要な技術は、まったく訓練できないのです。  小学校の英語教育に至っては即刻止めるべきでしょう。  

発音は発音した回数に比例して定着します。  こういっている間にも、今週、来週と、小学校の英語授業をするだけで、子供たちにカタカナ発音が定着していくのです。  授業をすればするほど、子供たちは通じない発音を習得するのです。  これではどんなに良い教育をしても、日本の外に出て英語で話したら、「何を言っているのかわからない」と言われてしまいます。

「モジュール授業」をして、徹底反復学習を行うと言っても、カタカナ発音を徹底反復していたら、子供たちの英語発音は、どんどん通じない発音で定着してしまいます。  それこそ、莫大な税金をどぶに捨てているようなものです。  カタカナ発音で何を学習させても、英語は役に立たないのです。

9月1日のブログで、米コロンビア大学でプレゼンテーションした大学生の例を書きました。  なぜ、「何を言っているのかわからない」とアメリカ人が言ったのかはその人に聞かなければ真相はわかりません。  でも、私は、日本人の英語が理解できなかった可能性は、否定できないと思っています。  

なぜなら、日本人の英語を聞いて、「何を言っているのかわからない」というのは、普通の反応だからです。  よくあることだからです。  日本にいるアメリカ人は、一生懸命理解してくれるので、日本人は「日本人の英語が通じないこと」を知らないだけだからです。  

今まで説明してきたとおり、文部科学省の方針を実施すると、生徒はカタカナ発音で話し始めます。  小学生はすでにカタカナ発音で話しています。  ですから文部科学省の方針は、「何を言っているのかわからない日本人」を学校教育で大量に作り上げるプラン、ということになります。  これ以上子供たちの英語力を壊さないためにも、この方針は、撤回していただきたいと思います。

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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。