前回のブログ「わが子の英語力を上げたかったら、文部科学省がどのような方針を打ち出そうと、中学、高校の英語は日本語で学習させる」(4回シリーズ)は、皆さんのお役に立ちましたでしょうか。
「中学、高校の英語の授業を英語で行う」方針は、実施、2,3年で、「あのころ英語の授業でやったことは何にも覚えていない」という中学生や高校生が全国に続出して、失敗におわります。 理由は、2015年4月13日のブログをご覧ください。
「中学、高校の英語の授業を英語で行うこと」については現場の先生方は反対の立場をとっていらしたと思います。 先生方の反対を押し切って文部科学省が実施し、失敗した場合、その責任は重大だと思います。 その場合、責任の所在は明らかにしてもらう必要があると思います。 莫大な税金を投入して、失敗するのですから「だれも責任を取らない」ということはあり得ませんね。
先生方は文部科学省のどなたの責任においてこの方針が実施されるのかを、実施がスタートするときに明確にしてもらうといいと思います。
そして、失敗した場合、なぜ失敗したのかも検証委員会を設けてもらい、「現場の先生方の意見を無視したのが原因である」と明らかにしてもらいましょう。 そして今後このようなことがないように、方針を決定する際は、「現場の先生方の意見を取り入れなければならない」と、明確に定めてもらいましょう。 そして、そのための仕組みを作ってもらうのが良いと思います。
「中学、高校の英語の授業を英語で行う」は「ゆとりの教育」と同様、失敗におわります。 失敗の現れ方は、「ゆとりの教育」より早く、「ゆとりの教育」より顕著にわかる形になると思います。
私は文部科学省の方針に反対する先生方を批判する英語教育の専門家の意見をたくさん読みました。 私が2006年にアメリカから帰ったとき、「小学校からの英語導入」を含めて「文部科学省の方針に反対する先生は無知だ」と言わんばかりの専門家の文章を読んで、驚いたことがあります。 この方針が失敗に終わった時、そういう発言については、きちんと責任をとっていただいたら良いと思います。(先ほど見たら、ブログは最近削除されたようです。 現在はTwitterで発信されているようです。 私が見た2006年のブログももうありませんでした。 ブログでは、ヨーロッパの国々など、外国の英語教育の例をいくつも挙げていらっしゃいました。) あまりにも先生方に失礼な言い方だと思いました。
それと同時に、失敗した時には、初心者に対する「英語を英語で理解する」という指導法もでたらめであったことが明らかになりますので、この指導法の提唱者、石渡誠氏も責任をとる必要が出てくると思います。
この、文部科学省の新しい方針については、英語指導の基本的な手順において核心となる部分が抜けています。 来月はそれについてお話しします。
それでは今日の本題である、「東京の地下鉄(東京メトロ線)の車内アナウンス」についてお話しします。
東京で地下鉄に乗ると次に停車する駅と乗り換えのご案内がアナウンスされます。 「丸ノ内線、銀座線はお乗換えです。」と教えてくれます。 日本語の後には英語でもアナウンスが流れます。
この時、
the Marunouchi Line
the Ginza Line
という時の Line のLの発音をよく聞いてみてください。
日本人が「ライン」と発音するときは舌先で歯茎を一瞬たたくように、短いLの発音をしますが、地下鉄のアナウンスではLのところで、舌先が歯茎にからまりつくように、しっかりくっついてLineと発音されているのがわかります。(東京メトロ線の車内アナウンスを聞いてください。 先日、都営新宿線のアナウンスを聞きましたが、こちらのアナウンスは、「L」の長さがよくわからない言い方でした。 昨日(2016年3月26日)東西線で日本橋から神楽坂まで乗りましたら、Lが英語の長さがある、歯茎に舌がからまるような言い方のアナウンスでした。 同じお姉さんがしているアナウンスですが、駅の名前の次にC−12とか番号の入るアナウンスは、新しいものなのか、駅名の後に番号の入らないアナウンスに比べてLの長さが短めでした。 このお姉さんのアナウンスで、駅名の後にC−12などの番号が入らないものが、Lの長さが聞きやすいです。)
これが「日本語化したL」と「英語のL」の違いです。
この違いが聞けましたら、自分もこのようにLをたたかないで、しっかりくっつけて発音してください。 その時、「こんなに大げさに発音しなくてもいいんじゃないの」と思って、日本語式に直してLを発音しないでください。 「大げさに発音しなくても日本語式でいい」と思うから聞こえない子音に変化してしまうのです。
発音練習は耳で聞いた通りに発音するようにしましょう。
どうすればよいかわからない方は、著書「帰国子女に見る世界に通用する英語力の育て方」第3章「通じる子音の発音の仕方」に書いてありますので、参考にしてください。 「Lの前にもう一つLがあるように発音する」のがコツです。
文部科学省は「英語によるコミュニケーション能力の向上」を掲げていますが、コミュニケーション能力の基本は通じる発音で話すことです。 プレゼンテーションの練習をしようと、ディベートの練習をしようと発音が通じなかったら相手は「何を言っているのかわからない」わけですからコミュニケーションそのものが、成立しません。
このコミュニケーション能力の基本となる通じる発音は中学高校の英語の授業を英語でやっても身に付きません。 それは「通じる発音で発音練習する」ことによって身に付きます。
問題を解決するには問題の所在がどこにあるのか、まず、つきとめなければなりません。 それがわからずに改革を行っても、問題は解決されないまま残ります。 どれほどお金と時間をつぎ込もうと、その原因を解決しなければ成果は上がりません。
日本人の発音は日本人の発音に慣れた外国人(日本に来る外国人)には理解してもらえますが、ひとたび、日本の外に出て、日本人の発音を聞いたことがない人には非常に聞きにくい発音です。 まったく理解できない人もいます。
留学した人たちがこの問題に気づかないのは学校では「だれだれの英語はOOだ。」ということは言ってはいけない、という建前があるからです。 私は夫の赴任でアメリカ、ニュージャージー州にいた時、イギリス英語に興味を持ったことがありました。 そこで、娘に「学校でイギリス英語を話すお友達はいるの?」と聞いたら、「お母さん、学校ではだれだれの英語はOOだ、というようなことは言ってはいけないんだよ」と言われました。
ですから、日本人がわかりにくい英語で話しても、そのことを周りから言われることはありません。 それで、留学した人も日本人の英語がわかりづらいことは気づきません。
日本人の「英語によるコミュニケーション能力」を高めるためにはまず、通じる発音の習得に取り組むのが最重要課題です。
皆さんも、東京の地下鉄(東京メトロ線)にお乗りになる機会がありましたら、英語アナウンスを聞いてみてください。 その時、
the Marunouchi Line
the Ginza Line
のLの発音をお聞きになって、自分の「ライン」の発音と比べてみてください。 「子音の日本語化」がわかります。 子音の日本語化が「L」一つにとどまるならまだしも、子音の日本語化はM、W、R、NやFなどのすべての摩擦音で起こります。 だから通じなくなるのです。
まずこの発音の問題に取り組んでください。 コミュニケーション能力は、通じない発音でプレゼンテーションの練習をしても、ディベートの練習をしても何にもなりません。
まず、発音練習によって、通じる発音を身に付けましょう。
なお、その他の子音の日本語化の例はホームページ「通じない日本人の発音」で聞くことができます。
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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。
現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。
文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。 導入されれば教育現場は大変迷惑します。 中止する必要があります。 なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。
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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。