川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

「オーイーの練習」

この前の日曜日(17日)娘といつものように歌の練習をしました。  今やっている曲はこちらのリトルマーメイドのPart of Your World という歌です。

この数週間、この曲を聞いてきましたので、17日は発声練習の後、娘に歌ってもらいました。  発音も問題なく無難に歌っていました。  そこで私がしたアドバイスは次のようなものでした。

「こういうセリフのような歌はね、言葉をはっきり伝えるように歌うの。  それには普通に話している時のような発音をしていてはダメなの。  まず、単語の最初の子音を特にはっきり聞こえるように発音するの。  それ以外の音も、言葉は全体的にしつこいくらいはっきり言って歌うの。  それで、聞いている人にはちょうど良く聞こえるの。  普通に話しているように聞こえるの。  

メロディーに乗せて、たたみかけるように、言葉を強調して歌うと、「地上へ出たい」という若い女の子のはち切れるような思いと憧れが、表現できるの。  そうやって歌ってごらん」

と、言いました。 

娘は「わかった」と言って、また歌い始めました。  今度は最初のフレーズから見違えるように曲が生き生きとしていました。  「そう、そうやって歌うの」と私が、横から言うと、娘も前の歌い方とは全然違うのがわかったようで、言葉を畳み掛けるように強く歌って、女の子の思いを表現していきました。

歌い終わった時、私が「最初の歌い方と全然感じが違うでしょう?」というと、「うん、全然違う。」と言いました。  「こういう歌は、言葉をはっきり強調する事によって、違う歌のように生き生きとして来るのね」と私は言いました。

私が「こうやって言葉をしつこいくらいはっきり歌ってみて、どこが一番疲れた?」と聞くと、娘は、両手を顔の両側に当てて、「ここ、ここ。  ここが疲れた。  口だけじゃなくて、ほっぺとか顎(あご)とか顔じゅうが疲れた」と言いました。  (もう帰国して10年たっていますので、英語を話す機会も少なくなっていたのでしょう)

英語をそれだけはっきり聞こえるように言うには、顔が疲れるくらい、顔全体の筋肉を使います。  そこまでやっても、聞いている人には、普通の発音に聞こえるのです。  歌の発音というのは、そういうものです。  歌っている方はそのくらいしないと聞いている人に言葉で思いは伝わりません。  

私は娘に、「歌を歌う時は、言葉を強く言うことにばかり注意を向けてはいられないの。  もっと気を付けることがほかにたくさんあるからね。  歌を歌う人は、言葉(子音)を強く言うことは、特に気にしなくても当たり前にできるようにしなくてはいけないの。  だから、由紀子は、今日から、「オーイーの練習」を毎日、5回やってね。」と言いました。

そして「オーイーの練習」の仕方を説明しました。  娘が「お母さん、オーイーを5回続ける間、切ってはいけないの?」と聞くので、「切ってはいけないの。  唇はガチンガチンに力を入れるんだけど、言葉は滑らかにつなげるの」と教えました。

偶然ですが、娘も7月17日から、皆さんと同じように、「オーイーの練習」をすることになりました。  これから、唇の力の変化を見ていきたいと思います。

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簡略腹式呼吸(水道管呼吸法)の練習と、「オーイーの練習」をすると

(A)ブツブツ切れる発音が
(B)強い滑らかな発音に変わります。

音声で言うと

(A)What are you waiting for ?  音声はこちらです。


   が

(B)What are you waiting for ?  音声はこちらです。


に変わります。(簡単な練習ですが、真剣にやると効果は大きいです)

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7月5日にLの長さを聞いていただきましたが、たとえ、その時、Lの長さが聞き取れなかったとしても、日常、単語の最初のLを少し長めに発音していてください。  そうすると耳が長い子音に慣れて、聞き取れるようになります。

日本人は、戦後70年、英語の子音の長さと日本語の子音の言い方の違いを聞き分けることができませんでした。  ですから70年間ずっと、日本語の子音の言い方で、英語を話してきました。  これが、日本人の英語がわかりにくいと言われてきた原因です。

けれども皆さんは、英語本来の子音の長さを、聞きとる能力を持っています。  適切な練習さえすれば、皆さんは、英語本来の子音の長さを聞き取ることができます。  そのためには、英語を話す時、単語の最初のLを少し長めに発音していてください。  

そうすると日本語の音だけ取り込むように設定されていた耳の設定が変わって英語の子音の長さが聞けるようになります。

聞けるようになると、皆さんは、今までの日本人が出来なかった英語本来の子音で、発音することができるようになります。

その時が、日本の70年の英語教育において、歴史的な瞬間だと私は思っています。

もうすぐですね。  皆さんがそうなるのは。


====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
7月17日から8月6日までの練習内容

Lの練習(2) 長いLで例文を言う 3回
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 3秒 x 5回
Wの練習(1) 普通のWで例文を言う 5回
Nの練習(1) 普通のN出例文を言う 5回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  5回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
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なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)

(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。