「長い子音」の練習のやり方についてですが、今までの練習の説明では、皆さんが、「子音を長く言う」ということに慣れていらっしゃらなかったので、「私の音声の後について、5回言ってください」と書きました。
けれどももう、やり方がお分かりになったと思いますので、最初に数回私の音声を聞いて、長い子音の言い方がお分かりになりましたら、翌日から自分一人で、長い子音で例文を5回言っていただいて結構です。 そのほうが、どこでも練習できて、やりやすいと思います。 (普通の言い方についても同様です)
たとえ、7月5日にLの長さが聞けなかったとしても、日常、「単語の最初のL」を少し長めに、発音していてください。 例えば、音読教材を使っていて、Little Long Look Like などの単語が出てきて、その前にちょっと間がある、などという時は自分で、Lを少し長く発音するようにしてみてください。
そうやって、しょっちゅう長いLを言っていると、耳の方も次第に長いLに慣れてきます。 耳が慣れて来ると、Lの長さもだんだん聞けるようになります。
耳は、「今まで、こういう長いLは、ご主人様の口から出てくることはなかったけれど、これからは、こういう長いLもご主人様の使う音の仲間に入ってきたのだ」と認識して、長さを持ったLが聞こえてきたらそのまま取り込むようになってきます。
学習する人が長いLを頻繁に発音することによって、日本語の音だけを取り込むように設定されていた、耳の設定が、だんだん変わってきます。 そうすると、次第に長いLが聞けるようになります。
お昼休みなど、周りに人がいなかったら、(それでも文章で英語を言うのは、はばかられるでしょうから)一つの単語でもいいですから、Lを少し長く発音して、LLLong LLLive などと言ってみてください。 そうやって、日常、外国語特有の子音に耳をなじませていくと、やがて、英語を聞いた時、Lがちょっと長いな、と感じられるようになります。 そして、いつの間にかそれが当たり前のLの言い方になります。
皆さんにとって、外国語の子音が、当たり前の音として、認識されていきます。 毎日の小さな習慣によって、皆さんは、母国語(日本語)にない、外国語の音を認識できるようになります。 初めて日本語の音の世界から出る時ですね。
そうやってLを長く発音していると、周りの方々が、「あなたの発音は少し違うね」と気づくかもしれません。 そうしたら、「英語の子音には少し長さがあるので、そうやって発音しているのですよ」と教えてあげてください。
私は「川合メソッド2」を営利目的に使うことはやめていただきたいと思っていますが、学習者同士の情報交換は歓迎します。 日本人みんなが、通じる子音で、話せるようになるといいな、と思っています。
それでは今日の練習に入ります。
私は、2006年にアメリカから帰って来て、2,3年の間、英語力を維持するためにいろいろな勉強会に参加しました。 そこで自分が話す英語を聞いていて思ったのは、音をつなげる唇の力が少し弱い、ということでした。
それで、どうしたらいいか考えました。 まず、頭の中で、しゃべるときの唇の動きをイメージしてみました。唇が一番小さくなるのは、口角が中央によってきた時、唇が一番広がるのは、口角が左右に広がったときです。
口角はその2つの位置の間を動きながら発音し、その口角の動きに合わせて、唇は形を変えていきます。 どの時点でも唇に力を保持するためには、この口角の動きを繰り返す間、ずっと唇に力を入れているような練習をすればよいと思いました。
それで、口角が中心によって来て出す音「ウ」と、左右に広がったときに出る音「イ」を、ずっと唇に力を入れながら、つなげて言う練習を2か月ほど行いました。
具体的に言うと、唇に強く力を入れながら「イーウーイーウーイーウー」と繰り返す練習を2か月間、毎日200回行いました。
現在は、もう回数は数えていませんが、朝起きて顔を洗う時、鏡を見ながら「イーウーイーウー」お皿を洗いながら「イーウーイーウー」気が付けばいつも「イーウーイーウー」と唇に力を入れて言っています。
これで、だいぶ、文の途中で、声が弱くなることがなくなりました。
相田さんや沢さんが強くて長いLが言えるようになってきた時、文がブツブツ切れだした、ということは以前、申し上げました。 ブツブツ切れる原因の一つが息の強さなので、持続して、強い息が使えるように、水道管呼吸法をやっていただきました。
けれども、ブツブツ切れる音をつなげるには、息を強くするだけでは解決しません。 音をつなげて発音できる唇の強さをつけることが必要になります。
それで相田さんに「イーウーイーウーイーウーイーウーイーウー(5回)」と唇に力を入れて音をつなげて言ってください、と申し上げたら、「イーウーは言いにくいです」と指摘がありました。
それで、口角が左右と中心を移動できるほかの言い方を考えて、「オーイー」はどうですか?とお聞きしましたら、そちらの方が言いやすいということで、「オーイー」と5回言っていただくことになりました。
これが今日から、皆さんにやっていただく練習です。 唇に強く力を入れたまま、音を切らないで、「オーイー」を続けて5回言ってください。
口角を下げないために「イー」の時に前歯がきれいに全部見えるようにします。 続いて、口角は歯にびったり添わせるようにして、中心に寄せてきます。 どの時点でも、唇には、強く力を入れていてください。 特に口角が、左右に広がったところから向きを変えて中央により始めるその時に、力を抜かないで、意識して、力を入れるようにするのがポイントです。。
なおこの練習は2か月後に実際に英文をつなげて言う「Where are you?」の練習に変わります。
「オーイー」は「オ」と「イ」2つの音をつなげて言う練習ですが、次の「Where are you?」の練習で、実際に英語の音をつなげてしゃべる練習をします。 「オーイーの練習」はその準備練習となりますので、この練習で「唇に力を入れながら、同時に音をつなげて言う」という感覚をつかんでください。
沢さんは「Where are you?」の練習に入った当初、唇に力を入れて英語をしゃべると、ずいぶん英文が切れました。 ブツブツ切れるというよりは、「空間が空く」というくらい切れました。 少しでもそうならないために、オーイーの練習で、「唇に力を入れながら同時に音をつなげてしゃべる」感覚をつかんでください。
6月1日のブログに「川合メソッド2」練習前と練習後の沢さんの発音を載せました。 私は沢さん自身にもこの比較を聞いていただきました。 彼女は、自分の録音を聞いて、「練習前の発音は音がブツブツ切れている」といいました。 この練習前の沢さんの発音を聞いて、「音がブツブツ切れている」と感じる日本人の方はあまりいません。
なぜならこれは、日本人の普通の英語のしゃべり方だからです。 ほとんどの方はこの発音を聞いても、あまり違和感がないと思います。
沢さんがなぜ音がブツブツ切れていると感じたかというと、唇の力を強くして音をつなげる練習をしてきたからです。
「オーイーの練習」をしている時は、唇はもちろん、舌、口蓋などの口の中、頬(ほお)、あご、などの顔の筋肉、それにつながる首の筋肉などにも、力が入っているのがわかります。 もっとよく観察すると、胸の肋骨の下あたりの筋肉や、おなかにも力が入っています。 私は、立ってやるときは、口角を左右から中央に寄せてくる時に、お尻の筋肉を左右から中央に縮めてくるようにしてやっています。
なぜここまで力を入れるのかと言いますと、5か月目から英語の音質で話す練習が始まります。 その時、軟口蓋を上げて鼻腔への通路をあけていきます。
軟口蓋を上げる、つまり、口の中にあるものの位置を変えることは大変なのですが、こうやって口の内外の筋肉を鍛えておくと、軟口蓋を上げやすくなります。 これは沢さんに指摘されてわかったことでした。ですからめいっぱい唇に力を入れて「オーイーの練習」をしてください。
この練習は音声がなくても、出来ると思いますが、一応、私の音声を載せておきます。
音声はこちらです。
「川合メソッド2」の練習終了後、沢さんにお会いした時、彼女は「練習終了後は、顔全体を使って英語を話すようになりました」と言っていました。 それはこの練習の結果ですね。 この練習によって発音に使う様々な筋肉全体が強くなりますので、明瞭な発音が出来るようになります。
私たちは日常生活で英語を話しているわけではありませんので、普段英語を話していない人のための筋肉トレーニングが必要になります。
====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
7月17日から8月6日までの練習内容
Lの練習(2) 長いLで例文を言う 3回
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 3秒 x 5回
Wの練習(1) 普通のWで例文を言う 5回
Nの練習(1) 普通のN出例文を言う 5回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う 5回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う 5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
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なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)
(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。
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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。
現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。
文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。 導入されれば教育現場は大変迷惑します。 中止する必要があります。 なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。
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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。