川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

大事なのは正確な発音

私が生徒さんとレッスンするとき、一番大事だと考えているのは正確な発音です。正しい発音と言うのはネイティブっぽく聞こえる発音と言うことではありません。正しい発音にはちゃんと「判断の基準」があります。正確な発音と言うのは以下の2つが出来ていることです。

1.母音を区別して発音することが出来る。

たとえばhard と herdを区別して発音することが出来る。 
「一生懸命に(hard)」も「牛の群れ(herd)」も同じ発音では聞いている人は困ってしまいます。
また、単語一つ一つを母音を区別して発音できるのでは不十分です。文章の形で母音を区別して発音できるようにしてください。

2.子音が相手に聞こえるように発音できる。

多くの人は「自分は子音をちゃんと発音している」と思っています。それを確かめないで、そう思い込んでいます。ぜひ、自分の英語を録音して聞いて確かめてください。日本語と同じに発音された子音は相手には聞こえません。

日本人の英語に慣れているアメリカ人なら理解できるかもしれませんが、アメリカに行ってアメリカ人ばかりの中で話したら、日本語と同じ子音の言い方では、最初の子音は聞こえません。アメリカ人たちはあなたがなんと言っているのかわかりません。

だから、自分の発音を録音してモデルの発音と比べてください。「言っているつもり」でも、録音して比べてみると、ほんの少ししかそれらしい音が聞こえません。それでは、しっかり聞こえる子音に慣れているアメリカ人には聞こえないのです。

「破裂音の場合は息が強いな、摩擦音の場合は息も強いけど、もうちょっと長く言っているな、」とか実際に自分の発音とモデルの発音を比べるとわかるのです。そうしたら、それと同じに聞こえるように練習をしていきます。日本語の子音とは違う英語の子音の言い方を練習していきます。

そのとき息をどのくらい出せば、同じに聞こえるかは人によって違います。だから自分はどう発音したら、モデルと同じ音になるかは、「自分で」やってみないとわかりません。正しい発音の仕方を習ったら、そこから先は自分でする作業だと知ってください。



母音、子音について、上の2点が出来ていなくて、ネイティブっぽい声で発音しても、英語は通じません。だから英語を話しているのに英語字幕が出るようなことになってしまうのです。(8月15日のブログ「シャドーイング2」に書いてあります。)ですから発音練習するときはこの2点に気をつけて練習してください。

それから、発音練習をするときには背筋を伸ばして姿勢を良くしてください。おなかにたくさん空気が入りますので、しっかりした音が出ます。私はレッスンの時には背筋を伸ばして、生徒さんの対面に座ります。そして、おなかに空気を入れて、おなかで支えて発音します。すると、発声練習を2,3ヶ月した生徒さんは、何も言わなくても私と同じ姿勢になってきます。そして、おなかでしっかり声を支えるようになってきます。

正しい姿勢で、しゃべると、「自信を持ってしゃべっている」という印象を与えます。自信なさそうなしゃべり方だと相手の信頼も得にくいので、背筋を伸ばして、自信を持ってしゃべってください。


発音の基礎を身につけるときには、演説のような気張ったしゃべり方でなく、普通にしゃべった文章を使ってください。普通の会話文は、イントネーション、リズム、単語のつなぎ目など、文全体がとても滑らかです。

こういうなめらかな口の動きで文全体を発音する練習をしていると、スピードを上げていく練習にそのまま入れます。

ぶつぶつ英語が切れる日本人には、演説のような言葉を強調するしゃべり方より、最初から最後までなめらかにつなげるしゃべり方のほうが、ずっと訓練がいります。そのあと、ナチュラルスピードで話す練習につなげるためにも普通の会話文を使って練習してください。

ひとつの音から次の音に変わるとき、口の中で舌が動いて、歯茎と擦れ合うような音まで、ヘッドフォンでじっと聞いてください。そうすると、つながる音をしゃべるとき、口の中がどう動いているか手に取るようにわかってきます。

会話の文章を発音練習に使っていると、単語を変えればそのまま実際の会話に使うことも出来ます。とっさに話しかけられて、練習した文をそのまま言えるようなときもあります。発音練習は普通の会話文を使ってください。




* * *


====================================


高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

====================================

英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)






高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

* * *

何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

* * *

* * * 


クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。