川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

私が体験した「リズムの違う言葉は聞き取れない。」

3月20日のブログ(20年前、初めて日本人の英語は通じていないと知ったときhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20120320 )と4月4日のブログ(日本語のリズムで話された英語は、英語には聞こえない。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20120404 )で、日本人の英語は英語には聞こえないと皆さんにお話しました。今日は私自身の「リズムの違う言葉は聞き取れない。」と言う体験をお話したいと思います。



はてなダイアリーから、はてなブログに移行したとき、音声ファイルの移行ができませんでした。 この音声ファイルが残っていましたので、同じ内容を文章で書きますので、参考になさってください。



3月20日のブログと4月4日のブログで「日本語のリズムで話された英語は通じない」と皆さんにお話をしました。今日は私自身が英語のリズムで話された日本語が理解できなかった体験をお話します。

もう20年以上前ですが、私が働いていたオフィスはスタッフのほとんどがアメリカ人でした。 そのオフィスにはいろいろな国の支社から電話がかかってきました。  ある日スタッフの一人、シュルツさんが私のところに来て話していたときにホンコンのオフィスから電話がかかってきました。  当時、ホンコンのオペレーターは電話をかけてきたときに「ホンコンから電話です」という意味で、「ホンコンコーリング」といいました。 (ここで私はホンコンのオペレータの真似をして、「ホン」が低く「コン」が高く「コ―」を低く、「リング」を高く発音しています。 つまり、「低、高、低、高」となるイントネーションで真似をしました。)

英語ですが、中国語のリズムとイントネーションによく似ている英語でした。  私はシュルツさんに「ホンコンからお電話です」といって受話器を渡しました。  シュルツさんは少しの間電話を聞いていたのですが、急に私に受話器を返して、「It's Chinese.(これは中国語だ)  君、聞いてくれる?」といいました。  もちろん電話は英語です。  私はホンコンからの電話は何度も受けていましたので受話器を受け取って代わりに電話を聞いてその内容を後てシュルツさんにお伝えしました。  

私は学生時代からネイティブというのはかなり訛りのある英語でも聞き取れるものだと思っていましたので、この時はちょっと意外な気がしました。  現にほかのスタッフは訛りの強い英語でも聞き取っていましたので、「シュルツさんはどうして理解できないのかな?」 と思いました。  けれども、それから15年たって私はシュルツさんが聞けなかった理由を自分で体験しました。

夫の仕事でニュージャージーに赴任していたとき、急用で私だけ日本に帰国しなければならないことがありました。  ニューヨークのケネディ空港で搭乗手続きをして一人で出発時間まで待っていましたら、日本の航空会社のカウンターからたくさんのお客様の名前が呼び出されました。 アナウンスしていたのはアメリカ人でした。私は最初の3人くらいは何とか名前を聞き取りましたが、その後は日本人の名前なのに、聞き取ることができませんでした。  

なぜ聞き取れなかったのかというと、日本語には日本語のリズムがあります。  等間隔にタッタッタッタというようなリズムですね。 私は無意識にそういうリズムで音が聞こえてくると予想して聞いていたわけです。  ところがアメリカ人が読み上げた日本語は私が音が来ると思ったところで音が来ないのです。  それで次の音は何かとじっと耳に集中して聞いているとやっと次の音が言われました。 けれどもその音は日本語では普通言われないほど大きかったり引き延ばされたりしていて、前の音とどういう風につながって何と言う苗字になるのか、すぐにはわかりませんでした。  

それを考えているうちに今度は日本語では普通言わないほど音が塊で速く聞こえてきて、いったいどこで切ればいいのかわかりませんでした。  それを考えているうちにアナウンスはどんどん先に行ってしまって、もう名前は途中で聞き取れなくなりました。  この時は、「リュウタロウさん」とか「ヒュウガジさん」とか長い名前の方が多かったからかもしれませんが、途中でついていけなくなりました。 

リズムの違う日本語を聞き取るというのは「予想していたところに聞こえていなかった音」を意味の通る日本語に頭の中で組み替えることに自分が振り回されることなのですね。  これはとても疲れました。  その時に「ああ、シュルツさんがあの時に「君、聞いてくれる?」といったのはこういうことだったのだ」とわかりました。

ネイティブが無意識に持っている英語のリズムのパターンにぴったり当てはまるように英語を話すということはとても重要なのだ」ということがよくわかりました。  リズムが違うと相手はついていけないのですね。  

リズムを身に着けるには文章で発音練習する必要があります。  単語だけの発音練習ではリズムの習得は出来ませんので是非皆さんも文章の形で発音練習をしてください。  皆さんにとっては新しい発音練習の仕方になると思いますが、文章を英語のリズムで話せれば英語は通じます。 ぜひやってみてください。 (LS108279)

(2021年9月3日 私が本を出版したころは、発音練習といえば、単語で行うのが普通でした。 それでは文章になった時に発音についてもいろいろな問題がおこってきます。  例えば、Fの摩擦が聞こえない。 言いにくいWの音が聞こえない等。 また、次に言う単語が出てこなくてリズムやイントネーションが乱れるなど、いろいろな問題が生じてきます。 それで、文章で発音練習する重要性について述べました。)




皆さんにも、リズムの違う言葉は聞き取れないことがお分かりいただけたと思います。

リズムとイントネーションはこんなに重要なのに、今まで、ほとんど練習されないまま来ました。

ですから、日本人の英語は通じないままでした。 

単語だけの発音練習はもうやめてください。リズムの習得ができないので、通じる発音を身につけるためには、役に立ちません。

発音練習の最初から文章(あまり長くない会話の文が適しています。 長文や演説はリズム全体を初心者が把握できませんので、不可です。)で発音練習をして、ぜひ通じる英語を身につけてください。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。