川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

会話文で練習する重要性(1)

私は発音練習は会話の文章を使って行ってくださいとずっと言っています。理由は会話の文章には英語のリズムが生き生きと表れているからです。どんな会話の文章も同じような、英語特有の強弱のリズムで言われています。

また、会話の文章は短いので、初心者でも、最初から最後までリズムやイントネーションを把握できます。リズムとイントネーションは文を最初から最後まで言ってみて完結しますので、全体を学習者が把握できないと練習になりません。

いろいろな会話文で練習していきますと、初心者の方は無意識のうちにたくさんの会話文に共通する英語の典型的なリズムのパターンを認識していきます。つまり学習する人は個々の会話文の練習をしながらその過程で、たくさんの会話文の中に共通する英語の典型的なリズムのパターンを体得していくわけです。これがとても重要だと私は考えています。

そういう練習を続けていくと、自分の発音の録音を聞いたときも、いつも聞いている英語のリズムと違う所があったとき、聞いた瞬間に、違うとわかるようになります。

長文で発音練習を行った場合、長文にはいろいろな読み方があります。物語などの場面によってはほとんど抑揚のない場合もあります。演説などでは普通の会話なら瞬時に言ってしまう、and I などと言う言い方が長く強くなるときもあります。

そういう場面によって様々に変化するしゃべり方を初心者の最初の発音練習に使いますと、いつまでたっても、初心者は典型的な英語のリズムのパターンを認識しません。「これが英語のリズムだ」と言う感覚が学習する人の中に出来上がりません。

私は教材を上手に言えるようになれば文章は何でもいい、とは考えていません。練習の過程で、「英語の典型的なリズムとイントネーションを体得する」という大きな目的がありますので、そのために最も適した会話の文章で発音練習をしてくださいといっています。

生徒さんは気づかなくても教師には教師の理由があって教材を選んでいます。生徒が無意識に蓄積していくものを考慮に入れて教材を選びます。

不意に英語で話しかけられて答えようとするとき、ぱっと頭に浮かんでくる英語、それは自分が最もたくさん練習した英語になります。演説のような英語がぱっと浮かんでも、流れるような英語は話せません。この観点から言うと、英語の歌は使いません。 歌は正しい発音習得後、楽しみに歌ってください。発音教材にはなりません。理由は、英語学習に役立つ過去のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110531(1)をご覧下さい。お読みになれば、本当に生徒さんの発音向上だけを考えている教師はもはや英語の歌は発音教材として勧めない、とご理解いただけると思います。

流れるように滑らかな英語、典型的な強弱のリズム、これがぱっと頭に浮かんでくるようになってほしいので、初心者の方には「会話の文章で練習してください」と言っています。最初に習った英語は、20年、30年たってもその英語が耳の中に残っているという人も多いです。「英語」と言われたときに真っ先に頭に浮かぶ文章―これが、流れるように滑らかな英語であってほしいという気持ちから、川合メソッドでは、会話の文章を発音練習に使っています。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。