川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

発音能力(3)

今まで2回に分けて、川合メソッドの考える発音する力、「発音能力」について、皆さんにお話してきました。いかがでしたでしょうか?

会話でしゃべる時の文章の形は数え切れないくらいあります。その文章の発音一つ一つを全部誰かに教わることは不可能です。けれども、自分の耳で聞いて、聞いたように話す訓練をすれば、ある話題について話されたいろいろな英語を聞けば、自分もそれと同じ発音で話せるということです。

「あなたが軟口蓋を少し上げて発音してみた。 そうしたら、ずいぶん響きがネイティブに似て聞こえた。その後、今度は軟口蓋をドーム型に上げるのではなく、平らな形を保ってあげたら、さらにきれいな響きだった。」こういう体験は、自分の口の中を変化させたあなたが、自分の耳で出てきた音を聞くから、「口の中をどうすればどういう音が出るか」という原因と結果がわかるのです。

外から見ている他人には、あなたの口の中の変化と出てきた音の関連は分かりません。なぜなら軟口蓋は他人には見えないからです。発声器官の変化とその結果出てきた音の変化を結び付けられるのは、発音している本人だけです。 

お手本と同じ音をだそうとしたとき、「口の中をこうしたらこの音が出るのではないか」といろいろ口の形を変えてその音が出る場所を特定できるのは発音している本人だけなのです。つまり、聞く機能と発音する機能はつながって同じ人間の中で働かなければならないということなのです。

Rの発音がどんなに難しかろうと、THの発音がどんなに難しかろうと、発音することを誰かにやって、と頼む人は一人もいません。話すことは自分でしなければならないと誰でも知っているからです。

けれども、聞くことも、話す機能を持った同じ人のからだの中で行われなければならないのです。 どんなに聞くことが難しくても他人にやらせたら、あなたの口の働きには何の役にも立たないのです。

ただ、皆さんが思っているほど聞くことは難しくはありません。皆さんが難しいと感じるのは、ネイティブ個人個人の発音に捕らわれるからです。ここで2012年5月6日のブログをもう一度お読みください。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20120506「ネイティブはいろんな人がいろんな発音をしてどの音なのかよくわからない」と言う生徒さんの質問に対する私の答えを思い出してください。

その生徒さんに、私は灰色の円の中の黒い部分の話しをしました。 

私は13歳のときからネイティブの発音と自分の発音を比べて直すという練習をしてきました。 今までに比べた音は何千個、何万個と言う数になると思います。

そうやって、多くのネイティブの発音を聞きながら、その中に共通する一つの音の特徴を感じるようになりました。それが、5月6日のブログで言っている灰色の円が重なる黒い部分です。 この黒い部分の特徴は、私がDVDの中で各音の特徴として説明しています。 

外国語の発音を勉強する時には、母国語のようにたくさんの量を聞けるわけではありませんので、聞くのにも、話すのにも、ある種のコツがいります、

私がDVDの中で説明している各音の特徴を自分の発音で言えるようにすること、聞けるようにすること、それがそのコツです。そうすると、英語は通じるように話せます。また、お手本の発音と自分の発音を聞き比べる時のポイントが分かります。


私は、「40年間英語学習をしてきて分かったこと」を全部、私の本やこのブログ、ホームページの発音のヒントで皆さんに公開しています。皆さんがたくさんのネイティブが話す音の中から、共通する音の特徴をつかむためにこれから試行錯誤するのは大変な時間がかかると思います。

試行錯誤の部分は私が40年やってきましたので、皆さんはどうぞ、そこから先の発音を身につける訓練に自分の貴重な時間をお使いください。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。