川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

ネイティブも美しいと思う英語

これまで、日本人の英語について言われたことで私が知っているのは、

日本人の英語は通じない
日本人の英語は流暢にしゃべっていても何を言っているのか分からない

そして、ごく親しい人から内々に聞いたのは

面と向かって何も言わないけれど、みんな陰で、日本人の英語を笑っている

本当に、悲しいことばかり聞いてきましたが、先月の初め、私は以前、発音を教えていた生徒さんからとてもうれしいことを聞きました。

私が過去に発音を教えた生徒さんで、エステティシャンになりたいという方がいて、昨年の10月からアメリカのニューヨークにあるエステティシャンの学校に通っています。

アメリカでは各ステイトがおこなう試験に合格すると、エステティシャンとしての資格が与えられます。彼女もそれを目指して、今、学校に通っています。

12月1日、私は彼女とスカイプで話して近況などを聞きました。学校の教科書も見せてもらいました。 最初のほうはまるで解剖学の教科書のように、顔の細かい筋肉まで、百個近くある名前を覚えて、全身の筋肉の名前も覚えて、その上、たくさんある骨の名前も覚えて、毎日テストがあり、本当に大変なようでした。

「良くがんばっているのね」と私が感心していると、彼女が、「先週とてもうれしいことがあったんですよ。」と言って次のような話をしてくれました。

授業が終わって、ロッカーのところで、帰るしたくをしていたら、同じクラスにいるアメリカ人が彼女のところに来て、「あなたはボイストレーニングかなにかしているの?」と聞いたそうです。彼女のクラスでは授業中、生徒が順番にテキストを読むのだそうです。それで、そのアメリカ人が、「あなたが教科書を読むとき、英語がとてもきれいだし、声もとてもきれいだけれど、ボイストレーニングか何かしているの?」と聞いたそうです。

私もそれを聞いてとてもうれしくなりました。この生徒さんが、発音を習いにいらしたのは、英語が一度でネイティブに通じないからでした。そのときは、舌の位置も高かったですし、母音も区別して発音できませんでした。声も他の人と変わらない普通の声でした。

それが、川合メソッドで発音を学んだ今は、正確で通じる発音になったことはもちろんですが、「ネイティブもきれいだと思うような英語」を話すようになったのですね。

彼女に英語がきれいだといったアメリカ人はdermatologist、つまり皮膚科のお医者さんになる勉強もメディカルスクールでしている人だったそうです。そういうきちんとした英語を話すアメリカ人もきれいだと思う英語を彼女は話していたのですね。私もとてもうれしく思いました。

そのあと12月29日にこの生徒さんからまた、メールが来て

先生にご報告です。
今度は別のクラスメートに、「あなたのヴォイスはアクトレスみたいに聞こえる。
私は、あなたがテキストを読む時は楽しみにして聴いていたのよ。」
って言われました!!

と書いてありました。 これもとてもうれしかったです。女優さんのような英語で話しているということですね。何よりそういう英語を話すことによって、彼女がアメリカ人ばかりのクラスで自信を持って、勉強していることがうれしかったですね。

日本人は、適切な練習方法さえ提示されれば、ネイティブに通じる美しい英語を話す資質も能力も十分持っているのです。今まではそうなるための方法を知らなかっただけなのです。自分の耳を使わず、「先生(あるいはネイティブ)から言われたとおり発音すれば間違いない」と言う思い込みのために、今のように通じない発音になってしまったのです。

臨界期仮説のもとになった調査では、幼児期を過ぎて英語圏に来た人達については発音のために何か特別なことをしていた人たちが調査の対象となったわけではありませんでした。  特に「耳の聞く力を上げる」という訓練を受けた人たちが調査の対象となったわけではありませんでした。  

耳の聞く力を鍛えて発音を習得すると大人でも「ネイティブも美しいと思う発音」で英語を話すようになるのを私は見ていますので、臨界期仮説を信じて、大人はネイティブ発音にはならないと初めから思い込む必要はないと思っています。

川合メソッドでは、耳の力を鍛えて発音を習得します。  すると、通じる事はもちろん、ネイティブも美しいと思う英語を話せるようになります。 

通じるようになる秘訣は有機的につながる「耳、口、脳」を一体として訓練する練習方法であること。
真似をするだけでなく、フィードバックのステップがあること。
美しい発音になる秘訣は発声練習です。 (***注1)

本格的な声楽の発声練習を英語の発音習得に取り入れたのは川合メソッドが初めてだと思います。 メソッド提唱者が声楽の発声法を

「自分自身で」

皆さんにお見せしているのも初めてだと思います。
しかも、その発声練習は舞台に立つプロのオペラ歌手が行っている発声練習です。(***注2)

私はそれを英語学習者用に、「音域を下げて、フレーズを短くしました」ので、効果は同じで、無理なくできる発声練習になっています。

発声練習は、日本では住宅事情もあって場所の確保が大変だと思いますが、

Where there’s a will, there’s a way.

ですから、どうぞ、工夫をして行ってください。英語が見違えるように変わります。 「日本人の話す英語は、どの人もわかりやすく美しい」そういわれる日を夢見て、これからも皆さんの発音習得に役立つことをお話していきたいと思います。

ネイティブも美しいと思う発音で英語を話すことは夢ではありません。十分可能なことです。 ぜひ発声練習と発音練習をあわせておこなってください。

(***注1)  2016年10月2日のブログより発声練習をしなくても鼻腔への共鳴ができるようになる練習を提示いたしました。
(***注2)  声楽の発声法と英語の発声法は鼻腔への通り道を開けるところまでは同じですが、その先が少し違います。  感覚的に言うと、声楽は「鼻腔に共鳴させた後、声の通り道を全開して額や頭に響かせる感じ」。  英語は「鼻腔に共鳴させた後、その空間にふたをして、閉じた空間で響かせる感じ」そういう違いがあります。  私は、DVDの発声練習は英語の発声法で行っていますので、そのまま真似していただいて大丈夫です。


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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。