川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

声の量

美しく響く発声のポイントは、口の奥にゆで卵を立てて入れたように上下の間隔を大きく取ることです。 口の奥の柔らかい天井の部分を上に引き上げて発音してみてください。音質が変わるのが分かると思います。天井の部分を引き上げると、舌の付け根もぐっと下に下がります。(天井を上げると下も下がるというのはちょっと不思議ですね。) 発声練習をすると、こういう風に口の奥の空間の形が変わってきます。

高校生のころ、一番最初に声楽を習った先生から「声は口の中の柔らかい肉の部分に当たっても響きません。 硬い部分に当たると良く響きます。」と教わりました。 ゆで卵を立てて口の奥に入れるように大きく縦に開けると、やわらかい肉の部分が引き伸ばされて、硬い部分の面積が増しますね。だからよく響く声になります。

ところで、私は最初の本の中で、「日本人の英語は、母音が短くちょこちょこ切れます」、と皆さんにお話しました。
英語の文章をしゃべったときの声の量を線で表すと母音が短くちょこちょこ切れる日本人の声はAの破線のように聞こえます。 ネイティブはつながって聞こえますので、声の量はBの実線のように聞こえます。

  Please leave your message after the tone.    英語の文章
A  − − − − − − − − − − −  日本人の声
B  _____________  ネイティブの声


AとBを比べると、Aの声の量はBの半分ぐらいに感じられます。声の量が少ないと、話したときに相手に与えるインパクトも少なくなります。

つなげてしゃべる努力をすることは大事ですが、今まで日本語を話してきた人がBのようなしゃべり方をした場合、そのままの声の出し方では、やはり息が足りなくなります。

かといって息をたくさん使おうと腹式呼吸の練習だけしても、Bのようにはしゃべれません。腹式呼吸でたくさん吸った息を声に変える訓練をしていないからです。強い声を出そうと本人が一生懸命なのはわかりますが、力んで、「声に転換できなかった息」がもれたように聞こえる英語になります。聞いていても、「力んで、無理しているなあ」と言う感じを受けます。

腹式呼吸をして、たくさん吸った息を声に変えるところまで、一括して訓練しないとだめなのです。

そこで、腹式呼吸をしながら声を出す発声練習が必要になります。 しかも発声練習をすると、今日の発音のヒントで体験していただいたように、声そのものの音質が、美しく変わってきます。ぜひ、発声練習を毎日の発音練習に取り入れてください。 

声と言うのは、体のどこかの筋肉をひとつ二つ、訓練したところで、まったく変わりません。

人間の体と言うのは息を吸うところ、声を出すところ、響かせるところ、など、すべてが一体となって声を作っているわけですから、どこかの筋肉を一つ二つ訓練したところで、他の部分が変わらなければ、出てくる声は変わらないのです

ぜひ、声を出す仕組全体を鍛える発声練習をして、ネイティブもきれいだと思う発音を身につけてください。

日本人は適切な練習方法さえ提示されれば、「通じる、ネイティブも美しいと思う英語」をしゃべる「資質」も「能力」も十分に持っています。(1月9日のブログ「ネイティブも美しいと思う英語」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130109を参照してください) 今までは、そうなる練習方法を知らなかっただけです。先生(あるいはネイティブ)の言うとおり発音していれば、間違いないと言う思い込みから、自分の耳で発音を聞こうとしなかったため、今のように通じない発音になってしまったのです。

通じる英語は自分の「耳、口、脳」を一体として訓練していくことによって身につきます。
そして美しい発音は、発声練習をすることによって、身につきます。

ぜひ、川合メソッドでネイティブも美しいと思う英語を習得してください。

* * * 英語学習のヒント * * *
「学習」と言うのは、いつの時代もお金をかけなければできないというものではありません。英語学習も同じです。お金をかけなくても役に立つ英語は十分習得できます。私の周りにいる人たちは、自分で教材を選んで、自分で英語を勉強してきた人が多いです。 OLだったころの私もいつも一人で勉強していました。(ブログ「OL時代」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110925「OL時代の思い出4」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20121204に書きました)

英語は自分で身につけていくことが出来ます。特に発音は自分の耳、口、脳を使って習得することが重要です。静かなところで、一人でじっと音と向かい合ってください。  じっと音を聞くことによって、「完成度の高い発音」は自分の中に形成されます。 私は川合メソッドで、「完成度の高い発音」を目指し、自立した学習をしている人をいつも応援しています。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。