川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

有機的につながる「耳、口、脳」を一体として訓練する発音練習

私は2012年11月2日のブログ「脳による認識(Rの発音―その2)」で、次のように書きました。

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音を比べることは耳の仕事のように見えますが、皆さんが音を比べて「英語のRの音が日本語の子音より長い」と分かったとき、「英語と日本語の子音の違いを認識した」ことになります。 そして、皆さんもご存知のとおり、「認識する」というのは、もはや耳の領域ではなく、脳の意識活動の領域に入ることです。 Rの長さの違いを認識した脳は、今度は皆さんが発音するとき、語頭のRを長く発音するよう、口に指令を出します。だからこそ発音が正しくなっていくのです。 
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真似をするだけの発音練習では発音は良くなりません。自分自身は聞いた通りに発音していると思っていても、自分の発音とお手本の発音を比べてみると、違っているところがいくつもあります。(違いは今の時点で全部分からなくても大丈夫です。)どこが違うかチェックするステップ(フィードバック)がないと、自分の発音が違っているところに気づきません。それではいくら練習しても通じる発音は身につきません。

以前、私はある政治家の方の最初の国際舞台での英語の演説を聞きました。大変お上手でした。英語で言っていることも、よくわかりました。 けれどもそれからちょっとして、やはり国際舞台での2回目の演説を聞いたとき、今度の演説は最初の演説に比べて、単語の最初の子音が弱く、短く、とても聞きにくい英語でした。終わりのほうは、もう、単語の最初の子音が聞こえないので、なんといっているのか分からなくなってしまいました。

このとき思ったのは、自分の発音とモデルの発音のどこが違うかを「自分が」自覚しないと、根本的に通じる発音には直せないということです。 指導のネイティブや先生はこうしなさい、ああしなさい、とアドバイスをしてくれるでしょう。 先生に集中レッスンしてもらって言われたように発音すれば、そのときは発音が良くなったように思えるでしょう。でも、ただ言われたとおりに発音するだけで、「自分の発音がなぜ聞きにくいのか」その理由を本人が自分の耳で聞いて自覚しなければ、発音は根本的には直らないのです。

真似をするだけ、あるいは先生に言われたとおり発音するだけでは、通じる発音は習得できません。自分は発音を100%聞き取っていると思っても、実際の音の通り聞き取れていないところはたくさんあります。(それが日本語の癖として、自分の発音に出てきます。)自分の発音を録音して聞き、何がモデルと違うかを自分が分かるようになることは発音を通じるようにするためには必ず必要なことです。

自分の発音を録音して

自分の「耳」で聞き、モデルとの違いを
自分の「脳」で認識し、同じ発音にするには、こう変えたほうが良い、と
自分の「口」に指令を出すことによって正しい発音は習得されます。

言語を習得する際の人間の「耳、口、脳」は有機的につながって一体として機能します。耳や、脳のすることを他人にやってもらって、自分はいわれたとおり口だけ動かしているのでは、いつまでたっても通じる発音は身につかないのです。

口だけで、人は言葉をしゃべっているわけではありません。口に言葉の音声が出てくるまでに、音声を聞き取って同じように発音するにはどう口を動かしたらよいか考え指令する、耳と脳の存在があるからこそ、その音声はそういう音で口から出てくるのです。耳と脳の訓練を省略して、通じる発音習得はできないのです。皆さんもご存知の通り、人間が音声を聞ける器官は唯一、耳だけなのです。(11月19日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20121119)耳を除外した音声の習得はありえないのです。

川合メソッドでは有機的につながる、この「耳、口、脳」の働きを一体として訓練していきます。だからこそ、正しい発音の習得が可能になるのです。従来のように真似をするだけでなく、「自分の発音はどこが違っているのか自覚するステップ(フィードバック)」が練習に取り入れられているので、通じる発音が身につけられるのです。

詳しい仕組については「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」をご覧下さい。こちらで中身が見られます。http://www.seya-shuppan.jp/book/26-9.html



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。