川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

自分で音と向き合う

何かするとき、自分がちょっとやってできないから人にやってもらう、やっぱり自分ではだめで人にやってもらったほうがよくできると納得する。

これが多くの場合起こることだと思います。

でも、誰にも何とかしてもらえない人は、しょうがないからそこで自分でがんばります。 ちっとも良くなっているようには見えなくても自分で努力を続けて、そこでがんばるんですね。

そうすると、外には見えなくても体の中で、少しずつ育ってきた力が外に現れてきます。 私にメールを下さった1月5日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130105、8日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130108のブログで紹介した方もそうでしょう。アメリカで、一人、誰にも頼れず、自分で練習を続けていらしたのでしょう。そして一ヶ月続けて母音と子音が区別して聞こえるようになったのでした。 

アメリカで、たった一人で、一ヶ月間、目立った変化を見ることができなくてもじっと、練習を続けていらした努力はすばらしいと思いました。 異国の地で、たった一人で、目立った成果が感じられなくても自分を信じて努力することがどれほど大変なことか、1年も2年も朝から晩まで勉強しても、英語ができずに、時には学校で、こぶしを握り締めて泣くのをこらえて、やってきた子供たちをそばでずっと見てきた私には良く分かります。

自分で聞くことをあきらめて他人に発音を聞くことを任せてしまうと、それで、早く上手になったようにみえますが、実は発音習得上、最も大事なものを失うことになります。それは耳の力です。 他人に言われたとおり発音練習するだけになると、もう耳の力は開発されませんので、Sが持続する音だ、などと言うことにも自分で気づくことはなくなります。 

成果が見えないときは、迷いも出るかもしれませんね。私などは幼かったので、1年以上姉が聞くに堪えないような発音をしていても、「出来ないから練習しているんだもん」、などと思っていましたが、迷う方もいるかもしれませんね。 でも、ちょっと我慢してくださいね。すぐに誰かに頼らないで下さい。すると皆さんの中にある底力が出てきます。広辞苑で底力を引くと、「底にひそんでいて、いざと言うときに発揮する強い力や能力」と書いてあります。

今の時代、あまり底力を使わなければならないような状況はないですね。 私はOL時代のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110925に書きましたが、それまでは困難な状況に直面すると、泣いてばかりいました。一人で、困難な状況を何とかしなければならないという立場にいやおうなくたたされて、がんばっているうちに、めげない自分になりました。いろいろなことを処理する力もつきました。

その時「やってみなければ自分がどんな能力を持っているかなど分からないんだなあ」と思いました。 でもそれが、すんなりできたわけではありません。先日古い本を整理していたら1982年に自分が書き込んでいたノートが出てきました。私は仕事で、うまく行った時も行かなかった時も、その原因と結果を整理して、日付を書いてノートにまとめていました。 自分のしたことと結果の良し悪しの因果関係を自分なりに、時には図で書き表して、まとめていました。

そのノートの中に、「誰かの庇護の下で仕事をしたい」と書いてあったのを見ました。やはり、20代半ばの私には、当時の仕事は相当きつかったんだなあと思いました。でもその数日後に「そういうことを言っていると、実力はつかない」と一行、また書いてありました。 そうやって、逃げたくなる自分をがんばらせていたんだなと思いました。

成果が見えずに迷うときもあると思いますが、少し、がんばってみてくださいね。 誰かに「努力のいること」を丸投げしないで、自分でやり続けてみてください。 時には、「とにかく続けてみよう」と思ってくださるだけでもいいです。「継続は力なり」です。 すると、自分の中に眠っている能力が、目を覚まします。 誰にも頼れなくなったとき、本当の自分の能力が目を覚まします。

中学の時、私が尊敬していた歴史の先生が、授業でこんな話をされました。「幕末から明治維新にかけて、日本人は今まで経験したことのない国の危機に直面した。その時、国の将来を決めることに自分をささげた人は、身分の高い人もいたけれど、下級武士の子供だった人が多かった。彼らは、小さいころから大変なことに直面したとき、「誰かやって」とか「どうしたらいいか誰か教えて」とか、いえない人たちだった。困難に直面したとき、自分で、それを切り抜けていくしかない人たちだったのだよ。 だから、日本人の誰もが、初めての事で、どうしたらよいか誰も分からない時代に、最も良い道を自分で考え、実現しようとすることが出来たのだよ」 40年以上前の授業ですが、今でもそうおっしゃったときの先生の顔が目に浮かびます。

発音習得をするときは、自分で音と向かい合ってください。

* * * 学習のヒント * * *
「学習」や「勉強」はお金がなければ出来ないというものではありません。英語学習を始めたとき、あまりお金のかかる勉強法は最初の選択リストからはずして置かれるのが賢明です。 まず、自分の手に入れられる教材を使って自分のできる事からはじめましょう。やっているうちにいろいろなことが自分で分かってきます。そうすると教材を選ぶ力も備わってきます。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。