川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

単語だけの発音練習は一ヶ月で十分です。  後は「英語でしゃべる」練習をしましょう。

高校の数学の先生が、何のお話のときだったか、こういうことをおっしゃったことがありました。

「足し算を習ったらものすごく難しい足し算が出来るようになってから、引き算を習うわけではないんだよね。  掛け算を習ったら、ものすごく難しい掛け算が出来るようになってから割り算を習うわけではないんだよね。  少しずついろいろなことを学びながら、それぞれ次の段階へ進むんだよね。」

私はこれを聞いたときなるほどなあと思いました。  計算する能力は、ひとつの方法だけを訓練するのではなく、いろいろな方法を学びながら全体として伸ばしていくのだなあと思いました。

これは発音練習にもいえることです。  単語の発音ばかり練習して、難しい単語の発音が出来るようになってから、文章の発音練習をするのがいいわけではありません。 

やさしい単語の発音を少し練習して、やさしい文章の発音を練習していくと、文章にはリズムもありますから緩急、強弱などいろいろな場合の英語の口の動かし方が出来るようになります。  文章の練習をすると、単語を言うより、長い時間英語の口の動きをしていることも出来るようになります。  そうすると難しい単語の発音もだんだん言えるようになってきます。

「単語が完璧に発音できてから文章の練習に進む」と言う考え方は持たないほうが賢明です。   文章の発音も単語一つとは違う面から英語の口の運び方を練習することですから早い時期から両方とも行うのが、英語をしゃべる能力を伸ばしていくことになります。  足し算、引き算、掛け算、割り算を少しずつ全部学ぶのと似たようなことです。

私が中学生のとき使った教材は、最初に数個の単語の発音を練習したら、次は英語の文章が4つくらい載っていて、その発音練習になっていました。  ですから練習を始めて1日か2日で、This is a pen. のような文章を発音練習していました。  (中学生で何も知りませんでしたから、本に書いてあるとおりに練習しました。  文章の発音練習は無理だとか、そんなことも思うことさえありませんでした。  こういうものなんだと思っていました。)

単語の発音は、文章の中に新出単語が出てきたときに、発音記号を調べて基本の発音の通り何回か言う練習をしました。(川合メソッドでも同じですね) それが基本の発音の復習になりました。  だからいつも、単語の発音と文章の発音は並行して進んでいたわけですね。

文章の発音も「同じ英語の口の動かし方の練習」だと思えば、それほど抵抗はないと思います。  それにfrustrationとか難しい単語を練習するより、I like music. の方が初級者には簡単だと思います。

つまり、単語の発音であっても難易度の高いものは初期の練習では出来ません。  文章の発音であっても、ゆっくりで、少ない数のやさしい単語で出来ていれば、初期の練習でも言えます。

Good morning, Tom.    How are you?    I play soccer.    I like it.

こういう文章なら、初期の練習でも言えますね。  ですから、練習の進め方は、「文章だから単語の発音の後にやる」と言うことではなく、そこに含まれる単語の難易度にしたがって、進めていけばいいのです。  少ないやさしい単語で出来ていれば、文章であっても、初級で言えるのです。

そうすると、初級で、単語と単語のつなぎ目の練習も出来ます。  強く言うところ、弱く言うところ、ゆっくり言うところ、速く言うところ、など、リズムについてもいろいろ練習することが出来ます。  

発音練習は「単語だから」「文章だから」、ではなく含まれている単語の難易度に応じてするようにすれば、初級から文章の練習と単語の練習を一緒に行っていくことが出来ます。

私たちの目的は「英語でしゃべれるようになる」ことですから、なるべく「英語をしゃべる練習」をするようにしてください。  単語だけの練習では、残念ながら、しゃべる練習にはなりません。 理由はhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130324 こちらのブログをお読みください。  また、2011年5月31日のブログに英語学習に役立つ過去のブログ一覧がありますのでhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110531、その(1)も参考にしてください。

難しい単語は、日常あまり使いませんので、難しい単語の発音練習をするなら、やさしい単語で出来た文章の練習をしてください。  その方が、実際に使える発音練習が出来ます。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。