川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

いつも「もっと良い発音習得の方法」を探している

発音を学ぶときに「出来るだけ短い期間で、最も効果のある方法を選ぼう」と考えるのは誰しもあることだと思います。 ただあまりにもそれに固執すると、結局、完成度の高い発音は習得できずに終わることが多いです。

なぜなら、そういう人はどんな方法で発音を学んでいても、「もっと短時間で、もっと効果の上がる方法が他にあるのではないか」といつも考えているからです。  そして自分の発音の進歩が遅いと感じると、今やっている方法をやめて、「もっと短い時間でもっと効果があるように見える(実際はそうではない場合が多いですが)」方法に変えて行きます。  

発音練習の効果はいつでも目に見えてあがっていくわけではありません。  最初はどんどん上手になっても、そのうち、伸びが止まったように見える時期がやってきます。  学習効果がプラトー(高原)の状態(伸びが止まった状態)になることは、どんな方法で学んでも経験することです。 

私はこれは、伸びが止まったわけではなく、学習者の体の隅々まで新しい動きが浸透する期間なのだろうと思っています。  

けれども、「出来るだけ短い期間で、最も効果のある方法を選ぼう」と絶えず考えている人は、プラトーの状態になると、新しい方法に変えていきます。      

どんな方法で学んでも、プラトーの状態は訪れますので、こういう人は、次々に学習法を変えることになります。  自分がそういう状態に陥っていると思ったら、ちょっと立ち止まって考えてみたほうがいいです。

発音練習は自分が納得した方法で、8ヶ月間くらいは腰を落ち着けておこないましょう。  そうすると、発音は確実に良くなります。  また、時間をかけて練習した口の動きには、短期間で習得した動きでは決して真似ることの出来ない滑らかさと安定感があります。  

川合メソッドはナチュラルスピードで話すようになった私が突き当たった、「子音やリズム」などさまざまな問題を初級の段階から意識して練習し、克服できるよう考えられた練習方法ですので、単語だけの発音練習に比べて、かなりハイレベルな練習です。  つまりナチュラルスピードで喋っても乱れない発音の基礎を初級の時から作っていきます。  でも、最初は難易度の低い単語を使った文章から入りますので、難しくはありません。  

一ヶ月間基本の発音を単語で練習したら、次からは単語の練習と文章の練習を同時に行なっていきます。  ですから、母音、子音、リズム、イントネーションなど、しゃべるときに必要なことをすべて一度に練習出来ます。  その過程で、耳の力も鍛えていきます。  

シャドウイングのように言いっぱなしの練習でなく発音を録音して、モデルと比べますので、自分の間違った発音に気づく力も訓練できます。  そうやって耳の力も訓練していくわけです。 

聞くことを他人に任せてしまうと自分の聞く力は「もう使わない力」と認識されて、だんだん衰退していきます。  能力は使わないとなくなっていきます。 

川合メソッドは、聞く力(耳)、しゃべる力(口)、違いを認識してどう直せばよいか考える力(脳)など、発音習得に必要な能力をオールラウンドに育てていきます。  ですから、口だけでなく発音習得に関わる器官をすべて使います。  こういう発音練習は皆さんは今までなさったことがないと思います。  単語だけの練習よりはかなりハイレベルです。    

自分の発音を録音するなど少し面倒だと思う人がいるかもしれませんが、こうして発音習得に必要な器官を最初から全部使って練習していくことで、学習者の持っている発音習得のための能力全体を向上させて行きます。  体の中の「聞いた音と同じ音を出すシステム全体」を鍛えていきます。  

面倒なことを全部、他人にやってもらって指示されたように口を動かすだけなら簡単かも知れませんが、それでは、発音習得に関わる能力の一部しか使っていません。  その他の能力は使わないからどんどん衰退していきます。  

手間がかかるということはそれだけ自分の持っているいろいろな能力を使っているということです。  特に10代の方はそんなに早い時期から、自分の耳の力をあきらめないでください。(教育実習に行った知り合いの大学生が、「中学1年生は3年生に比べてすごく耳が良い」と言っていました)
  
音は先生が直してくれるものなどと思い込んで、その耳の良さを捨ててしまわないでください。  せっかく持っているその聞く力を使って、聞いたとおりにしゃべる練習をしてください。  聞くことを他人に任せてしまうと今持っている聞く力もなくしてしまいます。 

能力は使えば使うほど、向上します。  自分が持っている発音習得の能力をオールラウンドに鍛えて完成度の高い発音を習得していただきたいと思います。

学習の初期に「すごく集中して音を聞いた」「初めて、自分のLが短いと分かった」こういう経験をすることが発音学習です。  耳を訓練するとこういうことも聞こえるようになります。  聞いた音から口の動きが手に取るようにわかるようにもなります。  耳も口も使う川合メソッドだからこういうことが可能になります。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。