川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

英語の深さ(2)

14日の続きです。

私は以前ブログで、英語で考えるというのは「Dog という言葉を聞いて、日本語で「犬」と思わないで、犬をイメージする」そういうことではない、と書きました。

14日のブログを読んでいただけばお分かりのとおり、英語で考えていくことは「英語で思考を“展開”すること」であり、イメージを思い浮かべるだけではありません。(中級の間は新出単語などは日本語の助けを借りながら思考を展開することになります。)

私は日本で英語を勉強しましたから、子どもたちがやっていることで、自分のしていないことにはすぐに気づきました。  

私も大学のゼミで勉強したようなことは、日本語で理解したあと、その英文を使って、他人に説明する訓練もしましたが、自分で勉強してきたものは、英語で言われたことを日本語で理解して、その後音読をして、スピードを上げ日本語が出てこない状態までスピードを上げる練習をしていました。

子どもたちは毎日宿題でやったことを学校に行けば、先生の質問に答え、テストがあれば、記述して、答えるわけですから、彼らの英語の勉強はいつも、「英語で思考を展開する」訓練だったわけです。  もちろん初期の頃は単語の意味は日本語でサポートされている状態でしたけれど。

それを続けることにより、日本語でサポートされていた単語もだんだん単語そのものに、意味が帯びてくるようになっていったわけです。  英単語の意味を英語で理解するのは、単語の意味を英語で説明するだけでなく、実際にどういう意味を表すときに使われているのか、その使われている文をたくさん体験しなければ、出来ないことです。 単語の意味を英語で言えるだけではありません。

これを毎日続けることにより、彼らは「英語で考える」土台を自分の中に蓄積していったわけです。

中級後期の方は、勉強した英文の内容を、他の人に説明できるまでよく理解して、しゃべってみると、英語が深く頭に入り、使えるようになります。  日本語訳の助けを借りながらで結構ですから、勉強した教材の英語で思考を展開する練習をしていくと英語力は上がります。

バイリンガルになっていく子どもたちを見ていて思ったのは、英語で考えるというのは、「Dog という単語を聞いて、犬という日本語ではなく犬をイメージする」ことや、「単語の意味を英語で言う」といったような静的な頭の動きではなく、ある原因で物事が起こっていく様子や物事が機能する仕組みなど、密接に関係しあって動く要素を捉えながら、それを英語で展開していく「思考の流れ」のように感じました。

中級後期以降の方は、日本語訳の助けを借りて結構ですから自分が勉強した教材を使ってこれをやってみてください。  そうすると単語の意味も自分の中によく定着していきますし、「英語を考えながら保持する」のは、結構、大変ですので英語力も上がっていきます。

なお、初級の方は文法的に正しく意味のわかった文章を発音練習して、なるべくたくさん自分の中に蓄積させて使えるようにしていくことが出来れば十分です。  大体、中学校で習う英語ぐらいを正しい発音で言えるようにしてください。  そうやって、発音、文法ともに基礎を固めてください。

私が、初級として思い描くのは中学生、上級として、想定するのは英検一級くらいです。  その間の中級は範囲が広くなりますので、高校生が中級前期、大学生以降が中級後期になると思います。


* * * 川合メソッドについて * * *
川合メソッドは従来の発音練習に比べて、訓練する能力が多岐にわたりますので、かなりハイレベルな練習です。  日本人の英語を聞いたことのない人にもネイティブ並みの発音で通じるように話す必要性の有る方や、そういう英語で話したいという強い希望を持つ人しか続けられないメソッドです。  旅行や友だちと楽しく話すために英語が必要な方には、練習が続かないと思いますので、向かないメソッドです。  詳しくはこちらのページ http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20110531の一番最後にリストされているブログをお読みください。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。