私は11月14日のブログで、練習の初期になかなかお手本のように発音できない時期の練習の仕方について次のように書きました。
口が思うように動かなくて、お手本とそっくりに言えない期間中もお手本を良く聞いて「最終的にはこういう音が出るようにするんだな。 今は自分は口の準備に5秒もかかってしまうし、摩擦もスムーズに出来ないけれど、最終的にはこういう音がすばやく出せるようにするんだな」と目標とする音を耳でしっかり捉えながら練習を続けてください。 そうすると正しい発音がいえるようになります。
私自身がそうやっていたかといいますと、やっていました。
私は中学生になって発音練習を始めましたが、練習開始から一年以上たっても、なかなかスムーズに発音できませんでした。 今、発音している音から次の音の口の形に移動するのに手間取って、いつもぎこちない発音をしていました。 どうしてかというと、私はほとんど英語を聞いたことがない状態で中学生になったからです。 当時、多くの日本人はそうだったと思います。
今でも覚えている小学生のころ見たテレビの一場面があります。 怪獣が出てくるのですが、怪獣といっても人間と同じくらいの大きさであまり怖くない怪獣です。 その怪獣が、一軒のお店に現れて、お店をめちゃめちゃにしながら食べ物を探して、食べていました。
そこへ、外国人の女性のお客さんが来て、(このテレビのシリーズで外国の人が出てきたのはこの時だけだったと思います。 なぜかわかりませんがたぶん大げさに驚く様子がドラマにぴったりだったのでしょうね)怪獣を見て、目を丸くして、「オウ!」とか「アー!」とか言って、大げさに驚いて、気絶する場面がありました。
小学生の私はその場面を見て、「あっ、外国の人だ」と思いました。 当時、田舎に住んでいる小学生が、外国の人を見るのは、そういう時ぐらいでした。 ましてや英語を聞くことなど、全く、ありませんでした。
別に誇張して言っているわけではありません。 それが、50年前の日本だったのです。
当時、日常生活で外国の人を見かけることは全くありませんでした。 日本がまだまだ国際化されていない、1ドル360円の固定レートの時代でした。 私は英語を聞くこともなく中学生になりました。 そしてテープの教材で勉強しながら、初めて聞く英語の音を発音しようと練習を開始したわけです。
だから、発音練習をしてもなかなか口はスムーズに動きませんでした。 聞いたことのない音を発音するのはとても大変です。
一つの音から次の音に口の形を変えるのがうまくできなくて、どの音を発音するにも、時間がかかりました。
練習を始めて一年たっても、ぎこちない発音でした。 とても聞いていられないしゃべり方だったと思います。 だから同じ勉強部屋だった姉が、「その練習はやめなさい。 英語は普通に読んでればいいの」と言って、部屋を出て行ったこともありました。
今、どんなに下手な生徒さんが、習いにいらしても、あの時の私より、ひどい発音の人はいないでしょうから、ちっともびっくりしないと思います。 私はもうすぐ60歳ですから、50年前の日本人にとっては英語の音というのはそのくらい、慣れない音だったのです。
ではどうして、そういう発音だった私が、2年たったら、きちんと発音できるようになったかといえば、それは、どんなにぎこちなくても、時間がかかっても「聞こえた通り正しい発音の仕方で、文章を発音する」という基本から一度も離れなかったからだと思います。
中学生でしたから、解説書に「同じにいえるまで練習しましょう」と書いてあったので、そうしなければいけないと思っていました。 自分は英語に関しては何も知らないのだから勝手に指示と違うことをしてはいけないと思っていました。
いつも自分の発音とお手本の発音を比べて、違うところを同じにしようと練習をしました。 2年間、録音するときは「お手本と同じに言う」そのことだけに集中しました。
They are coming from Denver. という文章を練習していて、自分のDenver のNの発音がお手本と違って聞こえた時も「細かい音より、英語らしく聞こえることが大事だ」とかは思いませんでした。 私のNの音は、お手本とは違って聞こえる。 非常に微妙な違いでしたけれど、私の音はお手本とは違う。「なぜ自分の音は違うのか」その理由を考えて、自分の口の動きをよく観察しました。 そして、自分のNは舌の先が歯茎についていないことを知りました。
微妙な音の違いは重要ではない、と自分勝手に判断して、この違いを無視していたら、英語のNは日本語のNとは違うということに気付くことはなかったと思います。
私は愚直なまでに「聞こえた音と同じに言う」という練習から離れませんでした。 というより、何も知らない自分は指示と違うことをしてはいけないと思っていました。 正確には「同じに」というより「自分でできる一番似ている発音で言う」ということですね。 ひどい発音でしたから、お手本と同じというわけにはいきませんでした。 この時私がやっていたことが11月14日に書いた、
口が思うように動かなくて、お手本とそっくりに言えない期間中もお手本を良く聞いて「最終的にはこういう音が出るようにするんだな。 今は自分は口の準備に5秒もかかってしまうし、摩擦もスムーズに出来ないけれど、最終的にはこういう音がすばやく出せるようにするんだな」と目標とする音を耳でしっかり捉えながら少しでもその音に近づくように練習することでした。
やがて、このNの細かい違いが実は重大な違いだと知るのは、大人になって発音を教えるようになってからでした。 中学生の私には、Nの違いも「同じに言う」というたくさんの音の違いの一つでした。 もし、中学生の時、「細かい音の違いは重要ではない。英語らしく言うことが大事だ」という方針に従って勉強していたら、私はNの音の違いも母音の区別も知ることはなかったと思います
今、思い返すと、中学生の頃、練習して直した音は、みんな「細かい音の違い」でした。 一応、お手本を聞いてから発音しますから、いくら私でも、I(アイ)をオイと発音するような「大きな違い」はなかったですね。 私が集中して聞いて直した音の違いはみんな細かい音の違いでした。
「細かい音の違いは重要ではない」そう思っていると細かい音の違いは聞けるようにはなりません。 重要でないと思っていることを一生懸命やる人はいませんね。 一生懸命聞かなければ、細かい音の違いは聞けるようにはなりませんから、「細かい音の違いは重要ではない」と思わないほうがいいです。 ますます細かい音の違いが聞けなくなります。
次回に続きます。
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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。
現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。
文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。 導入されれば教育現場は大変迷惑します。 中止する必要があります。 なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。
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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。 私はとても困っています。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。