川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

歌を上手に歌う、ちょっとしたコツ

12月に入りました。  忘年会のシーズンですね。  カラオケで英語の歌を歌う方もいらっしゃると思います。  そこで今日は歌をうまく歌うちょっとしたコツについてお話ししたいと思います。

技術的なこと(発声や腹式呼吸)については、著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」に付属するDVDでご説明いたしましたので、今日は、実際に曲を決めてからすることについて少しお話をしたいと思います。

まず、歌う曲を決めたら、その曲の歌詞を最初から最後まで、プリントアウトして自分の前に広げてみます。  「繰り返し」と書いてある部分も、歌詞をプリントアウトして入れてください。  それを見ながら歌ってみて、その曲の中で、「どこを一番盛り上げて歌いたいか」を決めます。

そこは最も強く歌う部分になりますので、ほかの部分はそこより強くは歌わないようにします。

山場になるところが決まったら、今度は最初からどういう流れで、山場まで持ってくるかを決めます。  普通は静かに入って、山場に向けて、少しずつ、膨らませていきます。  この場合、もし、「繰り返し」と書いてある部分があったら、繰り返しの部分が同じような歌い方にならないよう気を付けます。  流れに沿って、声の大きさを変えていきます。

同じことを繰り返すと、聞いている人が飽きてくるからです。  声の大きさだけでなく言葉によって歌い方を変えるなど変化をつけます。  

山場まで、持って行ったら、今度はそこから最後まで、どのように歌うかを決めます。  そのまま盛り上がって終わる場合もありますし、最後はまた小さく収束していく場合もあります。

自分が山場を効果的に聞かせるにはどちらがいいか考えて決めます。

自分で、決められなかったら、お手本にした歌手の歌い方を参考に決めます。  曲の流れを見る時は伴奏も参考になります。  盛り上がってくるときは伴奏もかなり効果的に盛り上がる演奏になっています。

歌は、流れに乗って、山場を作りながら歌い上げると、歌っている人も聞いている人も心地よいと感じます。  気持ちが自然に高まって発散するからでしょう。  まず、このようにして曲の全体の流れをつかみます。

次に歌詞の内容を自分なりによく理解して行きます。

実は、2か月前、娘から「お母さん、歌、教えて」と言われました。  理由を聞いてみると、社会人になってからストレス解消のために会社の帰りにスポーツ施設で、運動したりしていたのですが、残業が多くなって、それも出来なくなったそうです。  それで、週末に、手軽にできる歌を大きな声で歌って、気持ちを発散したいと考えたようです。

私は、毎週末彼女に腹式呼吸や発声練習を教えながら好きな曲を選ばせました。そうしたら娘は、マライア・キャリーの「ヒーロー」を選んできました。

二人で歌詞の内容理解を始めたら、娘が、歌詞についていろいろ聞いてきました。  歌詞の解釈というのは人それぞれ違ってよいもので、正解が一つあるわけではありません。  私は自分の思っていることを答えました。

例えば、ある個所の歌詞のいみがわからないというので、それは、「君にはできないよ。」「あなたには無理よ。」「才能がある人じゃなきゃできないよ。」と、他人に言われて、自分の夢をあきらめてしまうことではないかな」と、自分の思うことを言いました。  自分の意志ではなく、他人の言葉によって自分の夢をあきらめてしまうことを詩ではよく「他人に自分の夢を壊させるな」という表現を使うからです。

また、娘は、曲の流れは自分では考えられなかったので、CDの歌い方を参考にしました。  その時、「お母さん、最後のここは、どうしてこんなに小さな声で歌っているんだろうね?」と聞きました。  これも私なりに思ったことを言いました。

「自分の心と静かに向かい合ってください。そうすれば、自分の中にどんな力があるか気づけるよ」って言いたくて、ここのところは、静かに歌っているんだと思う。  「この歌で一番大事な言葉ってなんだと思う?」と娘に聞いたら、やっぱり、最後の部分じゃないかな。。。と言っていました。

こうやって、二人で、詩を理解していきました。  

こうやって詩を深く理解して行くことが、聞く人の心を動かす歌が歌えるようになる方法です。

どうぞ皆さんもやってみてください。  歌は、人によってみんな違います。  自分の歌を作ってください。  


最後に一点だけ、私は発音の教師ですので申し上げたいことがあります。

英語の歌を楽しむことはいいのですが、「基本の発音」は歌では習得しないでください。  

理由は次の通りです。

歌は口の形の制約を受けます。  歌っている時は声がきれいに響くように、口の中の空間を大きくとり、それを維持しながら歌います。  その結果、しゃべるときのように各発音の特徴が明確に表れません。  そのため、歌で発音練習すると母音の特徴があいまいになります。

特徴があいまいなものは、基本の発音としては使えません。
ですから、歌で、発音習得はしないでください。

もう一つの理由は、歌をお手本に発音練習すると、Cat の「ア」の母音が正しく習得できません。  なぜなら、Cat の「ア」の母音は、舌が前に来る発音なので、あまりきれいな音ではありません。  そこで、歌う時には、この母音の特徴を前面に出さないで、きれいに澄んだ「ア」の音に近い音で歌う方が非常に多いのです。  その結果、歌をお手本に練習すると、Cat の「ア」の母音の特徴が正しく習得できません。  Cat という単語は誰でも言えるでしょうが、同じ「ア」の母音が入っている単語たとえば「Fan」などの発音になると、この「ア」の特徴が正確に習得できない場合があります。    

音の特徴をよく聞き取っている発音教育の専門家が歌で発音習得を勧めることはありません。  基本の発音は、口の形の制約を受けるので歌では習得しないでください。  文章で基本の発音を正しく習得した後、英語の歌を楽しんでください。





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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)


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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。 私は、とても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。