今日から「子音の日本語化を聞き取り、自分も日本語化しない子音で話せるようになる練習」を始めますが、最初に大体の予定をお知らせいたします。
このセミナーでは、著書「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」第3章にあげました日本語化する子音を取り上げて練習していきます。
1か月目
Lの子音の日本語化を聞き取る練習
舌の筋肉をつける練習
強い息を使えるようにする練習
2か月目
W、Nの子音の日本語化を聞き取る練習
唇・口角の筋肉をつける練習
3か月目
R,Fの子音の日本語化を聞き取る練習
4か月目
Mの子音の日本語化を聞き取る練習
音をつなげる練習
軟口蓋を上げる筋肉をつける練習
5か月目
鼻腔に共鳴させて話す練習
沢さんの場合は鼻腔に共鳴させて話す練習は5か月目だけでは終わらず、6か月目までかかりました。 けれども彼女の発音の変化を聞いていて、時間をかけた方が、きれいで自然な音質になって行くようだ、と思いましたので、皆さんの場合も、6か月目までかかってしまうかもしれませんが、ご了承ください。
それでは、練習をスタートする前に、皆さんの現在の音の聞き取りの状態を確認していただきます。
ヘッドフォンか、両方の耳に付けるイヤフォンをご用意ください。 非常に微細な音の違いを聞き取って行きますので、スピーカーですと、よくわかりません。
ご自宅に初級用の発音教材があればそれを利用してください。 文章の中にLで始まる単語がふくまれているものを聞いてください。 Lesson 1 や Listen などの単語でも結構です。 (なぜ初級用の教材を使うかというと、初級用の教材では、早さが比較的ゆっくりですので、子音も長めに聞こえる教材が多いので)
初級用の教材をお持ちでない場合は、ネット上にあるYoutube の動画の中にある発音でも結構です。 どれでもいいのですが、もし適当なものが見つけられなかったら、下の動画に行ってください。 1分14秒のところにあるLater という単語の発音を聞いてみてください。
[https://www.youtube.com/watch?v=sl7CkoljN0U:title=https://www.youtube.com/watch?v=sl7CkoljN0U
]
Lが長さを持って発音されているのですが、それが聞き取れるかどうか、聞いてみてください。
おそらく、Lに長さがあるのがわからなかった方が大半だと思います。 それが普通だと思います。
30代女性沢さんと50代女性相田さんにも、スタート時、このLater の発音を聞いてもらいました。 お二人のお返事は次のようなものでした。
相田さん「Lに長さがあると言われればそんな気もしますけれど、よくわかりません。」
沢さん「全然わかりません」
けれどもお二人とも一か月練習したら、Lの長さが聞き取れるようになりましたので、安心してください。
それでは練習方法を説明いたします。
Lの練習(1)例文
A I love it. (L1個)
B Let’s go to Lily’s house. (L2個)
C I lay for a long time looking at it. (L3個)
音声モデルについて、上の3つの例文をそれぞれ5回ずつ発音してください。
音声はこちらです。
[file:creato-k:LS105833.MP3:sound]
Lの練習(2)
例文は同じですが、単語の初めのLだけを長く発音して文を言う。
音声モデルについてそれぞれ5回言ってください。
音声はこちらです。
[file:creato-k:LS105860.MP3:sound]
Lが長くなるとちょっとリズムが言いにくいですね。 言っているうちに慣れてきますので、最初は少し我慢してくださいね。 日本語にない音を聞き取る練習ですので、いつもと違う言い方で行います。
気を付けていないと、自分はLを長く発音しているつもりでも、Lの長さが、短くなってきますので、しっかりLの長さを保って発音してください。
Lを発音するときには、私が著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属のDVDで説明していますように舌先だけでなく舌先から少し後ろの部分までぴったり歯茎に付けるつもりで強く押し付けて発音してください。
この練習はLの長さを聞き取れるようにすることと同時に、長さのあるLを発音できる舌の筋肉を作るトレーニングも兼ねています。 つまり、舌の筋肉増強トレーニングです。 出来るだけ力を入れて、舌を歯茎に押し付けて発音してください。 舌の力がついてくるのは練習開始後17日目から21日目くらいにかけてです。 この時、発音にどのような変化が起こってくるかについては、今後また説明いたします。
スタート時の練習はこの2つです。 最初は、Lで長さを保つと、リズムがうまく取れないので、やりにくいですが、4日目くらいから慣れて来る、と沢さんより感想がありました。
日本語にない音を聞き取れるようにするには、日本語で、聞くことがない音を発音して、聞く練習が必要です。 こんなに長さのある子音は、今まで聞いたことも、言ったこともないと思いますが、だからこそ、この長さに耳も口も慣らすようにしていってください。 まさに皆さんにとっては、「今まで言ったことも聞いたこともない音」との出会いだと思います。
ただ、初めての体験なので、うまく長さが言えない場合があります。
沢さんは、自分はLを長く発音しているつもりですが、実際に私が、録音を聞いてみると、Lの長さが非常に短いことがわかりました。 沢さんの最初の練習(2)の発音をお聞きください。
音声はこちらです。
[file:creato-k:LS105879.MP3:sound]
Lが短いですね。 彼女自身は短いことに気づいていませんでした。
川合メソッドですと、自分の発音を録音して、私の発音と比べて直してもらうのですが、今回のネット上セミナーでやっていただく練習は、著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」にご紹介したような「完成度の高い発音を習得する練習は出来ないけれど、通じる発音で話したい」という人向けの練習ですので、自分で音を比べる作業を省略しました。
それで、長く発音していただくために、私は次のようなアドバイスを沢さんにしました。
家の中にある時計で、秒針のついているもののそばに行ってください。 目覚まし時計でも、柱時計でも結構です。 そこで、練習(2)を行いながらLのところで、秒針が「カチカチ」と2つ動く間Lを伸ばしてください。
そうやって練習したら、長いLで例文が言えるようになりました。
その音声をお聞きください。 皆さんに、長さの差がよくわかるように、練習開始から3か月たった時の彼女の音声を載せました。
音声はこちらです。
[file:creato-k:160224_0122.MP3:sound]
最初の音声と比べて、Lが長くしっかり発音されているのがわかると思います。 こういう風にLを長く発音してください。
このとき彼女は、簡略腹式呼吸の練習、唇と口角を強くする練習、英語の音質で話す練習などを始めていますので、かなり、声の音質も違ってきています。 皆さんにも、これから5、6カ月かけて、少しずつ、同じ練習をしていただきますので、練習終了時には、強く、よく通る声で英語が話せるようになると思います。
それでは今日から練習(1)と練習(2)をやってみてください。 一か月後には日本語化したLと英語本来の長さを持ったLの違いが聞き取れるようになります。
沢さんと相田さんには、メールで、いつも練習の説明をしていましたが、すべての練習が終わったとき、直接お会いして、練習についての感想や難しかった点や、役に立ったことなどをお聞きしました。 その中で、沢さんが言われていたのは、「長い間、英語を話していなかったので、最初は口がよく動きませんでした。 最初のLの練習のときは、いろいろしゃべった後の、午後の時間に練習すると、やりやすかったです。」という発言がありました。
相田さんにもお聞きしてみましたが、相田さんは、「特に午前午後の違いは感じなかった。」ということでした。
しばらく英語の練習をしていなくて口がよく動かないと感じた方は沢さんの言葉を参考にしてください。
実際、例文の2は、最初はこの文ではなかったのですが、お電話でお伝えした時、沢さんが、何回もつっかえるので、言いやすいようにこの文に変えました。 それでも、練習終了時には沢さんの発音は6月1日のブログで聞いていただいたように、別人のような発音に変わりましたので、最初はうまくできない方でも、上手になりますから安心してください。
ブログは毎週日曜日に更新するつもりでおりますが、週の途中で書く場合もあると思います。
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6月5日から6月25日までの練習内容
3つのLの例文を2つのやり方で言う
練習のときは、ヘッドフォンをつけなくて結構です。
練習(1) 普通の言い方 5回
練習(2) Lが長い言い方 5回
舌に力を入れて強く押し付ける。
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なお、この練習を営利目的で使用することはご遠慮ください。 皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます。
(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、その他。
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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。
高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)
高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。 しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています) これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。 学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。
これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)
皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。 (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。
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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。 日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)
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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。
「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。 他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。
私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。
「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。 他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。 ベストセラーの著者という名声ですか。 それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。 この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか? もう英語教育とは関係ないことですか。
私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。 日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。 ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。 私の仕事の妨害をしないでください。
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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。