川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

川合メソッド2 ネット上セミナー終了

川合メソッド2第二部「英語の音質で話す練習」は本日で終了いたします。  英語の音質で話すために必要なことは、ここまで順を追って皆さんに、ご説明してまいりました。

実際に英語の音質で話す練習を開始したのは10月9日でしたので、12月10日ぐらいまで練習を行っていただくと英語の音質で話す口腔、鼻腔の形を体得できると思います。

===川合メソッド2英語の音質で話す練習====

11月13日から12月10日までの練習

Where are you? の練習10回 (時間がない方は5回で結構です)
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法)の練習  6秒x5回
(6秒は目標ですので、出来る秒数で結構です。  1回終わるごとに充分休んで5回行ってください。  無理をしないでください)
12月に入りましたら、出来る方は7秒x5回を目標にしてください。

自分の発音を録音しお手本と比べて、同じ音質になるように直していく。
お手本は自分の選んだもので結構です。
なるべく空間を大きくとること、美しく響く鼻腔のポイントにあたることを目指して練習してください。

寒くなりましたので、暖かい部屋で、十分湿度を保った状態で練習してください。  録音は出来ませんが、お風呂の中で練習していただいても結構です。

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第二部まで練習をおこなっている方はWhere are you?の練習をたくさんしていますので唇や舌の力が相当強くなります。  その結果、日本語化しない子音で話す力もかなりついてきます。

第一部のみで終了された方は1月末まで、一日一種類の子音の練習を続けてください。(10月1日のブログに書いてあります練習内容を続けてください)

第二部「音質の練習」をなさった方で、長い文章も英語の音質で話したいという方は12月10日を過ぎても、しばらくはWhere are you? の練習と水道管呼吸法は続けていかれた方がいいと思います。

英語の音質で話す口腔と鼻腔の形は一瞬するのは簡単ですが、「それをずっと維持してしゃべる」ことがとてもたいへんです。  なかなかできません。  ですから、英語の音質で、長い文章も話したいという方は、しばらくWhere are you? の練習と水道管呼吸法を続けることをお勧めします。

私の場合は、声楽の練習を少し前まで毎日2時間くらいしていました。  歌う時は英語を話す時よりもっと高く軟口蓋を上げ、空間もずっと大きくとります。  オペラのアリアを歌う時には、アマチュアでも、200人くらいの音楽ホールにマイクなしで、響く声で歌うほど息もたくさん使いますので、自然にそういう訓練ができます。  けれども、そうでない場合はやはり何らかの方法で軟口蓋を上げる筋肉を鍛え、息を強くする練習を行っていく必要があります。  

使わないとせっかくついた筋肉もどんどん落ちてしまいます。  それを避けるためにも、Where are you? と水道管呼吸法の練習をしばらくは続けてください。  最初のころ水道管呼吸法を5秒やるとフラフラすると言っていた娘も今では何でもなくできるようになりました。

第二部に関してお伝えしたいことは以上ですが、第一部で学びました、日本語化しない子音で話す方法も、日々の仕事や勉強の場で英語を話す時にどんどん使ってください。  そして、もし、「どうやって発音しているのですか?」と聞かれたら、皆さんが教えてあげてください。

日本語は独特な子音の言い方をします。  母音と一緒でないと言えないような独特な子音の言い方をします。  その日本語の子音の言い方が外国語を話す時も使われていると、今までの日本人は無意識に思っていました。  70年もずっとそう思っていました。

日本の多くの英語学習をする方々に、「日本語の子音の言い方は独特なもの」で、「英語の子音と日本語の子音の言い方は違う」と気が付いていただきたいと思います。  2つの子音の違いを聞き分けることのできた皆さんには、それが日本人の英語を通じやすくする重要なポイントだと理解していただけると思います。

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練習終了後、沢さんがオー・ヘンリーの「最後の一葉」を音読した時に感じたことを音声ファイルと一緒に送ってくれましたのでご紹介します。(太字は私が重要だと思ったところです)

息が続くので長い文を楽に読めました。
前は息が続かなくてハアハア言っていたところが結構あったのですが、今回は特に感じませんでした。

やはり子音を意識して読むようになりました。

前はだらだら抑揚もなく読んでいたと思います。
今は子音をためるせいか、強弱?みたいなのがついている気がします。
口角までよく動くようになりました。
感覚で言うと、口を横にも動かせるようになった気がします。
唇の動きは全体的に大きくなりました。

音読の声が大きくなった!!

鼻腔に響くように読んでいました。

全体としては、顔全部を使うようになった感覚です。

ここでもう一度6月1日にご紹介した川メソッド2練習前と練習後の沢さんの発音の比較を聞いてください。

練習前の発音  音声はこちらです
[file:creato-k:LS105889.MP3:sound]

練習後の発音  音声はこちらです。
[file:creato-k:LS105890.MP3:sound]

子音を明確にしゃべる唇の強さがあり、大きな声でしゃべれる息の強さがあることが読者の皆さんにもお分かりになると思います。

彼女自身にこの比較を聞いてもらいましたら次のような感想が送られてきました。

全然違う!
前のはただ読んだ感じ。
国語の音読と変わらないし、ぶつぶつ切れている感じがします

今回のは声が響く感じがしました。深いというか。
同じ自分とは思えない(ここでかわいい絵文字が入っていました)

「国語の音読と変わらない」という表現がよく特徴を表していて、面白いですね。  私は「最後の一葉」の英文を彼女に直接発音指導はしていません。  彼女が一人で読んだものです。  

私が音読をお願いした文章がとても長かったので、50秒間ずつ4つに区切って読んで音声ファイルを4つ送ってくれました。  その4つ目の音声ファイルから最初の部分をとりました。  たぶん、最後の音読で疲れていたとも思いますが、お聞きの通り、訓練したことが最後まできちんと身に着いて読まれていました。


川合メソッド2は、日本人の英語がわかりづらくなる点にポイントを絞って練習しますので、簡単な練習を続けるだけで、このように通じやすい発音に変わります。

ただ、基本の発音を習得したうえで行ってください。  基本の発音は著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属DVDで学べます。  私は発音記号ごとの音を、中学一年生の時に自分が身に付けた音の特徴を表す言葉を使って、DVDの中で説明しています。

中学一年生でもわかるやさしい言葉で説明していますから、どなたでも理解できます。 

また、発音の仕方は特に日本人のために、「日本語化しない子音」が発音できるよう考慮した説明をしています。 

やり方については、著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」の中では自分の発音を録音してお手本と比べて直すやり方を紹介していますが、そこまで完成度の高い発音を目指しているわけではなく「通じればよい」という方は、お手本の後について発音する練習だけでも結構です。

その時、お手本の発音を自分の耳でよく聞いてください。  そうやって自分の耳をいつも使って学んでいただければ、耳の力は落ちることはありません。  (上手になってくると、自分の発音を聞いてみたいな、と思う方もいらっしゃいますので、いろいろな学び方が将来できる道を、いつも耳を使って練習して、残しておきましょう)

「完成度の高い発音を目指す方」一方で「そこまでする必要はないけれど、通じる発音で話したいという方」英語学習をなさる方々にもいろいろなやり方がありますので、それぞれの皆さんのニーズに合わせてDVDを活用してください。

「通じる発音で話せればよい」という方は、川合メソッド2をすれば、DVDの中にあります発声練習はやらなくても大丈夫です。

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ブログの読者の皆さんには、6か月間一緒に練習していただきましてありがとうございました。  日本人の英語が通じるようになるために少しでもお役にたてれば嬉しいと思っております。  


最後に、被験者になってくださった相田さんと沢さんにお礼を申し上げたいと思います。

相田さん

相田さんは第二部の「英語の音質で話す練習」が半分終わったところで、ご家庭の事情で練習を終了されました。  けれども大変貴重な録音を残してくださいました。  沢さんが、「自分と川合先生の録音を比べても違いすぎてどうしたらいいかわからないけれど、その中間に位置する相田さんの発音を聞くことにより、どうしたらよいかよくわかった」とおっしゃっていました。  貴重な録音をありがとうございました。

相田さんが3日間で鼻腔への通り道を開けることが出来なかったら、私は音質の練習を川合メソッド2に入れることはなかったと思います。

最初の著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」を出版してから、「日本は住宅事情が厳しいので、何とか発声練習をしないで、鼻腔への通り道を開けることは出来ないか」と私はずっと考えておりました。

もちろん、発声練習をした方が軟口蓋は高く上がりますし、空間は広く安定します。  音の共鳴も強く美しくなりますので、それが理想的ですが、そこまで完成度の高いやり方が出来なくても、とりあえず、英語の音質で話せればいい、という方は多いと思います。

相田さんのおかげで発声練習をしなくても、そういう方が英語の音質で、話せる方法を読者の皆さんにご紹介できたことを大変感謝しております。

また、相田さんが率直に意見を言ってくださる方だったので、ブログ読者の方から「川合メソッド2は、あんまり上手でない人でも出来るみたいだから僕もやってみようかな」と言われて、相田さんに被験者になってもらってよかった、と思いました。(正直に書いております。(笑)

沢さん

どんな小さな練習も一点一画、私が言った通りに練習してくださいました。  その結果、Where are you? の練習や水道管呼吸法という小さな練習も継続していくとこんなに発音が変わってくる、ということを見せてくれました。

毎日練習していくと小さなことでも唇や舌の力がこんなに強くなり明確な発音が出来るようになる、ということがよくわかりました。  きっと読者の皆さんにも参考になったことと思います。

私が「男性の読者もいらっしゃるので、音声見本をどちらにしようか」迷っていた時は、ご主人にも聞いてくださって「夫もこっちの方がいいと言ってました」と教えてくださったこともありました。  ご主人様にもご協力いただき、ありがとうございました。

相田さん、沢さん、お二人が、半年間毎日練習して、録音を送って下さったおかげで、読者の方々に、効果的な練習をしていただけるプログラムがご紹介できたと思っております。  半年間ご協力どうもありがとうございました。  

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今までわかりにくいと言われてきた日本人の発音が、ブログの読者の皆さんによって、よく通じる発音に変わって行くことを願っております。

川合メソッド2第一部、第二部をこれにて終了いたします。  

読者の皆さんには、半年間という長期にわたり、ネット上セミナーにご参加いただきまして、どうもありがとうございました。  心からお礼を申し上げます。




なお、川合メソッド2の説明、練習方法を営利目的に使うのはご遠慮ください。 
学習者どうしの情報交換はもちろん大歓迎です。 お友達に皆さんが教えてあげてくださいね。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。