川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

発音練習をきちんとやってきた人は英語教育の初期に「4技能」「4技能」とは言わない。

英語学習の初期に、「4技能」を提唱する方というのは、「発音をきちんと習得したことがない方だろう」と私は思っています。

なぜかというと、発音習得をきちんと行った人は、「スピーキングは他の3つのスキル(聞く、読む、書く)とは、一緒に論じられない」と知っているはずだからです。

発音をきちんと習得した人は、発音の習得が、知的に理解するだけでなく、筋肉を動かして、正しい音を出すことを体に定着させる作業だと知っています。  これは、無意識に発音しても、正しい音が出てくるまで口のトレーニングを行わないとしゃべれない、ということですから ほかの3スキル(聞く、読む、書く)とは同じに論じられない技術です。  発音習得をきちんとしてきた人はそのことをよく知っています。

また、きちんと正しい発音を学習した人は、発音の定着(つまり、自分の言いたいことを正しい発音で話す)までには2年位かかることも体験として知っています。  この正しい発音の定着を待たないで、「スピーキングの練習」と称していろいろなことを生徒にしゃべらせてしまうと、正しい発音やイントネーション、リズムが定着しません。  発音練習をきちんとやってきた人は、そのことを知っています。  文の型によって、イントネーションやリズムが違ってくることは、発音練習をきちんとした人にとっては、当たり前のことです。  基本の発音、リズム、イントネーションなどを生徒に定着させるのに2年くらいかかります。

その間は、しゃべらせるとしても、せいぜい発音練習した文の一部の単語を入れ替えてしゃべらせるくらいの練習にとどめておかないと、正しい発音やリズム、イントネーションは定着しません。  自分がやってみればわかります。  今までしゃべったことのない言葉を日本語と全く違う音、リズム、イントネーションでしゃべるのはとても大変です。  発音やスピーキングの問題は、ほかの3スキルとは違う種類のスキルです。  特に日本人にとっては、発音は日英で音の体系が違いますので、とても難しいです。

「4技能」「4技能」と、スピーキングを十分な発音練習もしないで、他の3スキルと一緒に、論じている人は、おそらく、きちんと、発音練習をしたことがない人だろうと私は思っています。

そのせいか、全部とは言いませんが、4技能を提唱する方の中には、「もう少し発音を学ばれたほうがよろしいのではないでしょうか」と思われる方もいらっしゃいます。

発音をきちんと習得した人は、初期の段階の英語教育で「4技能」「4技能」とは、いわないです。



======================================


高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

====================================


英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)



それでは、今日は、2016年7月17日のブログの再掲載です。
新しい練習、唇の力を抜かない練習が入ります。  
ご一緒になさってみてください。

* * *

「長い子音」の練習のやり方についてですが、今までの練習の説明では、皆さんが、「子音を長く言う」ということに慣れていらっしゃらなかったので、「私の音声の後について、5回言ってください」と書きました。  

けれどももう、やり方がお分かりになったと思いますので、最初に数回私の音声を聞いて、長い子音の言い方がお分かりになりましたら、翌日から自分一人で、長い子音で例文を5回言っていただいて結構です。  そのほうが、どこでも練習できて、やりやすいと思います。 (普通の言い方についても同様です)

たとえ、7月5日にLの長さが聞けなかったとしても、日常、「単語の最初のL」を少し長めに、発音していてください。  例えば、音読教材を使っていて、Little Long Look Like などの単語が出てきて、その前にちょっと間がある、などという時は自分で、Lを少し長く発音するようにしてみてください。

そうやって、しょっちゅう長いLを言っていると、耳の方も次第に長いLに慣れてきます。  耳が慣れて来ると、Lの長さもだんだん聞けるようになります。

耳は、「今まで、こういう長いLは、ご主人様の口から出てくることはなかったけれど、これからは、こういう長いLもご主人様の使う音の仲間に入ってきたのだ」と認識して、長さを持ったLが聞こえてきたらそのまま取り込むようになってきます。

学習する人が長いLを頻繁に発音することによって、日本語の音だけを取り込むように設定されていた、耳の設定が、だんだん変わってきます。  そうすると、次第に長いLが聞けるようになります。

お昼休みなど、周りに人がいなかったら、(それでも文章で英語を言うのは、はばかられるでしょうから)一つの単語でもいいですから、Lを少し長く発音して、LLLong  LLLive などと言ってみてください。  そうやって、日常、外国語特有の子音に耳をなじませていくと、やがて、英語を聞いた時、Lがちょっと長いな、と感じられるようになります。  そして、いつの間にかそれが当たり前のLの言い方になります。

皆さんにとって、外国語の子音が、当たり前の音として、認識されていきます。  毎日の小さな習慣によって、皆さんは、母国語(日本語)にない、外国語の音を認識できるようになります。  初めて日本語の音の世界から出る時ですね。

そうやってLを長く発音していると、周りの方々が、「あなたの発音は少し違うね」と気づくかもしれません。  そうしたら、「英語の子音には少し長さがあるので、そうやって発音しているのですよ」と教えてあげてください。

私は「川合メソッド2」を営利目的に使うことはやめていただきたいと思っていますが、学習者同士の情報交換は歓迎します。  日本人みんなが、通じる子音で、話せるようになるといいな、と思っています。

それでは今日の練習に入ります。

私は、2006年にアメリカから帰って来て、2,3年の間、英語力を維持するためにいろいろな勉強会に参加しました。  そこで自分が話す英語を聞いていて思ったのは、音をつなげる唇の力が少し弱い、ということでした。

それで、どうしたらいいか考えました。  まず、頭の中で、しゃべるときの唇の動きをイメージしてみました。唇が一番小さくなるのは、口角が中央によってきた時、唇が一番広がるのは、口角が左右に広がったときです。

口角はその2つの位置の間を動きながら発音し、その口角の動きに合わせて、唇は形を変えていきます。  どの時点でも唇に力を保持するためには、この口角の動きを繰り返す間、ずっと唇に力を入れているような練習をすればよいと思いました。

それで、口角が中心によって来て出す音「ウ」と、左右に広がったときに出る音「イ」を、ずっと唇に力を入れながら、つなげて言う練習を2か月ほど行いました。

具体的に言うと、唇に強く力を入れながら「イーウーイーウーイーウー」と繰り返す練習を2か月間、毎日200回行いました。    

現在は、もう回数は数えていませんが、朝起きて顔を洗う時、鏡を見ながら「イーウーイーウー」お皿を洗いながら「イーウーイーウー」気が付けばいつも「イーウーイーウー」と唇に力を入れて言っています。

これで、だいぶ、文の途中で、声が弱くなることがなくなりました。

相田さんや沢さんが強くて長いLが言えるようになってきた時、文がブツブツ切れだした、ということは以前、申し上げました。  ブツブツ切れる原因の一つが息の強さなので、持続して、強い息が使えるように、水道管呼吸法をやっていただきました。  

けれども、ブツブツ切れる音をつなげるには、息を強くするだけでは解決しません。  音をつなげて発音できる唇の強さをつけることが必要になります。

それで相田さんに「イーウーイーウーイーウーイーウーイーウー(5回)」と唇に力を入れて音をつなげて言ってください、と申し上げたら、「イーウーは言いにくいです」と指摘がありました。

それで、口角が左右と中心を移動できるほかの言い方を考えて、「オーイー」はどうですか?とお聞きしましたら、そちらの方が言いやすいということで、「オーイー」と5回言っていただくことになりました。

これが今日から、皆さんにやっていただく練習です。  唇に強く力を入れたまま、音を切らないで、「オーイー」を続けて5回言ってください。  

口角を下げないために「イー」の時に前歯がきれいに全部見えるようにします。  続いて、口角は歯にびったり添わせるようにして、中心に寄せてきます。  どの時点でも、唇には、強く力を入れていてください。  特に口角が、左右に広がったところから向きを変えて中央により始めるその時に、力を抜かないで、意識して、力を入れるようにするのがポイントです。。


なおこの練習は2か月後に実際に英文をつなげて言う「Where are you?」の練習に変わります。

「オーイー」は「オ」と「イ」2つの音をつなげて言う練習ですが、次の「Where are you?」の練習で、実際に英語の音をつなげてしゃべる練習をします。  「オーイーの練習」はその準備練習となりますので、この練習で「唇に力を入れながら、同時に音をつなげて言う」という感覚をつかんでください。  

沢さんは「Where are you?」の練習に入った当初、唇に力を入れて英語をしゃべると、ずいぶん英文が切れました。  ブツブツ切れるというよりは、「空間が空く」というくらい切れました。  少しでもそうならないために、オーイーの練習で、「唇に力を入れながら同時に音をつなげてしゃべる」感覚をつかんでください。


6月1日のブログに「川合メソッド2」練習前と練習後の沢さんの発音を載せました。  私は沢さん自身にもこの比較を聞いていただきました。  彼女は、自分の録音を聞いて、「練習前の発音は音がブツブツ切れている」といいました。  この練習前の沢さんの発音を聞いて、「音がブツブツ切れている」と感じる日本人の方はあまりいません。

なぜならこれは、日本人の普通の英語のしゃべり方だからです。  ほとんどの方はこの発音を聞いても、あまり違和感がないと思います。

沢さんがなぜ音がブツブツ切れていると感じたかというと、唇の力を強くして音をつなげる練習をしてきたからです。  

「オーイーの練習」をしている時は、唇はもちろん、舌、口蓋などの口の中、頬(ほお)、あご、などの顔の筋肉、それにつながる首の筋肉などにも、力が入っているのがわかります。  もっとよく観察すると、胸の肋骨の下あたりの筋肉や、おなかにも力が入っています。  私は、立ってやるときは、口角を左右から中央に寄せてくる時に、お尻の筋肉を左右から中央に縮めてくるようにしてやっています。

なぜここまで力を入れるのかと言いますと、5か月目から英語の音質で話す練習が始まります。  その時、軟口蓋を上げて鼻腔への通路をあけていきます。

軟口蓋を上げる、つまり、口の中にあるものの位置を変えることは大変なのですが、こうやって口の内外の筋肉を鍛えておくと、軟口蓋を上げやすくなります。  これは沢さんに指摘されてわかったことでした。ですからめいっぱい唇に力を入れて「オーイーの練習」をしてください。

この練習は音声がなくても、出来ると思いますが、一応、私の音声を載せておきます。
音声はこちらです。

[file:creato-k:LS105962.MP3:sound]


「川合メソッド2」の練習終了後、沢さんにお会いした時、彼女は「練習終了後は、顔全体を使って英語を話すようになりました」と言っていました。  それはこの練習の結果ですね。  この練習によって発音に使う様々な筋肉全体が強くなりますので、明瞭な発音が出来るようになります。 

私たちは日常生活で英語を話しているわけではありませんので、普段英語を話していない人のための筋肉トレーニングが必要になります。


====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
7月17日から8月6日までの練習内容

Lの練習(2) 長いLで例文を言う 3回
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 3秒 x 5回
Wの練習(1) 普通のWで例文を言う 5回
Nの練習(1) 普通のN出例文を言う 5回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  5回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
=============================
なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)

(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。


ここから先は、毎回掲載していることです。「なぜ毎回同じことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。  今日は、一番最後の「発音練習について」という項目で、少し加筆したところがあります。


* * *

私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

* * *

英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校の指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日のブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。  「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、アラビア語アラビア語で教えられたら、アラビア語が堪能になるのでしょうか?  それを自分で証明してから、「英語を英語で教えること」を提唱してください。

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。





私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくにわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

私は先回地下鉄のアナウンスみたいに練習するとやりやすいですよ。と申し上げました。

マルノウチ ライン
ハンゾウモン ライン

を例として挙げました。

今日は、私がこれをどう練習しているか、書きますね。
やっている通り書きます。

まず、「マルノウチ」と言いおわったら、間髪をいれず、すぐに舌先を歯茎に着けます。  

そこで、息を送って、L の「ルー」という音を出しながら、一呼吸そのまま続けます。

それから、舌を離して「ライン」と言います。

ハンゾウモン ライン」というときも同じです。
ハンゾウモン」と言い終わったら、間髪を入れず、すぐに舌先を歯茎に着けます。
そこで息を送って L の「ルー」という音を出しながら、一呼吸そのまま続けます。

それから、舌を離して「ライン」と言います。

こうやって私は練習しています。

こうすると子音を言うタイミングが分かってきます。
どうわかってくるかというと、「英語の子音は日本人が思っているより、早く始まっている」ということです。

今皆さんにやっていただいている「川合メソッド2」の練習は、まず子音に長さがあることをわかっていただくためですので、後に音を長く伸ばしています。

けれども実際には、子音は「前に長くなっている」ということが分かってきます。  つまり、日本人が思っているより、早く始まっている場合が多い、ということです。
(もちろん強調して、後にも長くなっているときもあります。)

こちらのブログで見ていただいたマライア・キャリーさんの L の準備は、藤田さんが「まさか、まだ L は始まっていない」と思っているときに、もう始まっていたわけです。  だから藤田さんはそれが、L を言うために舌が歯茎につく音だとは思わなかったわけですね。

それで、私たちは通じる子音で話すのが大変なんですね。
思っていたより、早く子音をスタートしなければならないからですね。  慣れているやり方より早く動作をスタートする、というのは大変です。
その感じが、このマルノウチライン、ハンゾウモンラインの練習でなんとなくつかめてきます。
この練習は、電車を待っているときや、テレビがコマーシャルになったときや、お皿を洗いながらでもできますので、そういう細切れ時間を活用してやってみてください。  
早く子音の準備をスタートする感覚が分かってきます。

フォニックスチャンツなど、英語圏にいる子供たちが行っている練習を日本人がおこなっても、通じる英語で話せるようにはなりません。  日本人の英語が通じにくくなる原因は「日本語を母国語とするからこそ起こってくる問題」だからです。  日本人は日英の子音の違いを自分で聞けるようにならないと、通じる英語では話せません。  先生に発音を直してもらうだけでは通じる英語で話せるようにはなりません。   

もう、「日本人に音は聞けない」などと言っている場合ではないのです。
聞けなければ、通じる発音で話せません。

自分の耳で発音を聞く能力を育てましょう。
日英の子音の違いを自分の耳で聞けるようになりましょう。

どこを聞くかは「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)に書いてあります。
どう発音するかは「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)に書いてあります。

* * *

何度もお願いしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 


* * *



 

* * *