川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

きのこの山とたけのこの里 (再掲載2017)

今日のブログを始める前に、高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。


英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)



* * * それでは今日のブログに入ります。

今日のブログは、2016年7月27日のブログ「きのこの山たけのこの里」の再掲載です。  このブログは、去年随分長い期間にわたって、皆さんに読まれていたブログでした。  子音の日本語化がイメージ的によくわかるようになります。

また、今日のブログの最後に私の本の宣伝を入れさせていただきました。

* * *

私は数年前、知人に「きのこの山」と「たけのこの里」というお菓子を使って、英語の子音と日本語の子音の違いを説明したことがあります。

今回それをブログに書くにあたって、皆さんにこの2つのお菓子を見ていただこうと、画像を検索しました。  そうしたら、この2つのお菓子について、いろいろな記事が載っていました。  それを読んで、この2つのお菓子が、とても有名なお菓子だったことを初めて知りました。


まず、「きのこの山」と「たけのこの里」の画像をご覧ください。

http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/kinotake/

娘が高校生のころ、スーパーでおやつのお菓子を買っていました。  小袋に入ったきのこの山たけのこの里が一緒になって大きな袋に入っているものをよく買いました。

ある日、それを食べていた娘が、「由紀子はきのこの山より、たけのこの里の方が好きなの。  全部たけのこの里だったらいいのになあ〜」と言いました。

それを聞いた時、理由はすぐにわかりました。

画像にあるとおり、きのこの山はきのこの笠の部分がチョコレートで、軸の部分がクラッカーでできています。  チョコとクラッカーは、はっきり分かれています。

一方、たけのこの里はたけのこの形をしたビスケット生地にチョコレートが薄くコーティングされています。  こちらはチョコとビスケットは不可分の関係で、くっついています。  それが娘にはおいしく感じられたのでしょう。

そんなことを考えながら、きのこの山たけのこの里を、じっと見つめていたら、このチョコレートとビスケット(クラッカー)の関係が、英語と日本語の子音と母音の関係に見えてきました。

チョコレートを子音と考えビスケット(クラッカー)を母音とします。
そうすると、きのこの山は、英語の子音と母音の関係に似ています。

きのこの笠全部がチョコレートの塊でできています。  これは一つの音として独立して発音される英語の子音と同じです。  母音はクラッカーでできた軸の部分で、やはりチョコとは別の塊(一つの独立した音)を作っています。

たけのこの里は、日本語の子音と母音の関係に似ています。

たけのこ型のビスケット生地に、薄く不可分の形でコーティングされているチョコレートは、いつも母音と一緒に発音される日本語の子音と似ています。  チョコはビスケット生地と一緒でないと壊れてしまうくらい薄くて、いつもビスケット生地にくっついています。  いつも母音と一緒でなければ一つの音にならない、日本語の子音に似ています。

なぜ私が、こんな話をするかというと、イメージの力というのは、結構強いものだからです。  「続・英語発音、日本人でもここまで出来ます。」(緑の本)にも書きましたが、言葉で考えるより、ストレートに映像で、浮かんでくるイメージは、とても強いインパクトを持っています。

ですから、「英語の子音はきのこの笠くらいの厚さ」があり、「日本語の子音はたけのこの皮くらいの薄さ」、そんなイメージを持っておくと感覚的によくわかります。

子音の日本語化は、「きのこの山」のチョコレートでできた笠の部分が溶けて、クラッカーでできた軸の部分に薄くコーティングしてしまうようなものです。  そうすると、きのこの笠の形はなくなりますから、いつもきのこの笠の形を見てきた人には、何の形だかわからなくなります。

そうならないために、英語の子音は、チョコの塊でできたきのこの笠のように、存在感を持って発音しましょう。  

どうやったら、存在感のある子音が発音できるかというと、L,N、W が単語の最初に来たら、少し長めにしっかり発音するようにします。  

私は、2週間くらい前、発音を習っている中学生の音読を聞きました。  ツルツル、ツルツルした英語発音でした。  ツルツルした英語発音とはどういう意味かというと、子音が全部2ミリだったということです。(「2ミリ」という表現については7月5日のブログをご覧ください)

音読の間中、どこにも「子音の長さ」が聞こえず、子音は全部滑るように次の音に移行した。ということです。  子音が全部、たけのこの皮のように薄かったということです。 

英語本来の「子音の長さ」が言えないと、こういうツルツルした音読になります。  演説などでは、すべての言葉を強く言いますので、日本語化していることはあまり目立ちませんが、普通の文章を比較的速く音読すると、このようにツルツルした発音になります。  

大人の方でも、速く発音すると、こういうツルツルした英語で話す方はたくさんいらっしゃいます。 発音の先生でも、こういうツルツルした子音で生徒のお手本を読んでいる方はいらっしゃいます。  先生が長さのない子音でお手本の文を発音してしまうと、生徒は「自分の子音には長さがない」と気づくことはできませんね。

ネイティブの速い英語を聞いていても、そんなにツルツルした感じはありません。  やはりぐっと長さを保って言われる音が文中にありますから、その部分でそれなりの厚みを感じますし、メリハリも感じます。  全文ツルツルはしていませんね。  

 

====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
7月17日から8月6日までの練習内容

Lの練習(2) 長いLで例文を言う 3回
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 3秒 x 5回
Wの練習(1) 普通のWで例文を言う 5回
Nの練習(1) 普通のN出例文を言う 5回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  5回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
=============================
なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)

(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。

* * *

私は中学1年生の時から2年間、毎日2時間、発音練習をしていました。  自分の発音を録音して、お手本の発音と聞き比べて自分で直すやり方でした。(川合メソッドの原型です)  大学では英語の教師になるための勉強をしました。  その後、20代で英語を教え、外資系企業で、アメリカ人のスタッフと働きました。  結婚して、夫の赴任について30代、40代の時に渡米し、計10年アメリカで暮らしました。  そして、帰って来てから、50代で再び英語を教え始めました。  (今は、あまり体調がよくないので、生徒さんはとっていません。)

この間、10代から50代まで私はずっと発音練習をしてきました。  その結果、私には、中学生の時の発音練習では聞こえなかった「ある音」が聞けるようになりました。  それは「子音の長さ」です。  アメリカ人がナチュラルスピードで話していても、一瞬、口の形が保持されて長さを持った子音が聞こえます。  

よくテニスや野球などの球技をなさるスポーツ選手の方々が、「ボールが一瞬、止まって見える」とか「ボールが一瞬ラケットにくっついているのが見える」とおっしゃることがあります。  私の場合は、そんな高度な話ではなくて、普通の人間が経験する低レベルの話ですが、口の形が一瞬保持されて、音が長さを持って聞こえます。

私がなぜ、そういう音が聞こえるようになったのかと言うと、上級になっても、ずっと「自分の発音を録音して、ネイティブの発音と比べて直す」という練習の仕方をしてきたからだと思います。

お手本を聞いて、直すことを何年も続けていけば、ネイティブの発音と自分発音の違うところがだんだん直って同じになっていきます。  でも、ある時、同じにならない音があったのだと思います。  それを同じにするために、

私は、Lの発音で、舌を歯茎に付けたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかった、のだと思います。

お手本と同じ音にするために、私はWの発音で、唇をすぼめたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかったのだと思います。

お手本と同じ音を出すために私は、Nの発音で、舌を歯茎に付けたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかったのだと思います。

No や Not などの単語が、時々、「ンノウ」や「ンナット」に聞こえることは、皆さんにもあると思います。  それを録音した時に、自分の発音がお手本の発音と同じに聞こえるようにするためには、Nを発音するときの口の形を保持せざるを得ませんね。 

こういう事を繰り返していくうちに、私には40年前、中学生のころの発音練習では、聞けなかった音が聞こえるようになりました。

その音が聞けるようになると、ほかの日本人の方々の発音には「その口の形を保持している間に出る音がない」ということも自分の耳で聞けるようになりました。

その時、私は、「この音は、耳が、日本語の音だけを取り込むように設定されている人には聞こえない音なのだ」ということがわかりました。  「聞く練習をしていない日本人には、聞こえない音なのだ」ということがわかりました。

私は、皆さんにも、その音を聞いていただきたいと思い、川合メソッド2の練習を考えました。  なぜなら、この音が発音できないと、非常に聞きにくい発音になるからです。

日本人の発音がわかりにくいと言われてきたのは、この音を発音していなかったからです。

この音は、発音セミナーに何回、出席しても聞き取れるようにはなりません。
この音は、発音レッスンを何回、受けても聞き取れるようにはなりません。

自分の耳で、音を聞く努力をしないと、聞けない音なのです。

いろいろな生徒さんを教えているうちに、「その音は、留学をしたから聞き取れるようになるわけではない」「アメリカに10年、20年、住んでいるから聞けるようになるわけではない」ということもわかりました。

それでは日本にいて、その音を聞くためにはどうしたらよいかというと、L,N,W が、単語の最初に来た時、少し長めに発音するようにしていると、聞こえるようになってきます。  どうやって、少し長く発音するかは、川合メソッド2、各子音の練習(2)をやっていただくとわかります。

そして、いつも自分の耳で音を聞く努力をしていくことです。  これが一番大事なことです。  この意識がないと、聞き取れません。


私は、もうすぐ「耳が日本語の音だけに縛られない人たちが、日本人の中に現れてくる」と思っています。  「自分で日本語にはない音を聞き取れるようになった人たちが日本人の中に現れてくる」そう思っています。  

彼らこそ、「発音の教師」という肩書きこそありませんが、これからの日本人の英語をリードしていく人たちです。

そういう人たちが現れてくると、日本人の英語が変わります。  70年の長い眠りから、日本人の「耳の力」が目を覚まし、よく通じる発音でしゃべれるようになります。

* * *

私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

* * *

ここから先は、毎回掲載していることです。「なぜ毎回同じことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

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英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校の指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日のブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。  「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、アラビア語アラビア語で教えられたら、アラビア語が堪能になるのでしょうか?  それを自分で証明してから、「英語を英語で教えること」を提唱してください。

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。




私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくにわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

私は7月5日のブログで地下鉄のアナウンスみたいに練習するとやりやすいですよ。と申し上げました。

マルノウチ ライン
ハンゾウモン ライン

を例として挙げました。

今日は、私がこれをどう練習しているか、書きますね。
やっている通り書きます。

まず、「マルノウチ」と言いおわったら、間髪をいれず、すぐに舌先を歯茎に着けます。  

そこで、息を送って、L の「ルー」という音を出しながら、一呼吸そのまま続けます。

それから、舌を離して「ライン」と言います。

ハンゾウモン ライン」というときも同じです。
ハンゾウモン」と言い終わったら、間髪を入れず、すぐに舌先を歯茎に着けます。
そこで息を送って L の「ルー」という音を出しながら、一呼吸そのまま続けます。

それから、舌を離して「ライン」と言います。

こうやって私は練習しています。

こうすると子音を言うタイミングが分かってきます。
どうわかってくるかというと、「英語の子音は日本人が思っているより、早く始まっている」ということです。

今皆さんにやっていただいている「川合メソッド2」の練習は、まず子音に長さがあることをわかっていただくためですので、後に音を長く伸ばしています。

けれども実際には、子音は「前に長くなっている」ということが分かってきます。  つまり、日本人が思っているより、早く始まっている場合が多い、ということです。
(もちろん強調して、後にも長くなっているときもあります。)

こちらのブログで見ていただいたマライア・キャリーさんの L の準備は、藤田さんが「まさか、まだ L は始まっていない」と思っているときに、もう始まっていたわけです。  だから藤田さんはそれが、L を言うために舌が歯茎につく音だとは思わなかったわけですね。

それで、私たちは通じる子音で話すのが大変なんですね。
思っていたより、早く子音をスタートしなければならないからですね。  慣れているやり方より早く動作をスタートする、というのは大変です。
その感じが、このマルノウチライン、ハンゾウモンラインの練習でなんとなくつかめてきます。
この練習は、電車を待っているときや、テレビがコマーシャルになったときや、お皿を洗いながらでもできますので、そういう細切れ時間を活用してやってみてください。  
早く子音の準備をスタートする感覚が分かってきます。

フォニックスチャンツなど、英語圏にいる子供たちが行っている練習を日本人がおこなっても、通じる英語で話せるようにはなりません。  日本人の英語が通じにくくなる原因は「日本語を母国語とするからこそ起こってくる問題」だからです。  日本人は日英の子音の違いを自分で聞けるようにならないと、通じる英語では話せません。  先生に発音を直してもらうだけでは通じる英語で話せるようにはなりません。   

もう、「日本人に音は聞けない」などと言っている場合ではないのです。
聞けなければ、通じる発音で話せません。

自分の耳で発音を聞く能力を育てましょう。
日英の子音の違いを自分の耳で聞けるようになりましょう。

どこを聞くかは「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)に書いてあります。
どう発音するかは「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)に書いてあります。

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何度もお願いしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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