川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

N,Wの練習4週目 (再掲載2017)

今日のブログを始める前に、高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。


英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)


* * * それでは今日のブログに入ります。

今日のブログは2016年7月31日のブログの再掲載です。
いつも書いている3つのことを今日は、クマさん、ブタさん、バージョンでまとめてみました。

* * *

「オーイーの練習」は唇に強く力を入れて言えるようになったら、周りの状況で声が出せなかったら、「オーイー」と声を発しないで、唇の動きだけで、練習しても結構です。

私が「イーウーの練習」をしていたころ、ある日、風邪気味で、マスクをかけて電車に乗りました。  もう唇の動きは「イーウー」と声を出さなくても強くできるようになっていたので、私はマスクの下で、ずっと声を出さないで、「イーウー」の練習をやっていました。

駅を5,6個過ぎる間には、200回は終わりました。

ですから声を出さないで、唇の動きだけで、練習するときがあっても結構です。  そのほうが、どこでも出来ると思いますので。

最後に、これは「個人の感想」ですが、相田さんから「オーイーの練習」はアンチエイジングに良い、という感想がありました。  ほうれい線予防に良い、と相田さんがおっしゃっていました。  

これについては、検証のしようがありませんので、「個人の感想」としてお伝えいたします。    

相田さんはこれで、「オーイーの練習」に対するモティベーションが一気に上がったそうです。

  

====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
7月17日から8月6日までの練習内容

Lの練習(2) 長いLで例文を言う 3回
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 3秒 x 5回
Wの練習(1) 普通のWで例文を言う 5回
Nの練習(1) 普通のN出例文を言う 5回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  5回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
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なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)

(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。

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前回の「きのこの山たけのこの里」のブログは、いかがでしたか?  英語の子音の言い方と、日本語の子音の言い方が全然違うということを理解していただけたらいいな、と思っています。

それに皆さんは、Nに関しては、英語と日本語で言い方が違うということは、すでに知っていると思います。  英語を使って仕事をしている方々は、No や Not が「ンノウ」や「ンナット」と言われるのを聞いたことがあると思います。

私のホームページの「皆様にお願い」という欄で、中学生にアルファベットの発音の仕方を教えたら、NとMのところで、生徒たちが笑ったという話をしました。  なぜ笑ったかというと、「そんな言い方、やりすぎじゃないの?」と生徒たちは感じたからです。

大人も、ネイティブが No や Notを「ンノウ」「ンナット」というのを聞いて、「そこまでしなくてもいいんじゃない」と思って、同じように言わないで、日本語のように「ノウ」「ナット」と発音する人がほとんどだと思います。

けれども、「そこまでしなくても」とか「やりすぎじゃないの?」と思うこと自体、「それは日本語とは違う音だ」と聞けている証拠だと私は思います。

皆さん、音は聞けているわけです。  ただ、日本語の子音の言い方を基準として、「やりすぎだ」と感じて同じに発音しなくてもいい、と思ってしまうだけです。

ここに、「言語の発音は日本語が標準だ」という無意識の思い込みがあると私は思います。

私たちが知っている言語は、最初は母国語である日本語だけです。  だから、言語の発音は日本語の発音が標準だ、と思うのは当然と言えば当然のことです。  

でも、子音の言い方に関しては、日本語の言い方、つまり、「子音と母音が常に一緒になって一つの音を表現する言い方」は、世界の言語の中では少数派です。

日本語の子音の言い方は世界の言語の子音の言い方のスタンダードではありません。  (これが、イタリア人やドイツ人が英語を学ぶ場合と私たちが英語を学ぶ場合の違うところです。)

だから日本語の子音の言い方に照らし合わせて、「大げさに聞こえるからやらない」と言っていると、英語の子音の言い方にならなくなります。

日本語と違う子音の言い方が聞こえてきたら、それは日本語とは違う言い方をする外国語なのだ、とそのまま受け入れて、同じように発音することが必要になってきます。

その外国語ではそういう子音の言い方をするのだ、と受け入れて、聞こえた通り発音するように練習してください。

No や Not を「ンノウ」や「ンナット」と発音していると、Never や Nameなど、ほかの単語のNの言い方も変わってきます。

私が7月24日のブログで、武田鉄矢さんの「夢の人」を聞くと、日本人の英語もいよいよクライマックスだ、と思うのは、オドロームの城が崩れるイメージと、日本人の中にある、「英語の子音も日本語の子音も同じ」という長い間の思い込みが崩れるイメージが重なるからでしょうね。

もうすぐですね。  皆さんが英語本来の子音で話すようになるのは。  そして、そういう人たちが日本人の英語を通じるように変えていきます。

* * *
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私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

* * *

ここから先は、毎回掲載していることです。「なぜ毎回同じことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

これから説明する3つのことの要点のみまとめると、次のようになります。



* * *

英語教育について  (クマさんが持っている旗の説明)

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について  (ウサギさんが持っている旗の説明)

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠氏は、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになるとブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。

石渡誠さんは、アラビア語アラビア語で教えられたら、アラビア語が堪能になるのでしょうか?  それを自分で証明してから、「英語を英語で教えること」を提唱してください。

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。


私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくにわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。(こちらのブログに書いてあります。)
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

(松本亨さんは、英語学習を始めてから7年目までは日本語訳を使って学んでいたそうですし、現在の提唱者も日本の中学、高校で英語を学んでいますので、日本語訳を使わず、英語力を身に着けた日本人は現在まで、一人も存在しません)

松本亨氏の提唱する英語で考える指導法は、単なる松本亨氏の勘違いから生まれたものであることがこちらのブログ「英語の思考活動」で明らかにされています。

発音練習について  (ブタさんが持っている旗の説明)

私がどのようにして英語の子音に長さがあることが聞こえるようになったか、その経緯を簡単にお話しいたします。(2016年7月27日のブログより抜粋しています。)

私は中学1年生の時から2年間、毎日2時間、発音練習をしていました。この2時間の中には、これから発音練習をする英文の意味を調べることや、発音練習が終わった後、それらの文を書けるようにする練習も含まれます。 (当時、もし学校の教科書の音声が入ったテープが入手できれば、学校で習った英文を家で発音練習すればよかっただけなのですが、当時は教科書の音声を録音したテープは市販されていませんでした。 それでテープ付きの教材を別に買って、英文を勉強してから発音練習をしましたので、一日2時間もかかりました。 もし、現在のように学校で習った教科書の音声が入手できるのでしたら、家では発音練習だけすればよいのですから、2時間もかからなくて済みます。) 昭和40年代でしたから、日常生活でもテレビのコマーシャルでも、英語を聞くことはありませんでした。  そういう中で、初めて聞くことになった英語の音を聞き取るのに、時間がかかりました。    練習のやり方は、自分の発音を録音して、お手本の発音と聞き比べて自分で直すやり方でした。  川合メソッドの原型です。  

(この方法は日本の発音の先生方には、「生徒が自分で発音を聞いて直すなどできるわけがない」と全く理解されませんでした。  けれども、2018年11月、私があるアメリカ人の先生に「自分の耳を使って発音を習得する川合メソッド」について説明したら、その先生は大きくうなづいて、「あなたのメソッドは発音をインターナライズするのですね」と理解してくださいました。  Internalize というのは「内面化する」「採り入れて自己のものとする」という意味です。  そのアメリカ人の先生は、川合メソッドがまさに耳を使って発音を自分の体に取り込み、自分の発音としてしゃべれるようにしていく方法だと理解してくださいました。  日本の発音の先生方は生徒に発音は直せないといいましたが、そういうことでは無く、「自分で発音を聞き比べて直していくことを繰り返す過程で、発音が生徒の体でインターナライズされていく」ということなのです。  このアメリカ人の先生は、この川合メソッドの神髄を理解してくださいました。  この時私はとてもうれしいと思いました。 でも、川合メソッドの神髄を最初に理解してくださったのが、アメリカ人の先生だったことにちょっとびっくりしました。)  

大学では英語の教師になるための勉強をしました。  その後、20代で英語を教え、外資系企業で、アメリカ人のスタッフと働きました。  結婚して、夫の赴任について30代、40代の時に渡米し、計10年アメリカで暮らしました。   2度目の赴任の時は、小学校5年生の娘の宿題は2年間、リーディングの課題を含め全教科一緒にやりました。  ハイスクール(高校)1年生の息子の宿題は、1年間一緒にやりました。  そして、帰って来てから、50代で再び英語を教え始めました。  (今は、あまり体調がよくないので、生徒さんはとっていません。)

この間、10代から50代まで私はずっと発音練習をしてきました。  その結果、私には、中学生の時の発音練習では聞こえなかった「ある音」が聞けるようになりました。  それは「子音の長さ」です。  アメリカ人がナチュラルスピードで話していても、一瞬、口の形が保持されて長さを持った子音が聞こえます。  

よくテニスや野球などの球技をなさるスポーツ選手の方々が、「ボールが一瞬、止まって見える」とか「ボールが一瞬ラケットにくっついているのが見える」とおっしゃることがあります。  私の場合は、そんな高度な話ではなくて、普通の人間が経験する低レベルの話ですが、口の形が一瞬保持されて、音が長さを持って聞こえます。

私がなぜ、そういう音が聞こえるようになったのかと言うと、上級になっても、ずっと「自分の発音を録音して、ネイティブの発音と比べて直す」という練習の仕方をしてきたからだと思います。

お手本を聞いて、直すことを何年も続けていけば、ネイティブの発音と自分発音の違うところがだんだん直って同じになっていきます。  でも、ある時、同じにならない音があったのだと思います。  それを同じにするために、

私は、Lの発音で、舌を歯茎に付けたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかった、のだと思います。

お手本と同じ音にするために、私はWの発音で、唇をすぼめたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかったのだと思います。

お手本と同じ音を出すために私は、Nの発音で、舌を歯茎に付けたまま、その口の形を保持して、音を出さなければならなかったのだと思います。

No や Not などの単語が、時々、「ンノウ」や「ンナット」に聞こえることは、皆さんにもあると思います。  それを録音した時に、自分の発音がお手本の発音と同じに聞こえるようにするためには、Nを発音するときの口の形を保持せざるを得ませんね。 

こういう事を繰り返していくうちに、私には40年前、中学生のころの発音練習では、聞けなかった音が聞こえるようになりました。

その音が聞けるようになると、ほかの日本人の方々の発音には「その口の形を保持している間に出る音がない」ということも自分の耳で聞けるようになりました。

その時、私は、「この音は、耳が、日本語の音だけを取り込むように設定されている人には聞こえない音なのだ」ということがわかりました。  「聞く練習をしていない日本人には、聞こえない音なのだ」ということがわかりました。

私は、皆さんにも、その音を聞いていただきたいと思い、川合メソッド2の練習を考えました。  なぜなら、この音が発音できないと、非常に聞きにくい発音になるからです。

日本人の発音がわかりにくいと言われてきたのは、この音を発音していなかったからです。

この音は、発音セミナーに何回、出席しても聞き取れるようにはなりません。
この音は、発音レッスンを何回、受けても聞き取れるようにはなりません。

自分の耳で、音を聞く努力をしないと、聞けない音なのです。

いろいろな生徒さんを教えているうちに、「その音は、留学をしたから聞き取れるようになるわけではない」「アメリカに10年、20年、住んでいるから聞けるようになるわけではない」ということもわかりました。

それでは日本にいて、その音を聞くためにはどうしたらよいかというと、L,N,W が、単語の最初に来た時、少し長めに発音するようにしていると、聞こえるようになってきます。  どうやって、少し長く発音するかは、川合メソッド2、各子音の練習をやっていただくとわかります。
(川合メソッド2子音を長く発音する練習は川合典子オフィシャルサイト「通じない日本人の発音」のページに掲載されています。)

そして、いつも自分の耳で音を聞く努力をしていくことです。  これが一番大事なことです。  この意識がないと、聞き取れません。


私は2017年7月5日のブログで地下鉄のアナウンスみたいに練習するとやりやすいですよ。と申し上げました。

マルノウチ ライン
ハンゾウモン ライン

を例として挙げました。

今日は、私がこれをどう練習しているか、書きますね。
やっている通り書きます。

まず、「マルノウチ」と言いおわったら、間髪をいれず、すぐに舌先を歯茎に着けます。  

そこで、息を送って、L の「ルー」という音を出しながら、一呼吸そのまま続けます。

それから、舌を離して「ライン」と言います。

ハンゾウモン ライン」というときも同じです。
ハンゾウモン」と言い終わったら、間髪を入れず、すぐに舌先を歯茎に着けます。
そこで息を送って L の「ルー」という音を出しながら、一呼吸そのまま続けます。

それから、舌を離して「ライン」と言います。

こうやって私は練習しています。

こうすると子音を言うタイミングが分かってきます。
どうわかってくるかというと、「英語の子音は日本人が思っているより、早く始まっている」ということです。

今皆さんにやっていただいている「川合メソッド2」の練習は、まず子音に長さがあることをわかっていただくためですので、後に音を長く伸ばしています。

けれども実際には、子音は「前に長くなっている」ということが分かってきます。  つまり、日本人が思っているより、早く始まっている場合が多い、ということです。
(もちろん強調して、後にも長くなっているときもあります。)

こちらのブログで見ていただいたマライア・キャリーさんの L の準備は、藤田さんが「まさか、まだ L は始まっていない」と思っているときに、もう始まっていたわけです。  だから藤田さんはそれが、L を言うために舌が歯茎につく音だとは思わなかったわけですね。

それで、私たちは通じる子音で話すのが大変なんですね。
思っていたより、早く子音をスタートしなければならないからですね。  慣れているやり方より早く動作をスタートする、というのは大変です。
その感じが、このマルノウチライン、ハンゾウモンラインの練習でなんとなくつかめてきます。
この練習は、電車を待っているときや、テレビがコマーシャルになったときや、お皿を洗いながらでもできますので、そういう細切れ時間を活用してやってみてください。  
早く子音の準備をスタートする感覚が分かってきます。

フォニックスチャンツなど、英語圏にいる子供たちが行っている方法を日本人がおこなっても、通じる英語で話せるようにはなりません。  彼らはすでに、長さのある子音で話していますので、フォニックスチャンツをしても、日本人の子音を長い子音に変える練習にはなりません。  

日本人の英語が通じにくくなる原因は「日本語を母国語とするからこそ起こってくる問題」です。  アメリカ人がやっている方法をそのままやっても日本語の言い方は直らないのです。  日本人は日英の子音の違いを自分で聞けるようにならないと、通じる英語では話せません。  そのためには、「つづり字と音の関係」や「バックの音楽」に注意を分散しないで、音だけに集中して聞く力を身に着けないと、この子音の違いは聞けるようにはならないのです。  先生に発音を直してもらうだけでは、この違いは聞けるようにならないのです。

もう、「日本人に音は聞けない」などと言っている場合ではないのです。
聞けなければ、通じる発音で話せません。

自分の耳で発音を聞く能力を育てましょう。
日英の子音の違いを自分の耳で聞けるようになりましょう。

どこを聞くかは「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)に書いてあります。
どう発音するかは「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)付属DVDで説明しています。

* * *

何度もお願いしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ(2017年7月16日)、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて(2017年7月19日)、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 
特に赤い本、「英語発音、日本人でもここまでできます。」(DVD付き)に対する妨害がひどいです。

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

* * *