川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

リズムの習得

先回のブログで英語のリズムについてお話しいたしました。

竹林滋先生と斉藤弘子先生のお書きになった「英語音声学入門」という本の174ページに書いてある部分を引用させていただいて、「英語の典型的なリズムは強弱のリズムであり、強と強の間隔はほぼ等しい」とご説明いたしました。

英語のリズムを身に付けるのに、最も適している発音練習の教材は普通の会話文です。  たくさんの会話文を発音練習していくと、それらの文章に共通する強弱のリズムが身に着きます。  すると、自己流で英語をしゃべっている人とは明らかに違う、英語らしいしゃべり方が出来るようになります。  まったく初めての英文を見た時でも、それをどういう強弱のリズムに乗せてしゃべればよいかわかるようになります。 

この英語のリズムはしゃべる時ばかりでなく書くときにも役に立ちます。

私がアメリカでハイスクールの先生にライティングの指導を受けていた時、先生は私の文章を直した後、何回も小さな声で、その部分を読んで、流れるようなリズムで言えないと、同じ内容を違う言葉で書き換えていらっしゃいました。

強弱のリズムで流れるように言える文章の感覚は書くときにも大事なのだと思いました。  やはり、こういう基本的なことを練習しないで、自己流でしゃべっているとどこか変な英語になりますので、普通の会話文で発音練習をして英語のリズムを体得してください。

発音練習の教材については、もう何度も言っていますので、演説が適さない、ということはお分かりだと思います。

では、映画のセリフはどうか。  今日はこれについてお話ししようと思います。

映画のセリフというのは「普通のしゃべり方のようでいて、実は普通のしゃべり方ではない場合が多い」と私は思っています。  アメリカから戻ってきた直後から数年間、私は映画のセリフを発音練習していました。

その時に、そう思いました。  わかりやすいように具体例を挙げてご説明いたします。  

皆さんがよく御存じの「プラダを着た悪魔」という映画があります。  その中に、メリル・ストリープ扮するミランダの仕事中の会話がたくさん出てきます。

彼女にとっては日常の会話ですけれど、しゃべり方は普通のしゃべり方のようでいて、実は普通のしゃべり方ではありません。  強弱のリズムにはならないで、立て板に水のようにサーっとしゃべっている時もありますし、普通ならそんなにイントネーションを上げないところで上げているところもありますし、普通は、それほど伸ばさないところで、伸ばしている時もあります。

普通の言い方とは微妙に違う言い方をしています。  それを聞いていると、こちらにどういう事が伝わってくるか、というと、ミランダがセリフとしてはしゃべっていないけれど、何を思っているかが伝わってきます。

例えば、
「なんで、こんなにみんな仕事ができないのかしら。  いやになっちゃうわ」という彼女の気持ちがぷんぷん伝わってきます。

裏を返すと、映画の俳優さんというのはそういうセリフのしゃべり方ができないとなれないのだろう、と思います。  額面通り、言っている言葉で表している内容だけしか観客に伝えられないようでは、監督さんに使ってもらえる映画俳優にはなれないのだろうと思います。

そのセリフを聞いていると、「二人の親密な関係がわかる」「今おかれた状況がかなり緊迫していることがわかる」「心の動きがわかる」そんなしゃべり方をしている場合が多いです。

ですからこれを「典型的な言い方」だと思って、映画のセリフでばかり発音練習していると、少し感じが違ってくる、と私は思いました。

私も映画のセリフを発音練習していたころは、普通の会話の発音教材と2本立てで毎日練習していました。  映画のセリフだけだと、発音の基本事項が少し崩れる気がしました。  もし映画のセリフばかりで発音練習していたら、英語の典型的なリズムが強弱だということもわからないかもしれないですね。

ですから、基本を身に付けるまでは、映画のセリフは使わないで、普通の会話文で練習される方がいいと思います。

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先回のブログで、歌の練習について書きました。

2008年から2009年にかけて私が、英語の歌を200回も300回も録音して練習していたと書きましたが、なぜあの頃、そんなに歌の練習に打ち込んでいたかというと、それが、2015年12月19日のブログ「7年前の出来事」に書いたことが起こった直後だったからでした。

ブログにも書いた通り、あの頃私はショックで泣いてばかりいました。  でも、こんな状態のままでは、そのうち自分はだめになってしまうと思いました。  それで、一生懸命、立ち直ろうとしましたが、なかなかできませんでした。  その時、歌を歌っている時だけは、比較的、気持ちが明るくなる、ということに気づきました。

それで、とにかく少しでも気持ちを明るくするために毎日歌の練習に没頭しました。  そうしたら、少しずつ気持ちが上向いてきました。  それで、気が付いたら、200回も300回も歌っていました。

声楽の萩原先生は、「こんなに努力する人は見たことがない」と言ってくださいましたけれど、私にはそうせざるを得ない事情がありました。

約一年間、歌の練習に打ち込みました。  一年たっても、つらいのは同じでしたが、もう朝に夕に毎日泣くことはなくなりました。  そうやって少しずつ、普通の日常生活に近づくことが出来ました。 ただ、それから5年たっても、松澤氏やKADOKAWAアスキーメディアワークスにされたことが一瞬も頭を離れることはありませんでした。 振り払っても振り払っても、その事が頭の隅に出てきました。  町で信号待ちをしているときも、スーパーで買った野菜を袋に詰めているときも、振り払っても振り払ってもそのことが頭の隅から消えませんでした。

精神的なショックから立ち直るのは時間がかかります。 



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




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英語教育について

文部科学省は高校の英語の授業を英語で行う方針をやめてください

理由
1. 効果がない。
2. 学校教育に詐欺商法を持ち込まない。
3. 税金を詐欺商法に使わない。

1.についてはセミの抜け殻のブログをご覧ください。
2.については10月16日11月6日のブログの最後をご覧ください。
3.については12月10日のブログの最後をご覧ください。

「英語で授業」のもとになった「英語で考える指導法」は提唱者もそのやり方で英語習得をしていない方法です。(「英語で考える本」松本亨 英友社 67ページ参照)

反論のある方は、「アラビア語で考える」「アラビア語アラビア語で理解する」というやり方で日本語訳を使わず、アラビア語をマスターして、その学習記録を公開してください。  その資料を見せていただいて、納得出来れば、私は直ちに自説を撤回し、失礼なことを言い続けてきたことを関係者の皆様に謝罪いたします。

「英語で考える」指導法の関係者の方々のように、みんなで「英語で考える指導法」は素晴らしいと動画でほめそやし、生徒に勧めておきながら、嘘だとわかった途端、誰もそのことには触れない、というような無責任なことは、私は致しません。  
自分の発言に責任を持ちます。

来年の4月からも、高校の英語の授業を英語で行う方針を続けるのでしたら、「文部科学省の存在意義そのものが失われる」と私は思っています。

理由は

詐欺商法に騙されて、まったく効果のない方法を全国の高校の英語教育に導入する役所など、いらないでしょう。  

国民の利益より、詐欺師の利益を優先する役所など、いりません。

私は、「先生方は、もう英語で授業の方針に従う必要はない」と思います。

もともと文部科学省のこの方針自体が無効だと思うからです。

文部科学省は「職権」によって、「一私企業が提唱する詐欺指導法」を全国の高校に行わせました。  詐欺商法に加担したわけです。  詐欺は犯罪です。

いかなる団体においても、犯罪に加担することを強要する方針は無効です。  したがって文部科学省のこの方針も無効だと思います。

高校の先生方が今日から日本語で、英語の授業をしたとしても、なんら罪に問われることはないと思います。

先生方は詐欺商法に加担するのを拒んだだけです。
先生方は犯罪に加担するのを拒んだだけです。

もしそれで、文部科学省から非難を受けたとしたら、非難をしたその人物こそが、詐欺商法を全国に広める方針を主導した人物でしょう。  罪を問われるのはその人物の方だと思います。

私が2015年6月1日のブログをアップしなければ、文部科学省は中学の英語の授業も英語で行うつもりだったのでしょう

中学も高校も、
「一国の英語教育」が一私企業の詐欺商法に乗っ取られるなど、前代未聞の不祥事だと思います。  あり得ないことです。

なぜこの方法が審査もされずに文部科学省に持ち込まれたのか。
なぜこの方法が効果も検証されずに全国で実施に移されたのか。
なぜ多くの先生方が反対しているのに、効果を実証するデータも提示されないまま一方的に実施されたのか。
そこに職権の乱用はなかったのか。
癒着はなかったのか。

被害が日本中の高校生に及んだ詐欺事件なのですから、警察の介入も視野に入れて明らかにするべきでしょう。  そうしないとまた同じことが起こります。  とんでもない方法がまた日本の英語教育を乗っ取ります。


高校の先生方はもう、この方針に従う必要はないと思います。  詐欺商法に協力しなくても誰からも咎められる理由はありません。

この件で罪を問われるのは、詐欺商法に加担した文部科学省の方でしょう。

先生方は今日から子供達に、子供たちがよく理解できる日本語で、授業をされて構わないと思います。  

高校の英語の先生方は、どうぞ日本語で授業をして、文部科学省の誤った方針の被害を受けてきた子供たちを救ってください。

最初からこの方針に反対していた先生方に、文部科学省の失敗のしりぬぐいだけお願いするようで申し訳ないですが、どうぞ犠牲になってきた子供たちに、日本語で授業をして、子供たちを救ってください。

きっと私の息子のように「こんなもん、英語でいくら言われたってわかんないんだよ」と思っていた生徒は多いでしょう。  自分のわかる言葉で先生が教えてくだされば子供たちは安心します。

文部科学省のこの方針自体が無効だと、私は思います。

一国の英語教育が、一私企業が提唱する詐欺商法に乗っ取られるなど、前代未聞の不祥事です。

先生方は日本語で英語の授業をされて構わないと思います。

いかなる団体においても、犯罪に加担することを強要する方針は無効です。  


なぜ、私が上の文章を書いたのかというと次のような理由です。

文部科学省が、「高校の英語の授業を英語で行う方針」を多くの高校の先生方の反対を押し切って実施し、1,2年たったころ、私は次のような話をインターネット上で読みました。

「西日本のある高校で英語の先生方が、日本語で英語の授業をしていたら、文部科学省から文書で、「英語の授業は英語で行うよう」注意を受けた。」
というものでした。  ネット上で読んだ話ですので、本当にこういうことがあったのかどうかはわかりません。  けれども、もし本当だとしたら、とんでもないことだと私は思いました。 「英語で授業」など、初級、中級者には全く効果がありませんし、英語で考える指導法の提唱者、松本亨氏自身でさえ、英語学習7年目で日本語訳を使わない勉強に切り替えたといっているくらいですから、もともと高校生には何の役にも立たない指導法です。  

それなのに、英語で授業をやらないからといって、(もし本当に)高校の先生方を注意したのなら、不勉強な文部科学省のとんでもない間違いです。  そんなことをする暇があったら、自分達の決めた詐欺指導法「英語で授業」を撤廃する方がはるかに高校英語教育の役に立ちます。  私は、日本語で英語の授業をする高校の先生方を文部科学省がとがめだてするようなことは、絶対にやめてほしかったので、上の文章を書きました。  文部科学省は日本語で英語の授業をする高校の先生方をとがめだてするようなことは絶対にやめてください。 高校の先生方は、間違った文部科学省の方針から必死に生徒を守っているだけです。 間違っているのは文部科学省のほうですから。  

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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ(2017年7月16日)、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて(2017年7月19日)、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。