川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

中学時代に、きちんと発音習得を行った英語教育の専門家はいないのでしょうか?

このブログもそうですが、私のブログには為政者から激しく妨害されているものがいくつかあります。いずれも為政者が国民に甚だしい不利益を与えることについて書いてあります。 このブログと併せてお読みください。日付をクリックすると移動できます。
「大学入試でスピーキングテストをすればスピーキング能力が上がる」というのは国民を騙(だま)す自民党の詐欺行為(犯罪)です。テストでスピーキング能力は上がりません。

2020年3月17日 各大学はスピーキング試験(民間試験)をする必要はありません。大学の先生方は受験生を騙す詐欺(犯罪)に加担するよう強制されることはありません。いかなる団体においても犯罪を強要する方針は無効です。(民間試験は50年やっても4技能向上に効果はなかった。)

2020年2月29日 ポートフォリオはベネッセの見込み顧客(高校生)のデータを国家に集めさせる極めて危険で悪質な手段です。 下村博文議員と安倍総理大臣がすべての国民のIDと個人情報をベネッセに与えてよいのですか。

大学入試改革を担った鈴木寛教授が実際には英語教育に全く無知であった(カタカナ発音と英語発音の区別も出来ない)ことについては2020年4月23日のブログに書いてあります。 鈴木寛教授のことを書いたとたん為政者から激しい妨害が始まりました。



* * * ここから今日のブログが始まります。 * * *

昨年ネット上セミナーをした時、私はなるべく早い時期にスタートしたいと思っていました。  なぜなら、第2部の「英語の音質で話す練習」が2月の極寒の時期に入ってしまうと冷たい空気が皆さんの鼻腔や喉を傷めてしまうかもしれないと心配だったからです。

でも、その前の「大学教育を英語で行うこと」のブログが5月までかかってしまったので、ぎりぎり6月のスタートになってしまいました。

今の時期も2月ほどではありませんが、だいぶ寒いですから練習するときは、どうぞ暖かい部屋で、行ってください。  空気が乾いていたら、湯気の立ったお茶などを用意して行ってください。  決して無理をしないでください。  調子が悪いときは、練習をお休みしてください。

それでは今日の本題に入ります。


私は自分の著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」の81ページに「話す」「聞く」「読む」「書く」をらせん階段を上るように順番に勉強していくのがよいと書きましたが、これは、基礎の習得が終わった大人の学習者向けに書いたことです。  中学生の英語教育には当てはまりません。  その点を誤解されないよう、お願いいたします。


先回のブログでは、文部科学省の新学習指導要領の問題点を指摘し、本当に効果のある学習指導要領の見本をみていただきました。
文部科学省は「日本人が英語を話せない」という問題を解決するために学習指導要領に「生徒にしゃべらせる」ことばかり書いていますが、日本人の英語の習得には一つの大きな原則があります。  

それは「インプットしていないものはアウトプットできない」ということです。 
発音についていえば、耳の中にその音が蓄積されていないと、同じ音で言うことはできません。 

また、発音習得は、筋肉の運動ですので単なるインプット(発音の仕方を教える、音を聞く)だけではなく、同じ音で発音できるようになるまでを考えますので、約2年を要します。

ヨーロッパの人々のように、発音も語順も英語と近い母国語を話している人たちは、文そのもののインプットがなくても、変換するときの決まりを知って、単語を英語に取り替えていけば母国語で言ったことを英語に変えるのは、ある程度できると思います。  そういう人たちには、話したり、書いたりするアウトプットの練習は有効でしょう。(これについてはこちらのブログを参考にしてください。)  発音も子音を単独で言えますから通じます。

でも日本で初期の学習者にしゃべらせる練習ばかりやらせても有効な英語教育はできません。  文部科学省の方針には、「自分の考えをまとめて英語で話させる」とか「即興で話させる」などの練習がありますが、自分で作った文は音声モデルがありませんから、子供たちは自己流の発音で話すようになります。  これをやっていると正しい発音の習得はできません。  自己流の発音のほうが楽だからです。

初期の学習者に必要なことは自分で英文を作ってしゃべることではありません。
初期の学習者に必要なのは、

英語というのはどういう文で表現するのか。(典型的な文の形)
それをどういう発音でしゃべるのか。

これを徹底して身に着けさせることが、初期の学習者に必要なことなのです。
そして、これが最も「強固な英語の基礎」を作る方法なのです。

文部科学省は中学生にしゃべらせることばかり学習指導要領に書いていますが、正しい発音を習得していないで英語をしゃべらせても、効果は上がりません。

私はどうしてこういう文部科学省の方針の問題点を英語教育の専門家が指摘しないのかずっと疑問に思っていました。  そして最近、やっとその理由が分かりました。

日本には、中学時代に正しい発音の習得を行った英語教育の専門家がいないのではないでしょうか。

私は帰国子女や留学経験があって、ネイティブに近い発音をする英語教育の専門家は何人も知っています。  けれども、日本の普通の子供のように、中学生になって、初めて学校で英語を学び、正しい発音の習得を行いながら英語学習を大学まで行った英語教育の専門家には今まで一人も会ったことがありません。 

2年くらい前、新聞の特集で、立派な肩書をお持ちの英語教育の専門家がインタビューに答える形で自分が勧める英語教育の方法を語っているのを読みました。  けれども、どれを読んでも私には、「そういう教育の仕方では、生徒はどこで正しい発音を習得するの?  これでは、子供たちは自己流の発音で話すしかないじゃない」と思うものばかりでした。  どの人の意見も発音習得のプロセスが全く抜けていたのです。

日本には、中学時代に学校の勉強の一環として正しい発音の習得をしてきた英語教育の専門家はいないのでしょうか?  みんな発音習得を全く考えない教育方法ばかりおっしゃっていました。  けれども、学校教育の中で、子供たちに正しい発音を習得させなくては、子供たちは通じる英語で話せるようにはなりません。

文部科学省の方々も、正しい発音を習得した経験はないでしょう。  文部科学省に英語教育について、アドバイスをした、英語教育の専門家の方々の中にも、中学時代に正しい発音の習得を行った経験のある人はいないでしょう。  もし、そういう経験があったら、こんな方針は出してきませんから。

けれども、自分が正しい発音を習得していないのに、よく文部科学省に学習指導要領についてアドバイス出来ると思います。  発音は英語の最も基本的なスキルです。  基本スキルも習得していないのにアドバイスをするのは、今、自動車業界で問題になっている「無資格者が仕事をしている」ことと同じです。  やめていただきたいと思います。  

自分がやってないことについて「学習指導要領」を書くのは、無理なのでしょうね。  泳げない人は、水泳の指導教本は書けませんから。  そういう意味では、文部科学省には、日本人が通じる英語で話せるようになる学習指導要領を書く能力はありません。  そういう人たちが書いた方針に従わされる子供たちは本当にかわいそうです。

文部科学省は、石渡誠氏「英語で考える詐欺指導法」は、何の検証もせずに全国の高校で「英語で授業」という形ですぐに実施しました。  仲間をまもるために「新学習指導要領」から石渡誠氏の詐欺指導法(英語で授業)を削除することもしませんでした。  私は、「学校で一企業が勧める「詐欺指導法」を効果の検証もせずに行わせるのは国家公務員法違反だからやめてください」と何回も言っているのに、まだ懲りずに、文部科学省は、石渡誠氏の詐欺指導法を新学習指導要領に入れています。

こういうことをやっていると、日本人はグローバル化の流れの中で、沈没します。  子供たちが、ちっとも通じる英語で話せるようにならないからです。それは、すべて、文部科学省の責任です。  文部科学省が子供たちの英語力を本気で上げる気がないからです。

私はいつもブログの最後に、3つのことを書いています。  その一番目、文部科学省のところには次のように書いてあります。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

これを見ていただくと分かりますが、文部科学省の方針は小学校から大学まで、まったく効果がない方針ばかりです。  文部科学省に有効な英語教育の方針を立てる能力がない、ということの証明です。  なぜ、有効な英語教育の方針が書けないのか?  やったことがないからです。  正しい発音も習得したことがないからです。 

知らなかったら勉強してくださればいいのですが、そういう気もないのです。  仲間が責任を取らされないようにすることが一番大事で、本当に子供たちが高い英語力を持つようになる学習指導要領を書こうという意欲がないからです。 

こういう文部科学省が学習指導要領を書いている限り、これから何十年たっても、日本は国際化もグローバル化もできません。  通じる英語で話せる子供たちが育たないからです。  文部科学省はそういう子供たちを育てようという気もありません。  やる気のない文部科学省のせいで、日本は、グローバル化の流れの中で沈没します。  



ついでなので申し上げますが、こちらのブログに書いた方法で中学の英語教育を行うと、小学校で、英語教育をしなくても、中学生は、正しい発音で、中学3年間に習った英文をスラスラ言えるようになります。  その発音は世界中どこでも通じます。  コストは、CDを一枚教科書に付けるだけです。  文部科学省はそれさえする気はないのですね。 

(小学校で英語教育などしなくても中学3年間で、生徒は世界中どこでも通じる発音で中学3年間に習った英文をスラスラ言えるようになります。  これは中学卒業のレベルで完璧な英語コミュニケーション能力を生徒たちが身につけるということです。  小学校から7年もかけなくても中学3年間でそれはできます。私自身は実際に中学3年間で英語の基礎と発音の基礎を身につけました。こちらのブログに書かれている中学生も中学3年間で英語の基礎と発音の基礎を身につけました。 ですから、中学3年間で英語の基礎と発音の基礎を身につけることは十分可能です。こちらが中学生で発音習得をした私の発音です ホームページ「通じない日本人の発音」のページより転載しました。) 

音声のお手本がなかったら発音習得はできないのです。  こんなことも文部科学省は知らないのですか。  こういう人たちが英語の学習指導要領を書いていること自体私には信じられないです。  音声見本も与えられないで、子供たちが英語の発音を習得できるわけがないでしょう。 こんなことも知らないで文部科学省は英語の学習指導要領を書いているのですか?  「お金のある家の子供も、そうでない家の子供も宿題をちゃんとすれば、正しい発音で話せるようになる」そういう教育をしてやらなければ子供たちがかわいそうです。    
日本は、「子供たちの英語コミュニケーション能力を本気で上げよう」という意欲のない文部科学省のせいで、グローバル化の流れの中で、沈没します。  やり方によっては日本中の中学生が(つまり、国民はみんな中学時代を経験して大人になるわけですから、将来の日本国民全体が)世界中どこでも通じる発音で話せるようにしてやることもできるのに、本当に残念だと思います。  すべて本気で取り組まない文部科学省の責任です。




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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)





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ここから先はいつも書いていることです。

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7月30日以降、私は、いつもブログに書いている3つのことの2番目、「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について」という項目の最初のほうに文章を付け加えました。 

それをお読みになると私がこの4年間、全く名前を出すことのなかった石渡誠氏の名前をなぜ書くようになったのか、その理由がお分かりになります。

英語で考える指導法の提唱者、石渡誠氏は、その方法が有効であるならば、日本語訳を使わず、アラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうかご自身でやってみて、その結果を公開してください。  「英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきて、良いことです」(2017年7月30日のブログ)などとおっしゃるのは、それを自分で証明してからにしてください。
  
自分で、その証明ができないなら、「英語で考える指導法」は、本当は実在しない「英語で考える詐欺指導法」であり、「英語を英語で理解する指導法」は、本当は実在しない「英語を英語で理解する詐欺指導法」ということです。この詐欺指導法を提唱する石渡誠氏は、自分が日本中の高校生、中学生(「英語で授業」は決定されましたが、まだ実施はされていません)にどれほどひどいことをしてきたか、真剣に自覚されたほうがいいと思います。 

教師としての良心があるなら、自分の商売を拡大する前に、今もなお石渡氏の「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になっている日本中の高校生、中学生にすることがあるでしょう。

石渡氏の2015年5月7日のブログを読むと、文部科学省にこの「英語で考える詐欺指導法」を持ち込んだのが石渡氏であることが分かります。  私たち国民は、この「英語で考える詐欺指導法」がどうやって文部科学省に持ち込まれたのか、知る権利(国民の知る権利)がありますので、このことを書き添えました。

私は、その数か月後、頭の打撲が治ったころ、インターネットで検索して、石渡氏のブログに書かれていたこの会合についていくつかのブログを読みました。  そこには、「この会合には英語界の重鎮中の重鎮の方々が集まっている」とか「英語教育界の大御所の方ばかり」とか書かれてありました。(「2015年5月5日 ついに変わる! 英語教育改革の全貌」で検索すると現在でもいくつか出てきます。)

石渡氏の5月7日のブログを読んだ私は、「どんなに立派な肩書をお持ちの英語教育の専門家の主張であっても、私の経験に照らし合わせてその主張が間違っていたら、私は一歩も引いてはならない」と決意しました。  そうしないと、日本中の子供たちが、「英語で考える詐欺指導法」の犠牲になってしまう」と思いました。

それで、2015年6月1日のブログを書きました。  どれほど、中学の英語の授業を英語ですることを阻止したかったかといえば、頭を打って、容体が急変した時は、知人にこのブログのアップを頼むほど、私は、それを阻止したいと思いました。(その時のことはこちらのブログに書いてあります)

石渡誠氏は、日本中の子供たちに誤った指導法をさせて、教師として、良心が痛むことはないのでしょうか。  今日も一生懸命、学校で勉強しているたくさんの子供たちのことを考えたことはないのでしょうか。

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私は随分長い間、自分の本のランキングを妨害されていますが、おそらく、やっている人は、私が英語教育の分野からいなくなるまで、妨害を続けるのでしょう。

ただ、私は、英語教育の分野からいなくなるわけではないようです。

こちらのブログに書いた外国人の方が、1999年11月にこのことの後、どういう結末になるのか、私に教えてくれました。  少なくとも、私は妨害されて、英語教育の分野からいなくなる、とは言われませんでした。

18年前、その結末を聞かされていたので、私は、「英語耳」の松澤喜好氏に盗作されようと、妨害されようと、日本人が誰も聞けない音について本を書いていようと、今日まで、頑張って来ることが出来ました。  どんな立派な肩書を持つ英語教育の専門家の言うことも自分の経験から見て、間違っていたら、一歩も引かない、という決意ができたのも、文部科学省の方針に正面から反対したのも、50年間信じられていた松本亨さんの主張を否定したのも、この後、どういう結末が訪れるのか、あの時、その人から聞いていたからでした。  

なぜ、その人が、私にそんな先のことを教えてくれたのか、その時は分かりませんでしたけれど、今は、わかる気がします。

たぶん、その方は、2008年以降、私がどれほど苦しい思いをするかご存じだったのだと思います。 2008年以降、私が「英語耳」の松澤喜好氏と、KADOKAWA/アスキーメディアワークスのためにどれほど泣くことになるか、ご存じだったのだと思います。(詳細はこちらです。)  その時にくじけないように、その苦しさの先にある結末を教えてくれたのだと今は、思っています。

もう私の本のランキングを下げるなどという行為はおやめください。

KADOKAWA/アスキーメディアワークス社長塚田正晃氏は「著作権法に抵触するのは犯罪行為だ」と言っています。(こちら) 松澤さんは、「松澤は盗作!というのはすごーい!」とHPに書いていましたが、塚田さんの主張によれば、盗作は犯罪行為です。  

他人のランキングを妨害するのも、営業妨害ですから、犯罪行為です。  

もう妨害はやめてください。


KADOKAWA/アスキーメディアワークス(塚田正晃社長)は、隠ぺい工作までして、著者が自分のホームページで盗作を豪語するような悪質な出版はやめてください。(詳細はこちらです。) 
 

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私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

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ここから先は、毎回掲載している3つのことです。「なぜ毎回3つのことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

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英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日のブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。  「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。


私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

学生時代、私はアメリカのセルフヘルプの本を読むのが好きでした。  当時、そういう本は翻訳しか入手できませんでした。  その中にこんな話が書いてありました。

チャーリーさんが自動車の調子が悪くなり、修理工場に持ち込みました。  修理が終わって取りに行ったとき、調子が悪かった原因を尋ねると「OOのネジが一つ壊れて、不具合が生じていたので、新しいネジに変えました」と説明を受けました。

請求書を見てみると、とても高い金額でしたので、チャーリーさんは、「ネジ一つ取り換えただけなのに、これでは金額が高すぎます」と文句を言いました。  そうしたら、修理をした人が、「最初は、何が原因となって不具合が生じているのかわかりませんでした。  それで、私は自動車の内部を全部調べました。  そしてOOのネジが壊れていることを発見したのです。  自動車内部をすべて調べるのに何時間もかかりました。  請求書はその労働の代金を含んでいるのです」と言いました。  チャーリーさんもその説明で納得しました。

この話は、どこを直せばよいかわかっているものを直すのは、簡単ですが、どこが悪いかわからないものを直すのは大変だ、ということを例えた話でした。

私は中学時代に英語のきれいな発音に魅了されて発音練習を始めました。  中学生でしたから一生懸命練習すればお手本のアメリカ人と同じ発音になると信じていました。  一年半くらいはちっともうまくなりませんでしたが、その日の練習が終わると、自分が今日練習した分だけお手本の発音に近づけたと思えて、とても、心が満たされていたのを覚えています。  一年半くらいは目に見えてうまくなってはいませんでしたが、毎日練習が終わって、テープレコーダーの手あかを白いハンカチできれいにふき取ってしまうときは、とても気持ちが充実していたのを今でも覚えています。

だから発音練習は大変だ、とかつらいとか思ったことはありませんでした。(決してうまくはなかったのに、です)

最初の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)の原稿を書いていた時、私は編集してくれた人に次のような心配をお話ししたことがありました。

「読者の皆さんに、私は何の苦労もなく、発音を習得した、と思われると困るのですが、、、」
そうしたら、編集をしてくださった方からこういわれました。

「川合先生の本を読んで、川合先生が何の苦労もなく発音を習得した、と思う人はいません。  そんなことを心配するより、むしろ、こんなサイボーグみたいな練習をしなければ発音はうまくならないのか、と思われることをご心配なさった方がよろしいんじゃありません?」

編集をしてくださった方は、スタンフォードでの留学経験もありますので、英語がとても上手な方でした。  こういうユーモアのセンスもお持ちでした。

私は苦笑しながら「はい。。。。」と言って、すぐひき下がりました。

確かに文全体をお手本と比べて違いを探すにはサイボーグみたいな能力がないとだめだ、と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。  (先日夫がチャンネルを回していたら、ターミネーター3でシュワルツネガーさんが人の着ている洋服を見て、一瞬で、それが自分に合うかどうかをピピピピ。。。と判断する場面がありました。  サイボーグと言うとそういうイメージが浮かんできますね。)  

けれども、発音を直すときは、最初は、気づいたところから直していけばいいので、本当はそういうことはないのですが、人によってはそんなことはとてもできないと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、その2年後、私は、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)を出版しました。  そしてその本に、どこを比べて何を直したらよいか書きました。  漠然と、文全体を比べたら違いは分からないかもしれませんが、「この音のこの違い(例えば、長さ)を聞いて下さい」とピンポイントで言われれば、誰でもそれは聞けます。

先ほどの自動車修理工場の例でいえば、どこに原因があるのか車の内部全体を調べるのはとても時間がかかって大変ですが、「ここのネジを変えてください」と言われれば誰でも出来るのと同じことです。  具体的に言われたことはやりやすいです。

「続・英語発音、日本人でもここまでできます」にはどこを聞いて何を直せばよいのか、書いてあります。  そのポイントは日本語のくせから来るものがほとんどです。  それは日本人に共通する発音の問題点ですから、そこを聞いて直していただけば通じやすい発音になっていきます。

「ここのネジを取り替えてください」というのと同じように、努力すればだれでもできることです。  サイボーグのような能力はいりません。

読者の方から、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」は、「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属のDVDで発音練習するときの参考書のように使っています」というメールをいただいたことがありますが、この2冊は一緒に活用してください。  

「なぜそういう練習をするのか」その原理もわかりますし、理解が深まると、相乗効果となって皆さんの発音がとても上達します。  発音は、口の練習だけではうまくなりません。  上手な人の発音って何か違いますでしょう?  体になじんでその音がでてきていますでしょう?  耳はもちろん、たくさんの感覚を使って習得すると上手になります。  (これについては、2018年3月8日のブログの冒頭の部分も参考になさってください。)

表面的な練習だけやっていると表に現れないことが、その原理や仕組みを深く掘り下げて理解していると、口の動きに現れてきます。 

お手本の発音を聞いたとき、「どうやって発音しているのか手に取るようにわかる」この状態になるわけです。  この深く掘り下げる役目ををするのが、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあることです。  

「上手な人の発音が何か違う」と感じるのは、口の動きの後ろにある、さまざまな感覚の関連性を意識して、練習しているからです。  「自分の体をどうするとあの音が出てくるか、体が知っている」この状態になっているからです。  表に現れたものだけ練習する場合、長く練習しても、あまり変化はありませんが、深く掘り下げて、練習していると、だんだん、音を捕まえる能力も向上しますので、長い間には、口の動きだけ練習してきた人とは随分違う発音が出来上がります。  発音練習の基本姿勢のブログに出てくる生徒さんみたいにですね。  「英語発音」と「続・英語発音」の本は一緒に活用してください。



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私のDVDで発音練習をするときは、耳に注意を集中して音を聞いて下さい。
最初はテキストを見ながら練習していただいて結構ですが、文字に気を取られていると、実際の音よりも自分がこうだと思っている音のまま発音していることが多くあります。

私はDVDの単語の発音の練習のところで、Life や Leg のLの音をほんの一瞬ですが、日本語化しない「長さのあるL」で発音しています。  そういう音をできるだけよく聞いて、同じように言ってください。

Fight や Fin の Fの音も長さをもって発音しています。  Way や Wet の W の音も長さを保持して発音しています。  それを耳でよく聞いて同じように言ってください。

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ブタさんが持っている旗については、こちらの「きのこの山とたけのこの里」というブログの後半を読むと、私がどうやって、子音の長さが聞けるようになったのか、書いてあります。