川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

結末  (RとFの練習 3回目 アンパンマン  再掲載2017)

私は随分長い間、アマゾンの自分の本のランキングを妨害されていますが、おそらく、やっている人は、私が英語教育の分野からいなくなるまで、妨害を続けるのでしょう。

ただ、私は、英語教育の分野からいなくなるわけではないようです。

こちらのブログ「私が3つのことを繰り返し書く理由」に書いた外国人の方が、1999年11月にこのことの後、どういう結末になるのか、私に教えてくれました。  (初めて聞いたときは、これは本当に自分のことなのだろうかと思いました)  それによると、私は、「英語教育の分野からいなくなる」わけではないようです。

その外国人の方の言った通りになるのかどうか知りませんが、少なくとも、私は妨害されて、英語教育の分野からいなくなる、とは言われませんでした。

どういう結末になるかは、これからわかると思いますが、18年前、その結末を聞かされていたので、私は、「英語耳」の松澤喜好氏に盗作されようと、妨害されようと、日本人が誰も聞けない音(子音の日本語化)について本を書いていようと、今日まで、頑張って来ることが出来ました。  どんな立派な経歴を持つ英語教育の専門家や大学教授の言うことも自分の経験から見て、間違っていたら、一歩も引かない、という決意ができたのも、18年前、このことの結末がどうなるのか聞かされていたからでした。

文部科学省の方針に正面から反対したのも、50年間信じられていた松本亨氏の「英語で考える指導法」を否定したのもこの後、どういう結末が訪れるのか、あの時、その人から聞いていたからでした。 「英語で考える指導法」を提唱した松本亨氏は20年以上NHK英語会話の番組を務め、NHK放送文化賞を受賞しています。石渡誠氏は「松本亨氏は英語の神様と言われた」と言っています。 いくら「英語の神様」と言われても、日本語訳を禁止しておきながら、日本語はどんどん英訳しろ、という指導法では日本語訳と結びついた英語が頭に存在しないのですから実際にはできないでしょう。(図による説明はこちら) 
 

なぜ、その人が、私にそんな先のことを教えてくれたのか、その時は分かりませんでしたけれど、今は、わかる気がします。

たぶん、その方は、2008年以降、私がどれほど苦しい思いをするかご存じだったのだと思います。 2008年以降、私が「英語耳」の松澤喜好氏と、KADOKAWA/アスキーメディアワークスのためにどれほど泣くことになるか、ご存じだったのだと思います。(詳細はこちらです。)  その時にくじけないように、その苦しさの先にある結末を教えてくれたのだと今は、思っています。

実際、この結末を聞いていなかったら、私は、2008年から今日まで、到底一人でやって来ることはできなかったと思います。  

もう私の本のランキングを下げるなどという行為はおやめください。


KADOKAWA/アスキーメディアワークス(塚田正晃社長)は、隠ぺい工作までして、著者が自分のホームページで盗作を豪語するような悪質な出版はやめてください。(詳細はこちらです。)

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今日は、一番最後の「発音練習について」というところに、私が最初の本の原稿を書いていたころの出来事を書きました。  題は、「サイボーグ」です。  どうぞ、お読みください。

今月は、私は、家のことで少し疲れましたので、しばらくブログはお休み致します。
今年の日付に一つ足した日付の去年のブログを読んでいただくと、その週に行う川合メソッド2の練習が書いてありますので、継続して練習していただけます。

子音の日本語化はこれから発音教育の主要な課題となってくると思います。  習得されるのは、早ければ、早いほどいいです。  発音がよく通じるようになりますので。

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それでは今日は、2016年8月21日のブログ アンパンマンの再掲載です。  どうぞお読みになってください。

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子供たちが小さかった頃夕食の支度をしていると、私の後ろで子供達が見ているテレビの音がきこえました。  

初めてアンパンマンの主題歌を聞いた時は「これが子供番組のテーマソング?」とびっくりして、思わず振り返って、私も一緒に見てしまいました。

アンパンマンは、パンでできた顔が汚れたり、濡れたりすると力が出なくなってしまいます。  するとジャムおじさんが新しい顔を焼いて、持ってきてくれて、アンパンマンの方に投げると、古い顔が飛ばされて、新しい顔が付きます。

その時、新しい顔が、左から右にツルンと光るのです。光の帯が左から右にツルンと素早く移動するのですね。

このツルンと光が移動するイメージが、日本人が英語をしゃべるときの、子音から母音(あるいは次の音)にツルンと素早く移ってしまう発音のイメージにそっくりなのです。

ネット上などで、日本人の英語を聞くと、「日本人の英語は、単語の最初の子音が次の音に、本当に素早く移ってしまいます。  アンパンマンの新しい顔みたいに、ツルンって変わってしまうのよね」といつも思います。

こういうイメージがあるから「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」41ページにある図もまあるいお月様の図になったのでした。

左の三日月部分の光が、ツルンと母音(あるいは次の音)に移動するのです。

今回、ブログを書くにあたって、スカパーのキッズチャネルを見て、「ツルン」を確認しました。  今、アンパンマンの番組はやっているのかどうかわかりませんが、なかったら、レンタルのDVDでも結構ですから、この光がツルンと移動するのをご覧になってみてください。

日本人の子音が素早く母音(あるいは次の音)に移行する様子が感覚的によくわかります。

イメージというのは、特徴を理解するときにとても役に立ちますので、活用してみてください。  日本人の子音はツルン、ツルンという感じで、長さがなく、たたくみたいに短く、すぐ次の音に移行してしまいます。



なお、オーイーの練習はあと2週間で実際の英文をしゃべりながら、唇に力を入れる練習に変わります。  5回以上できる方は、10回くらいまで増やしてやってみてください。

娘も7月17日からオーイーの練習をやっています。  たったこれだけの練習ですが、一回だけ、仕事で、何かあったのか、気持ちに余裕がなくて、一週間に2日しか練習できなかった週がありました。

その週のレッスンでは、唇の力もさることながら、軟口蓋を上げて鼻腔に共鳴させることを持続させていることが出来なくて、歌は、あまり、うまく歌えませんでした。  今日は、どうしたの?という感じでした。

私は、娘がうまく歌えなくても、「とにかく続けることが一番大事」と思っていたので、それまで、何も言ったことはありませんでしたけれど、さすがに、「オーイー」と一日5回言うことも出来ない、というのは、問題だな、と思ったので、

「由紀子が歌を続けたいというなら、毎週レッスンをするけれど、これ以上はうまくならないから」  「毎日歌えない人が、うまくなりたかったら、オーイーを5回言うくらいの練習は、やりなさいね」と言いました。

そうしたら、その後からちゃんと練習してきました。  それだけでも、軟口蓋はよく上がりますし、言葉もしっかりしてきます。  小さな練習でも、毎日積み上げることが大事です。  毎日少しずつやると、本当に体は変わってきます。

続けるコツは、なるべく朝、やってしまうことです。  いろいろなことが起こってくると、忘れますし、覚えていても、ほかのことが気になって、練習する気にならなかったりします。  ですから、簡単な練習なので、朝、やってしまうといいです。

私は、昨日、出かけてきましたけれど、電車を待っている間に、周りに人がいなかったので、「イーウー」と練習していました。(もちろん声は出しませんでした)  出来る時にやってしまうようにすると、練習が続きます。 

今週でR、Fの練習は、3週目ですので、今週の終わりには、少し変化が現れると思います。  それまでは、とにかく続けてくだされば、結構です。  出来不出来は気になさらないでください。  Fは、この練習で、摩擦音の感覚に慣れていってください。  外から口の特徴がよくわかる発音は練習しやすいです。  THのように外からよくわからない発音は練習を始めたばかりの人には難しいです。  まずやりやすい摩擦音 F で摩擦音のコツをつかんでください。    

* * * アンパンマンの顔がツルンと光るところを、是非ご覧になってください。  あらゆる感覚を使って子音の日本語化がわかるようにしていきましょう。  今回は視覚を使ってみました。

====子音を長く言う「川合メソッド2」=========
8月7日から9月3日までの練習内容

簡略腹式呼吸(水道管呼吸法) 4秒 x 5回
「オーイー」を5回、唇に力を入れてつなげて言う練習
Lの練習(2) 長いLで例文を言う  3回
Wの練習(2) 長いWで例文を言う  3回
Nの練習(2) 長いNで例文を言う  3回
Rの練習(1) 普通のRで例文を言う 5回
Rの練習(2) 長いRで例文を言う  5回
Fの練習(1) 普通のFで例文を言う 5回
Fの練習(2) 長いFで例文を言う  5回

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なお、この練習「川合メソッド2」を営利目的で使用することはご遠慮ください。(皆様にそのようなお願いをする理由はこちらでご覧いただけます)

(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン、発音講座、発音訓練 等々。

学習者どうしの情報交換は歓迎します。  どんどん行ってください。

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私の2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)を購入された方で、CDトラック6,13,18,19にある生徒さんと私の子音の長さの比較がよくわからない方は下のブログを参考にしてください。

2016年7月3日のブログ  子音を長く言う「川合メソッド2」「L」の練習 4週間後 (長いSの例)
2016年9月1日のブログ  RとFの練習 1か月後 マライア・キャリー (長いLの例)
2015年2月1日のブログ  「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where's my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

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ここから先は、毎回掲載している3つのことです。「なぜ毎回3つのことを掲載するのか」その理由については、こちらのブログをご覧ください。 

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英語教育について

文部科学省の英語教育の方針は、効果がありません。

1)現在、高校生が行っている「英語で授業」は効果がありません。  (理由はこちら
2)「CAN-DOリスト形式」は効果がありません。 (理由はこちら
3)「4技能」は効果がありません。  (理由はこちらこちら
4)現在、小学校の英語教育で子供たちが話しているのは、英語の発音ではありません。 (理由はこちら
5)大学教育を英語で行うと日本の学問は壊滅的な打撃を受けます。 (理由はこちら
以上の理由により、文部科学省の方針は効果がありません。

「発音」、「語順」、「英語で考える」、それぞれを習得する方法は2015年10月19日のブログ「川合式英語学習法」をご覧ください。

これは全部私自身がやってきたことです。  こうすれば、生徒たちは必ず通じる英語で話すようになります。
英語で考える指導法を提唱する人たちのように、「自分は日本語訳を使ったけれど、生徒たちは使うな」というような、誰も実際にはやっていないような指導方法ではありません。  私は全部自分でやっています。


「英語で考える」を提唱した松本亨氏の主張について

松本亨氏の「英語で考えるためには日本語訳を使ってはいけない」という主張は2006年、私の子供たちが全文和訳でバイリンガルになった事実によって否定されました。 

「英語で考える指導法」は詐欺である可能性が高いです。

松本亨さんの書いた「英語で考える本」「英語で考えるには そのヒケツと練習」という本に書いてある練習をしても英語で考えるようにはなりません。(2月4日のブログ「英語の思考活動」、3月1日のブログ「先生の宿題のプリント「英語で考える」ってどういうこと?」を参照してください)

英語で考える指導法を掲げる英語学校FORWARDの指導者、石渡誠さんは、松本亨さんの「英語で考える本」「英語で考えるには −そのヒケツと練習−」という本で勉強すれば英語で考えるようになると2017年1月19日のブログで言っていますが、この2つの本で勉強しても、英語で考えるようにはなりません。  「この方法を26年教えてきた」と書いていますが、26年間も効果のない方法を教えてきたというのは驚きですね。  

私は、この件について、松本亨さん(著作を含めて)以外の固有名詞を入れることをずっと避けてきました。  けれども、石渡誠さんの2017年7月30日ブログの冒頭の

日本の英語教育界もようやく変革の時が!英語を英語で教えるということが、中高でも広まってきています。良いことですが、

という部分を読んで、明記することにしました。  日本中の高校生を犠牲にしておいて、まだこういうことを言っていることに怒りを覚えました。  文部科学省でさえ、もう、中学校の英語の授業を英語で行うとは、言わなくなったのに、と思いました。  

石渡誠さんは、アラビア語アラビア語で教えられたら、アラビア語が堪能になるのでしょうか?  それを自分で証明してから、「英語を英語で教えること」を提唱してください。

石渡誠さんは、26年間も授業料を取って、「効果のない方法」を「効果がある」と偽って教えてきて、謝罪も損害賠償もしないのですか?  そうやって、「何を言っても何の責任も取らなくていい」と思っているから、いまだに「英語を英語で教えるのが良い」などとおっしゃるのでしょう。  

でしたら、ご自身がアラビア語アラビア語で学んで、アラビア語が堪能になるかどうか示してください。  それが出来ないのであれば、「英語を英語で理解する指導法」が間違っていたと認めてください。  そういうけじめをつけないからいつまでも「英語を英語で理解する」などという指導法を主張し続けるのでしょう。

日本中の高校生が迷惑していますので、自分もできない指導法を提唱するのはやめてください。

自分の商売のために子供たちを犠牲にするのは、もうやめてください。

Je suis Charlie. と母国語で言うフランス人が I am Charlie.という言語を学ぶとき、母国語の意味を参考にしていないはずはないでしょう。  日本人は誤った指導法を50年も信じて、大きく後れを取りました。


私は、英語で考える指導法の提唱者が、「Freedomを日本語に訳すとニュアンスが分からなくなるから英語のまま言わせる」とブログに書いているのを読みました。  でもそれでは何も教えていないのと同じです。

生徒から、アメリカ人にとって自由というのはそんなに大事なものなのですか?と質問されたら、アメリカ史がご専門の先生なら、「建国の歴史を勉強してみるとその理由が分かってきますよ」とお答えになるでしょうし、時事英語がご専門の先生なら、ニュースの中から、アメリカが個人の自由を制限する国に対して、非常に厳しい外交政策をとり、しかも大多数の国民がそれを支持しているというニュースを選んで、生徒と一緒に勉強していくでしょう。

Freedomを日本語に訳さずFreedom. Freedom と生徒に言わせる、などというのは何も教えていないのと同じことです。

それは、次のような例を想像してみるとよくわかります。

もし、アメリカで、日本語を学んでいる生徒が「日本の武士道とはなんですか?」と教師に質問した時、「日本人にとって武士道が、どういうものなのか知りたかったら、武士道を英語に訳さず、日本語のままブシドウ、ブシドウといいなさい」 などと指導する教師は一人もいないでしょう。   

仮に先生が「これが、日本語を日本語で理解する指導法だ」「日本語で考える指導法だ」などと言っても、生徒はばかばかしくてする気にもならないでしょう。  保護者からは「まじめに教えろ」と言われるでしょう。 

これが英語で考える指導法の正体です。

教える方は何も教えていない。
学ぶ方は何も学んでいない。
これが英語で考える指導法の正体です。

だから私はこの方法は詐欺だと言ったのです。(こちらのブログ

以前、この「英語のままFreedomと言わせる」と言っていた学校のブログで、車を売って受講料を払って学んでいるという生徒の例が紹介されていました。  それほどの高額の授業料をとって、「だますつもりはなかった」「知らなかった」では済まないです。  
詐欺は犯罪です。

詐欺は、刑法で刑罰が定められている犯罪です。

また、そのブログで、英語で考える指導法をする人々が、生徒の英和辞典を取り上げたり、生徒に英和辞典を窓から捨てさせたりする、ということも読みました。  中には最後まで生徒に英和辞典を返さなかったこともあったそうです。

「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」を読んでいただくとわかりますが、英語のわからない生徒にとって、英和辞典は命綱です。  英和辞典があるから、英語の意味が分かるようになります。  これを取り上げるなど、間違った指導法を盲信する指導者の誤りです。  英和辞典を取り上げれば生徒の英語力が上がるなどということは絶対にありません。

この詐欺商法を、中学や高校に持ち込んだのが文部科学省の「中学、高校の英語の授業を英語で行う方針」です。
だから、私は、「学校で詐欺を行わないでください」と申し上げたのです。
税金を詐欺に使わないでください、と申し上げたのです。
高校英語教育はいまだに詐欺ですね。
学校で詐欺教育をするために、車一台売るどころではない、莫大な税金が使われています。

早くやめてください。
高校時代は、高校時代にやらなければならない訓練があるのです。
複雑な英語を読み始めるときにどうしてもやらなければならない訓練があるのです。
この時を逸すると、取り返しがつかないのです。  高校生がかわいそうですから、「学校で詐欺」はやめてください。

発音練習について

学生時代、私はアメリカのセルフヘルプの本を読むのが好きでした。  当時、そういう本は翻訳しか入手できませんでした。  その中にこんな話が書いてありました。

チャーリーさんが自動車の調子が悪くなり、修理工場に持ち込みました。  修理が終わって取りに行ったとき、調子が悪かった原因を尋ねると「OOのネジが一つ壊れて、不具合が生じていたので、新しいネジに変えました」と説明を受けました。

請求書を見てみると、とても高い金額でしたので、チャーリーさんは、「ネジ一つ取り換えただけなのに、これでは金額が高すぎます」と文句を言いました。  そうしたら、修理をした人が、「最初は、何が原因となって不具合が生じているのかわかりませんでした。  それで、私は自動車の内部を全部調べました。  そしてOOのネジが壊れていることを発見したのです。  自動車内部をすべて調べるのに何時間もかかりました。  請求書はその労働の代金を含んでいるのです」と言いました。  チャーリーさんもその説明で納得しました。

この話は、どこを直せばよいかわかっているものを直すのは、簡単ですが、どこが悪いかわからないものを直すのは大変だ、ということを例えた話でした。

私は中学時代に英語のきれいな発音に魅了されて発音練習を始めました。  中学生でしたから一生懸命練習すればお手本のアメリカ人と同じ発音になると信じていました。  一年半くらいはちっともうまくなりませんでしたが、その日の練習が終わると、自分が今日練習した分だけお手本の発音に近づけたと思えて、とても、心が満たされていたのを覚えています。  一年半くらいは目に見えてうまくなってはいませんでしたが、毎日練習が終わって、テープレコーダーの手あかを白いハンカチできれいにふき取ってしまうときは、とても気持ちが充実していたのを今でも覚えています。

だから発音練習は大変だ、とかつらいとか思ったことはありませんでした。(決してうまくはなかったのに、です)

最初の本「英語発音、日本人でもここまでできます。」(赤い本)の原稿を書いていた時、私は編集してくれた人に次のような心配をお話ししたことがありました。

「読者の皆さんに、私は何の苦労もなく、発音を習得した、と思われると困るのですが、、、」
そうしたら、編集をしてくださった方からこういわれました。

「川合先生の本を読んで、川合先生が何の苦労もなく発音を習得した、と思う人はいません。  そんなことを心配するより、むしろ、こんなサイボーグみたいな練習をしなければ発音はうまくならないのか、と思われることをご心配なさった方がよろしいんじゃありません?」

編集をしてくださった方は、スタンフォードでの留学経験もありますので、英語がとても上手な方でした。  こういうユーモアのセンスもお持ちでした。

私は苦笑しながら「はい。。。。」と言って、すぐひき下がりました。

確かに文全体をお手本と比べて違いを探すにはサイボーグみたいな能力がないとだめだ、と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。  (先日夫がチャンネルを回していたら、ターミネーター3でシュワルツネガーさんが人の着ている洋服を見て、一瞬で、それが自分に合うかどうかをピピピピ。。。と判断する場面がありました。  サイボーグと言うとそういうイメージが浮かんできますね。)  

けれども、発音を直すときは、最初は、気づいたところから直していけばいいので、本当はそういうことはないのですが、人によってはそんなことはとてもできないと思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、その2年後、私は、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑の本)を出版しました。  そしてその本に、どこを比べて何を直したらよいか書きました。  漠然と、文全体を比べたら違いは分からないかもしれませんが、「この音のこの違い(例えば、長さ)を聞いて下さい」とピンポイントで言われれば、誰でもそれは聞けます。

先ほどの自動車修理工場の例でいえば、どこに原因があるのか車の内部全体を調べるのはとても時間がかかって大変ですが、「ここのネジを変えてください」と言われれば誰でも出来るのと同じことです。  具体的に言われたことはやりやすいです。

「続・英語発音、日本人でもここまでできます」にはどこを聞いて何を直せばよいのか、書いてあります。  そのポイントは日本語のくせから来るものがほとんどです。  それは日本人に共通する発音の問題点ですから、そこを聞いて直していただけば通じやすい発音になっていきます。

「ここのネジを取り替えてください」というのと同じように、努力すればだれでもできることです。  サイボーグのような能力はいりません。

読者の方から、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」は、「英語発音、日本人でもここまでできます。」付属のDVDで発音練習するときの参考書のように使っています」というメールをいただいたことがありますが、この2冊は一緒に活用してください。  

「なぜそういう練習をするのか」その原理もわかりますし、理解が深まると、相乗効果となって皆さんの発音がとても上達します。  発音は、口の練習だけではうまくなりません。  上手な人の発音って何か違いますでしょう?  体になじんでその音がでてきていますでしょう?  耳はもちろん、たくさんの感覚を使って習得すると上手になります。

表面的な練習だけやっていると表に現れないことが、その原理や仕組みを深く掘り下げて理解していると、口の動きに現れてきます。 

お手本の発音を聞いたとき、「どうやって発音しているのか手に取るようにわかる」この状態になるわけです。  この深く掘り下げる役目ををするのが、「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあることです。  

「上手な人の発音が何か違う」と感じるのは、口の動きの後ろにある、さまざまな感覚の関連性を意識して、練習しているからです。  「自分の体をどうするとあの音が出てくるか、体が知っている」この状態になっているからです。  表に現れたものだけ練習する場合、長く練習しても、あまり変化はありませんが、深く掘り下げて、練習していると、だんだん、音を捕まえる能力も向上しますので、長い間には、口の動きだけ練習してきた人とは随分違う発音が出来上がります。  発音練習の基本姿勢のブログに出てくる生徒さんみたいにですね。  「英語発音」と「続・英語発音」の本は一緒に活用してください。



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ブタさんが持っている旗については、こちらの「きのこの山とたけのこの里」というブログの後半を読むと、私がどうやって、子音の長さが聞けるようになったのか、書いてあります。