川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

2013-01-01から1年間の記事一覧

生徒には聞けない。  生徒には直せない。

この3年間、「自分で音は聞けない」と思っている方が、とても多いことをずいぶん感じました。 「生徒に音は聞けない」と言う言葉が英語学習者の間に、広く深く浸透してしまったのがわかりました。 この言葉が日本の英語学習者にもたらした損失は計り知れな…

自分には聞けない。  自分には直せない。

川合メソッドは自分の発音を録音してお手本の発音と比べて直していくメソッドです。 こういうと、「私には英語の音は聞けません」「私にはどうやって直したらいいのかわかりません」という方が必ずいます。 私が、「最初は、声が大きいとか小さいとかそうい…

どのような発音練習の形態をとっても自分の発音を録音してお手本と比べることは必要です。

発音練習にどのような立場を取られる方でも、通じる英語を身につけるには自分の発音を録音して、お手本と比べて直していくことが必要だと思います。川合メソッドが自分の発音を録音してお手本と比べて直していくのは「聞いた音と同じ発音で話す能力」を自分…

私が音について解説したことを取り入れることだけが、川合メソッドではありません。(2)

お手本と自分の発音、この「2つの発音を比べる作業」をしようとしまいと結果としてわかったことだけ取り入れれば、同じことだ、と思うのは、「自分の知らない言語習得の世界がある」ということをまだ知らないからだと思います。 本当に人間には「耳で聞いた…

私が音について解説したことを取り入れることだけが、川合メソッドではありません。

私は最近ブログで、日本人の英語が通じない理由をお話していますが、これは皆さんが自分の発音と、お手本の発音を比べて直していく時に違いを認識する手がかりにしていただくために書いています。自分の発音とお手本の発音を比べるのが、手間がかかるし大変…

発音教材は、静かに英語の音が聞けるものを使ってください。

昨日の補足ですが、川合メソッドをなさる方は、英語の音が静かに聞ける教材を使って、発音練習してください。 本来の英語の子音と日本語式の子音の長さの違いは時間にすると、一秒の何分の一という小さな違いになります。この微細な違いを聞いていくわけです…

無意識にしていることに気づくためには。

日本人は会話のスピードで英語を話すと、単語の最初の子音が、本人も気づかないうちに日本語の子音の言い方にすり替わってしまうので通じなくなります。 具体的にどうすり替わるかは8月4日http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130804、10日http://d.hatena…

No(ンノウ)とNot(ンナット)

私は昨日のブログで、Little がルリトルに聞こえる Render がウレンダーに聞こえるという例を出して、発音の本に解説されている 舌が歯茎についている時に出るLの音「ル」(リトル) 舌を丸めている状態で出るRの音「ウ」(レンダー)を、日本語の音の出し方…

日本語の音の出し方とは違う音を聞くためにはどのようにするか。

私は、日本人は基本の発音の仕方を知らないから通じないのではなく、基本の発音の口の形をしても、そこで息を送って音を出さないから通じないのだと書きました。 正しい口の形から次の音に移行するときに初めて音を出すような母国語の発音の仕方にすり替えて…

川合先生はいつ日本人の子音が短いと気づかれたのですか?

8月1日のブログを読んだ方から「川合先生はいつ日本人の子音が短いと気づかれたのですか?」と聞かれました。それで、記憶を辿って行きました。 シカゴの赴任から帰ったときはまだ、そのことに気づいていませんでした。 確かに「日本人の子音は弱い」と学…

日本語の子音の言い方にすり替わる例

8月1日のブログで、日本人は会話をするときに単語の最初の子音が、日本語の子音の言い方にすり替わるから、ネイティブにわかりづらい発音になると書きました。私がよく聞く「すり替わった発音」について、例を上げます。 (単語は読みやすいように、最初を…

「英語の発音を学ぶこと」は、学習者自身が、日本語とは違う音の世界があることを知ることです(2)

7月30日の続きです。7月30日の最後に次の様に書きました。音が聞けなかったら、両者の違いがわかるまで、聞く練習を続けていくのが、発音練習なのです。 今すぐに聞けなくてもいいのです。 聞く練習を続けていくのです。 それをしないで、先生が代わり…

「英語の発音を学ぶこと」は、学習者自身が、日本語とは違う音の世界があることを知ることです(1)

5年くらい前、ネイティブ並みの発音、ということについて話をすると、必ず、「日本人は日本人の発音で良いのだ」と主張する人がいました。 「どこの国の人だってお国訛りの英語で、堂々と話しているんだから、日本人だって日本語訛りの英語でいいんだ」と、…

単語だけの発音練習は「文章の練習をするときのパート練習」として行います。

21日のブログで、1. 単語だけの発音練習 2. 演説の練習 3. シャドウイングこの3つの発音練習から抜けだしてください、と書きました。 今日はその一つ目、単語だけの練習について更にお話します。日本人の英語はぶつぶつ切れます。母音も短いですし…

「発音の下手な日本人」から「発音の上手な日本人」へ

私がパソコンが使えるようになったのは2001年に市で行われた市民のためのパソコン講座を受けてからでした。それから、インターネットなどで、英語に関する記事をよく読むようになりました。 そうすると「日本人の発音は良くない」という記事がよく目に止…

静かさが耳の力を育てる。

子音を例に取ると、日本人の英語が伝わらないのは単語の最初の子音が短い(あるいは弱い)からです。ネイティブの発音より時間にしたら何分の一秒か短いだけだと思いますが、普段、聞き慣れている子音より短いのでネイティブにとっては聞きにくくなります。…

英語の深さ(2)

14日の続きです。私は以前ブログで、英語で考えるというのは「Dog という言葉を聞いて、日本語で「犬」と思わないで、犬をイメージする」そういうことではない、と書きました。14日のブログを読んでいただけばお分かりのとおり、英語で考えていくことは…

英語の深さ(1)

7月3日のブログ「初級、中級の勉強の仕方」http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130703の中で次のように述べました。* * *同じように英文を勉強するのでも、深く内容に入っておくと、英語力は更に上ります。 具体的にはどうするのかというと、自分が勉強…

うなるようなRの音を数多く入れて、ネイティブっぽくする必要はありません。

「ネイティブっぽい声でしゃべる」これに憧れる人は多いですね。 けれども基本の発音ができていないと、どんなに声を変えても、日本人の英語を聞いたことのない人には通じません。 また複雑なこと、聞きなれないことを話し始めると、基本の発音ができていな…

ベルヌーイの定理

中学3年生の時の担任の先生は理科の先生でしたが、「僕は大学に行って、学問というものに触れたような気がした。 それがとても嬉しかった。 学問とは何か、ということが少しだけどわかった気がして、嬉しかった。」とおっしゃったことがありました。この先生…

「ネイティブ並みの発音になる努力は惜しまない」という人に実践していただきたいメソッド

川合メソッドは、難しいメソッドではありません。 単語の発音練習を一ヶ月やったら、単語と文章の練習を並行して行っていきます。 文章は難易度の低い単語で構成された短文(I like music.)から始まりますから、誰でもできます。けれども、そのやり方が従来…

お互いを respect する関係では使わない言葉

アメリカで友達になった人から聞いたお話を書こうと思います。 なぜかといいますと、日本人が平気で言っていることが、どれほどの衝撃を相手に与えるものかを解って頂きたいと思ったからです。 きちんと言葉を勉強して、相手の人の理解を得られる話し方を身…

いつも「もっと良い発音習得の方法」を探している

発音を学ぶときに「出来るだけ短い期間で、最も効果のある方法を選ぼう」と考えるのは誰しもあることだと思います。 ただあまりにもそれに固執すると、結局、完成度の高い発音は習得できずに終わることが多いです。なぜなら、そういう人はどんな方法で発音を…

初級、中級の勉強の仕方

昨日「初級、中級の方は母国語の力を借りて英語をよく分かる言語にしていくことが英語学習です」と書きました。 英語をよく理解するためには最初は母国語の助けを借ります。 わからない単語は英和辞典で調べます。 文章は文法にのっとって、正しく意味を取り…

「英語で考える」は英語学習を積み重ねてできる到達点、いわば、ゴールであり、初級の学習者には出来ない学習法です。

「英語で考える」ということは地道な英語学習を続けた結果、「英語がよく知っている言語」として、学習者に定着した時に初めてできることです。 いわば、長い勉強の末に到達するゴールのようなものです。 初級の生徒が形だけ上級者と同じ事をやっても、頭の…

教育原理の授業

津田塾大学在籍中、教師になる学生は教育原理が必修科目でしたので、私も履修しました。 教えてくださったのは伊勢田耀子先生でした。 一番最初の授業で、「教育」の「教」と言う漢字の成り立ちを説明されて、教育のもともとの意味は「弱い子を抱き取って育…

上級者が自分の言いたいことを英語で言っているから、初級者も最初からそうするのは、自己流の発音が定着してしまうのでやめましょう。

私は5月19日から6回のシリーズで、上級者のやっていることを形だけ初級者が真似しても、頭のなかの活動に於いてはこの2者は全く別物であると明らかにしました。(5月28日ブログ、2つの「英語を英語で理解する」は全然違うことhttp://d.hatena.ne.jp…

「その発音は違います」 ― 基本の発音は練習の一番最初に学びましょう。

もう1,2年前になると思いますが、その頃、朝英語のニュース番組を聞くときに、時々、ヘッドフォンを付けて聞くことがありました。いつもは、ニュースを聞いていて、コマーシャルになると煩わしいので、ヘッドフォンは外すようにしていました。 ところがそ…

手書きのメッセージ

いくつかの書店さんには、私の本とともに手書きのポップが置いてあります。 もくもくした楕円の雲の形をしていて、オレンジ色と黄色のラインで縁取りされた中に 日本人の私の口の形は 皆さんの口の形として取り込みやすいと 思います。 DVDを見ながらいっし…

化学のノート

息子は中学時代、筆記体の書き方を習わなかったようでした。 教科書を見ても載っていなかったので、「必ず教える項目」には入っていなかったのかもしれませんね。 ですから息子は筆記体で書かれた文字は、アメリカに行ったばかりの頃は読めませんでした。で…