川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

2013-01-01から1年間の記事一覧

音の聞き方

発音練習をしていて、自分の発音の違っているところがよく聞けないときは、自分が聞く音を一つ決めて、そこだけに注意を集中して、お手本と自分の録音を聞いていくと、聞けるようになります。 文全体を聞くというのは大変でしょうから、ある音に注意を集中さ…

発音練習も正しい順番でおこないましょう。

大学時代、英語の教師になる学生は音声学が必修でした。 英語の教師として発音を教えるには、教師自身も母音を区別して発音出来ること、 文章の最初から最後まで正しい発音で言えること上の2つは最低の条件だと私は思っています。 生徒はお金を払って発音を…

順を追って学ぶことの重要性。

私が教師になるために大学時代に勉強したものには、教育心理学、教育原理、英語教育法などがありました。 教育心理学の中には発達心理学もありました。 なぜ教師になる人が、こういう勉強をするのかと言えば、生徒の状態をよく知った上でそれに合わせて教え…

なぜ、英語の本を読むことが英語で考えることに効果があるのか。「意味を成す英文を頭の中に構築する能力」

私が自分の言いたいことが英語で自然に浮かんでくるようになったのは、渡米した翌年の学年の終わりから夏休みにかけて毎日何時間も英語の本を読み続けたときでした。その時の様子はこちらのブログに書いてあります。夫に「まるで、家庭内別居のようだ」とい…

英語で考えるようになった人がしていることを真似するのではなく「自分を英語で考えられるようにしてくれる」練習をしましょう。

英語を英語で理解出来るようになった人(英語がよく知っている言語として定着している人)が単語の意味を英英辞典のように言っているから、英語学習を始めたばかりの自分も同じようにやってみたいというなら、それもいいと思います。けれどもそれをしている…

(6)上級者のやっていることを真似しても、頭の中でやっていることは初級者のままです。

(私の息子が「アメリカに行ったばかりのころ英語の教科書を日本語に訳して理解していたこと」を帰るころには忘れてしまったことはこのブログの最後の方に黒い太字で書いてあります)4回にわたって、英語がよくわからないときに、母国語の助けを借りて理解…

(5)2つの「英語を英語で理解する」は全然違うこと。

私は5月24日のブログhttp://d.hatena.ne.jp/creato-k/20130524の内容をおぼえていてくださいね、と皆さんにお願いしました。 忘れてしまった方は、もう一度読んで見てください。(A)「初級者が英語で考えている」と思っていること (B)「英語が良く知っ…

(4)予告編だけでは映画は分からない

子どもたちは≪「よくわからない言葉(英語)」を「よくわからない言語(英語)」で理解する≫と言うことは、しませんでした。彼らが、いつも「正確に意味を取ろう」と必死だったのを覚えています。 まだ英語がよくわからない言語であるとき、彼らは母国語(日…

(3)「英語を英語で理解する状態」とは、どういう状態か。

本当に英語を英語で理解するようになるにはそれなりの道のりが必要です。 英語が自分の中で「良く知っている言語」として定着する必要があるわけですね。 (先回登場した息子はまだこの状態にはなっていなかったのですね。) だから私は英語を英語で理解した…

(2)「こんなもの、いくら英語で説明されたってわかんないんだよ」

小学校低学年を過ぎた人が、自分がまったく知らない言葉を学んでいこうとするときは、すでに自分の中にある、「良く知っている言語」を基礎としてそれに照らし合わせて学んでいきます。もし私がアメリカで子どもたちの学校の授業が始まった時に、英語を英語…

(1)高校生の皆さんへ

今日は高校生の皆さんに、お話したいと思います。以前、英文科を出られて、今は海外出張が多い仕事についていらした方に英文読解の指導をしたことがありました。 その方は、「高校時代、英語の授業はいつも入試問題をやって答えあわせをしていたので、英語の…

似て非なる発音

英語を勉強している方で、Lの発音やSの発音の仕方をご存じない方はいらっしゃらないと思います。 そして勉強した正しい言い方で、音一つなら言うことが出来るし、単語になっても正しく発音できると思います。 けれども文章になると、日本語の子音の言い方が…

日本語の子音、英語の子音

英語と日本語の子音の長さが違うということは、最初の本を出版したときから言ってきました。 この長さの違いが聞けたら、ほとんどの子音の問題を解決することが出来ます。 強くて、長い子音を聞きなれているネイティブには単語の最初の子音をほんの少ししか…

Lの発音

津田塾大学に在籍していたとき、英語の教師になる学生は音声学が必修でした。 何人もの先輩から、「音声学は落とす学生が多いから気をつけなさいね」と言われていたので、私は先生のお話を聞き落とさないよう、講義の間中、注意深く聞いていました。 私のク…

だんだん、分かってくること

中学のとき、I’m proud of you. と言う表現を習いました。 でも、「こんな仰々しい言い方を誰がするんだろう」と私は思っていて、すごく不思議でした。 私が中学生だったころは昭和40年代の半ばですから、インターネットもDVDもありませんし、外国のことは…

音は自分の体の中で作りましょう

発音するというのは、建物にタイルを張るように、口の形だけを、外側から取ってつけたようにやっても、うまく言えません。 音は自分の体の中から作っていきます。自分の発音の録音を聞いて練習していると、「自分の口をこうすると、こういう音が出る」、 「…

扇子(せんす)を見ると、思うこと

先回のブログで、私は発音を習得するのは生徒さん自身なので、生徒さんの中にある発音習得に必要な能力を向上させることが、私の指導の目的だと書きました。発音を習得するためには、1.まず、目的とする音が聞けること2.同じように発音したつもりでも、…

生徒には発音を聞いて直す力がある。

初心者の生徒さんの最初のレッスンのとき、次のレッスンまでの課題を出して私はこんな風に説明します。「ここに書いてある英文を発音練習して、お手本と比べて自分で直してきてくださいね。 次回のレッスンで私はOOさんの発音を聞いて、お手本と違っていると…

高校時代の思い出

先回のブログで、中学時代、生徒会の指導をしてくださった先生の話を書きました。そういう中学校生活をした私は、高校に入学してちょっとしたショックを受けました。 休日にその先生のところに話しに行って、少し、元気になったころ、先生からお手紙をもらい…

発音練習の教材

先回のブログでは、日本で長くおこなわれてきた単語だけの発音練習を「単語と文章を並行して練習して行きましょう」と申し上げました。 今日はやはり日本で長くおこなわれてきた演説の練習についてお話したいと思います。 私は中学一年のときから今日まで、…

単語だけの発音練習は一ヶ月で十分です。  後は「英語でしゃべる」練習をしましょう。

高校の数学の先生が、何のお話のときだったか、こういうことをおっしゃったことがありました。「足し算を習ったらものすごく難しい足し算が出来るようになってから、引き算を習うわけではないんだよね。 掛け算を習ったら、ものすごく難しい掛け算が出来るよ…

子音が聞こえないという問題(2)

4月17日の続きです。子音が聞こえないと何を言っているのか分かりませんから、子音が聞こえるように言うのはとても大事なことです。ここで、英語と日本語の子音の違いを少しお話したいと思います。 私の最初の本を持っていらっしゃる方は28,29ページ…

子音が聞こえないという問題

私が中学生のころ発音練習をしていて、「自分のしゃべった英語の子音が聞こえない」という問題に直面したことはありませんでした。 確かに、お手本の発音に比べて子音が弱いと思い、強く発音しようとしたことはありましたが、「子音が聞こえない」「子音が落…

英語を話す時の唇と口角の動き

大学一年生のときに、ある先生がアメリカ人が英語を話すのを見て、「ガムを噛んでいるような口の動かし方だ」とおっしゃったことがありました。 この先生は英語の先生ではなく国際関係がご専門の先生でした。私は当時大学1年生でしたから、それまで聞いてき…

思い込みから自由になりましょう

「単語の発音が出来れば英語が上手にしゃべれる」 これは間違った思い込みです。 この間違った思い込みから早く自由になりましょう。 間違った思い込みがあると、高校一年の私のように(9日のブログ)目の前の事実が見えません。 単語だけの発音練習は、文…

単語の発音が出来れば上手にしゃべれるという思い込み

単語の発音が正しく言えれば、上手にしゃべれる。そう思っている方はたくさんいらっしゃると思います。だから、単語の発音をたくさん練習しても上手にしゃべれないと、「まだ練習が足りない」「まだ練習が足りない」と思って、また単語の発音に逆戻りして、…

通じる発音練習に変えましょう

人間が現実を見るとき、見るものを選択して見ていることがあります。皆さんは今までたくさんの発音練習をやってきたと思います。 母音や子音の練習、単語の練習、演説の練習。 とてもたくさんの量の発音練習をしてきたと思います。 ある事柄をするのが難しか…

通じる発音を身につける発音練習のやり方

私は日本人が、「演説の練習や単語だけの発音練習を好んでおこなってきたこと」が日本人の英語が通じなくなった大きな原因の一つだと思っています。 これらの練習は日本人が最も苦手とすることをしなくてよい練習だったのです。つまり、「強弱の英語のリズム…

日本人の英語が通じなかった理由

先回のブログで、単語だけの発音練習や演説の練習は、日本人が最もやりにくいことをやらなくて済む練習だと書きました。 すなわち「英語のリズムに乗せて、最初から最後まで文章を滑らかに言うこと」をやらなくて済む練習だと書きました。 今まで、発音練習…

新学期が始まりますね。

この春、中学一年生になる方で、英語を上手にしゃべることに特に興味を持っている方がいたら、ちょっとお小遣いをためて、教科書の音声が載っているCDを書店で購入してみてください。数年前私が買ったときは2000円くらいでした。 授業で一つのレッスンを…